2022年 GWのみん九旅⑤ロングシート指定席!?快速有田陶器市21号乗車記 | 風かおる 鉄の路

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主に私が乗車した乗り物関連(鉄道中心)、その他気になったことを綴っていきます。稀にお絵かき。

上有田駅にやってきました。
この駅は簡易委託駅。駅員の配置がないため普段は静かな駅です。
でも今日は有田陶器市開催日。JR九州長崎支社の社員さんも数人来ており賑わっていました。
 
駅舎に向かっているとちょうど列車が通過するというので待っていると…
 

なぜかこの区間は通らないはずのYC1系が通過していきました。
不思議ですね~
(後の伏線)
 
さらにその後、快速有田陶器市号が来るというので見ていくことに。
 

やってきたのは811系4両編成!
現在811系が佐世保線に乗り入れる定期運用はありませんのでけっこう貴重な光景です。
 
列車は早岐を出てここ上有田で陶器市帰りのお客さんを乗せた後、南福岡までの長距離を運行します。
車内は立ち席が出るくらいの乗車率。
普段ここでは乗れない811系で長距離の旅というのも楽しそうですが……
今回は別の列車に乗ります。
 
対向列車が遅れたため6分遅れで発車した有田陶器市号を見送り、一旦駅の外へ。
 
上有田駅の駅舎。
1898年(明治31年)、開業時からの木造駅舎が今も残っているとか。
味わい深い駅舎です。
 
 
まだ時間があるので、せっかくなので有田陶器市の様子も見ていくことに。
実は有田陶器市自体来るのは初めてです。
 
 
お店の外にたくさんの陶器が並べられていて、値段も手頃なものがたくさん!
毎年多くの方が訪れるのもうなずけます。
 
とはいえ、訪れた時間のせいもあるとはいえ、そこまで混雑はしていませんでした。
 
駅の方に戻っていくと「JR乗車券販売所」と書かれたお店が。
駅舎できっぷを売る代わりにこのお店に委託して販売しているのです(簡易委託)。
 
せっかくなのできっぷ買っておけばよかったのかな…と後で後悔(笑)
 
駅に戻り、ホームで待つことしばらく。次に乗る列車がやってきました。
 
やってきたのはYC1系3両編成!
「やさしくてちからもち」なYC1系は普段大村線を中心に活躍しており、佐世保線早岐以東に営業運転で乗り入れるのはとっても珍しいのです。
 
そんなYC1系を使用した列車の名前は「快速有田陶器市21号」。
ここ上有田を始発とし、大村線経由で長崎へと向かう、この時期だけの臨時列車です。
 
上有田始発列車、YC1系を使用、大村線と有田とを直接結ぶ…この列車の珍しい点はたくさんあるのですが、一番珍しいのが…
 
これ!
広告枠にご注目。
快速有田陶器市20、21号 3号車指定席」と書かれています。
この列車、実は指定席が連結されており、3両編成のうち2両が指定席。
 
そして…
こちらがその指定席車両の全景。
見てわかる通り、ほぼすべての座席がロングシートです。
 
指定席車両といえばクロスシートやリクライニングシートを思い浮かべる方も多いと思います。
しかしこの列車はなんと驚異の(ほぼ)全席ロングシート指定席
ロングシートが指定席となることはJRではほとんど見られないことで、近年ではJR東日本の只見線新緑満喫号(GV-E400系)に設定されたことがありますが、それも半分はボックスシート。
この列車のように全車がロングシート指定席というものはJR史上始めてのこととなります。
 
JR九州もロングシート指定席であることを前面に打ち出し宣伝していました。
 
鉄道ファンの間では発表時からかなりの不評も見られたロングシート指定席。
実際のところはどうなのか、今回乗車して確かめてみることにします。
 
さすがに自由席と間違えて乗ってくる方が多数出ることを想定しているのか、指定席車両には1両に各1人、指定席と書かれたプラカードを持ったJR社員が同乗していました。
 
改めて車内の様子。
普段は指定席として使われることはないため、今回だけ特別に窓枠の上に座席番号が貼られています。
座席の区分の仕方は大村湾側のロングシートがD席、反対側がA席となっており。B・C席の設定はありません。
また、座席定員に対して1/2程度の座席のみを指定席として販売。ある程度ゆとりをもたせた設定になっています。
とはいえ、やはり通常の列車より見劣りするのは隠せないロングシート指定席。
果たして乗客は現れるのでしょうか?
 
