写真のない旅行記

カメラを持たずに旅した記録です。雑記も載せています。

71  女性のバス運転手さんを見かけたのですが…

 今日、退勤時に乗ったバスの運転手さんが女性でした。転勤してから仕事のある日は毎日バスに乗っていますが、女性の運転手さんを初めて見ました。一瞬、「大丈夫かな」と思ったのですが、これは偏見で、全く問題はなく、いつも通り安全に目的地に到着しました。

 

 女性の社会進出、さらにはジェンダーフリー、などと言うことが言われる昨今ですが、運転手、という職業に女性が少ないのは事実でしょう。考えてみれば、特に力仕事、というわけでもないし、女性が運転手をやっていてもおかしくないわけです。

 

 ロシアに行ったとき、ハバロフスクの市電の運転手がおばさんばかりで、市電の運転手は女性の仕事、と思われているようでした。旧ソ連の名残なのでしょうが、長距離を走るシベリア鉄道ならばともかく、市電などは女性が運転するのに手頃、と思われていたのかも知れません。

 

 私は男性ですが、車に乗らずにバス通勤しています。「男のくせに車にも乗れないのか」と思われるとちょっと不愉快ですし、そういう観念を持たれない方がいいとは思います。男性でも女性でも車に乗る適性のある人、ない人、というのはいると思うのです。最近は男も女もみんな車に乗れなければいけない、あるいは外で働かなくてはいけない、という風潮になっていますが、それもいかがなものかな、とは思っています。

 

 男性でも女性でも外で働くのに向いている人、向いていない人がいると思うのですが、近頃は専業主婦が肩身のせまい思いをしているとも聞きますし、男性で外で働くのが苦手な人は「引きこもり」になってしまうわけです。

 

 一方で女性の社会進出を声高に主張する人は、管理職や医師、政治家などの男女比率を問題にはしますが、一方で運転手の男女比率を問題視する言説は聞いたことがありません。電車やバスの運転手もこれまで男社会で、しかもよく考えてみれば男女で適性にあまり関係のなさそうな職種です。

 

 ところがこれを問題視しないのは、皮相な見方をすれば、運転手、という仕事の社会的地位に起因するのではないか、と思われます。職業に貴賎はない、という原則からすれば、女性の社会進出を主張する人はもっと「運転手の男女比率を半々に!」と主張してもおかしくないはずです。男女差別を問題視して、職種を差別していませんか、と皮肉の一つも言いたくなります。

 

 なんだか散漫な論考になってしまいましたが、皆さんはどう思われますでしょうか?