日本海に面した新潟県上越市から新潟県妙高市にかけては妙高山系の山々から伸びる高原地帯へと一気に標高が高くなる地域。

 冬には日本海からの北西の季節風が斜面にまともに吹き付けて大量の雪を降らせる豪雪地帯です。

 そのピークは長野県境となる妙高高原付近…国鉄JR東日本信越本線時代には大きなディーゼル機関車の前位に大きなロータリー者を連結した「特雪(とくゆき)」と呼ばれる「特殊排雪列車」が直江津~黒姫間で運転されていましたが、現在では新しい特殊除雪車で除雪が行われます。

 ただ、現在ではJRやJRから路線を受け継いだ第三セクターなどではこれらの特殊除雪車やモーターカーは保線車両という位置付けで車籍が無いため、除雪作業が行われるときにはその区間を運休する必要があります。昨年末から今年にかけては新潟県上越地方から長野県北部にかけては「昔を思い出す」ような大雪が続き、住民が普通に生活している地域でも積雪が3m超となったところもあったようです。


 そんな気象条件のところですから当然ながら春の訪れも遅く、やっと初夏が来たといった感じです。

 信越国境の棚田にも水が張られ、田植えも始まっています。

 突き抜けるように明るい青空と残雪を輝かせる北信五岳を背景に列車を狙ってみようかと目論んでやってきたのですが、山は時々雲がかかるもののほぼ稜線を見せてくれていたものの、曇天で空は白くはっきりしません。


 それでは…と、あちらこちら思い浮かべながら選んだのがこの場所です。

 妙高山は全容を惜しげもなく見せてくれてはいるのですが空がご覧の通り…。
 この場所へきたからには妙高山に背を向けて水鏡狙いです。曇天なのは仕方がない…。
 やってきたのは4両編成の直江津行普通列車。編成をすべて画面に収めるのは水鏡に列車が映る場所ではちょっと無理なので、編成全体はこの角度です。

 目の前を通り過ぎるえちごトキめき鉄道ET127系を真横から…。空が青ければなぁ…。正午過ぎだから晴れていれば満足できたかもしれません。きっとステンレス車体も輝いていただろうし…。

 ほぼ並走する国道18号線を車を走らせていると上越市内から妙高市の新井辺りまでは平野部なのですが、「道の駅あらい」を過ぎると延々と上り勾配が長野県境まで続きます。とくに妙高市から再び上越市となる中郷(鉄道の駅では二本木駅)付近から妙高市の関山、妙高高原にかけての勾配は急です。
 画像でお分かりの通り、線路の傾斜も急になっているので冬期は列車の運転士さんの緊張も察するに余ります。

 妙高はねうまラインは単線で、スイッチバックで有名な二本木駅で上下列車の交換が行われるパターンが多い…そのため下り列車が通り過ぎてしばらく待っていると妙高高原へ向かう上り列車がやってくるので少し待ちます。
 やってきた上り列車は2両編成。

 正面を通り過ぎるときの画像を拡大するとこのような感じです。
 国鉄時代の旧型電車が纏っていた「新潟色」を纏った編成だったらどのような印象になったでしょうか…。