急行型気動車キハ58系グループでは昭和40年代に入ると普通車でも冷房化改造が行われ、そのための電源を1エンジン車のキハ28に搭載することになりましたが、2エンジン車のキハ58のみでは冷房を使用することが出来ず、勾配線区ではパワー不足に悩まされました。そこで登場したのが、1エンジン車ながら500PSの大出力エンジン(DML30系)を搭載したキハ65です(キハ58・28のエンジンは180PS)。
この車両が登場したことで勾配区間でもスピードアップが行われ、急行型気動車の冷房化率向上にもつながりました。ただこの頃にはすでに急行列車そのものが本数減の時代になっており、キハ65は100両あまりの製造に留まり、関東や東北には配置すらされませんでした。
その後JRになってからは各地で気動車が余剰気味になり、一部はジョイフルトレインに改造されて、団体用になったものもありました。そのおかげで、改造後に特急列車として運用される車両も出現し、JR西日本では「エーデル」「シュプール&リゾート」シリーズの改造車が関西から信州や、時には越中八尾への臨時列車として走りました。
一方同じ系列のエンジンを搭載して、特急用として製造されたのがキハ181系で、勾配を持つ幹線の特急に運用され、「つばさ」「しなの」「やくも」「あさしお」「まつかぜ」「しおかぜ」「南風」などが代表格といったところでしょうか。こちらはさすが特急型だけあって最高速度も120km/hを誇り、同区間を走る電車特急にも引けを取らない俊足を見せていました。