対向列車が遅れているため3分遅れて快速有田陶器市21号は上有田を発車しました。
 
数分で有田に到着。
有田を発車したところで指定席車にどれだけ乗っているか見てみると…
 
発売座席数に対して座っているのは6割ほど。
対して1号車自由席は立ち席が出るほどの混雑ぶりを見せています。
指定席を利用している方の1割ほどは鉄道ファンらしき方々。そして残りの方々は…明らかに陶器市帰りの行楽客といった雰囲気。
 
有田を発車した列車は三川内に停車し、次の早岐に到着。
佐世保へ向かう列車はここで方向転換しますが、この列車は大村線直通のためそのまま直進。
同じような運行形態なのは他には特急ハウステンボスのみです。
 
方向転換はありませんが、列車はここ早岐でしばらく停車。
一旦ホームに降りてみました。
 
省略されがちな英語表記もきちんとそのまま表記されています。

 

 

ここで自由席の客がかなり降り、若干の余裕が生まれたところで発車です。
 
しばらく走ると特徴的な建物が…
ハウステンボスです。
最近はなかなか行かないですね…
 
驚いたことにハウステンボスからも指定席に乗ってくる方がいました。
 
ハウステンボスを過ぎると後方に3本の塔が…
お昼に見た針尾無線塔です。
この先列車は大村湾に沿って走っていきます。
 
彼杵~千綿間の海に間近なビュースポットを通過!
 
指定席から見る大村湾。いつもより特別感が増した気がします(?)
 
琴の湖とも称される大村湾。その穏やかな光景を見ながら進んでいきます。
もっともロングシートなので景色はなかなか見づらいのが難点なのですが…
 
松原に運転停車。きんモザ駅で有名な駅ですね。
 
その次の竹松は折返し列車もある大村線の主要駅。
ここから乗ってくる方もいました。
 
隣には西九州新幹線の高架が寄り添います。
 
開業前の新大村駅を通過。9月にはここにシーサイドライナーも停車するようになります。
 
西九州新幹線が離れていき、大村に停車。
 
そして大村線と長崎本線の分岐駅、諫早に到着しました。
なんとこの駅で18分も止まるのです。
 
 
その間にいろいろ撮影~
 
こうして見ると、ただのシーサイドライナーと同じように見えますね…
諫早では部活帰りの学生が多数乗車。
1号車自由席は再び満員となりました。
 
諫早を発車した列車は喜々津に止まり、一路長崎を目指します。
 
とはいってもそこは臨時列車の宿命…
あちこちで列車行き違いのため停車します。
 
市布では小長井行きの普通列車と行き違いのため運転停車。
 
現川では上り特急かもめ、シーサイドライナーと行き違いのため運転停車。
 
極めつけに、長崎トンネル内の肥前三川信号場でも上り普通列車と行き違いのため運転停車!
 
長崎トンネルを抜けた列車は長崎の中心部へ。
浦上に停車し、定刻通り長崎に到着しました。 
長崎に到着した有田陶器市21号。
 

鉄道ファンの中からも賛否両論だったロングシート指定席。

蓋を開けてみれば、陶器市帰りの方がかなり乗車されており、1号車自由席の混雑を鑑みても設定の意図通り利用されていたのではないかと思います。

来年以降もこのロングシート指定席、設定されるかもしれませんね。

 

それでは続きます。 

 

★列車データ

9251D 快速有田陶器市21号 長崎行き 上有田(16:22 16:24)→長崎(18:50) YC1系 YC1-205+YC1-1205+YC1-1105

※2022年4月30日乗車

 

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