↑前回からつづく↑
乗車路線:東北新幹線,北海道新幹線
乗車区間:新函館北斗1053発→東京1504着
乗車列車:3022B「はやぶさ」22号
乗車車両:幹セシE5系U40編成E515-40
座席種別:グリーン車指定席
折しも北海道に接近した低気圧の影響により、乗車予定だった「北斗」が運休し、函館から先に北上することができなくなってしまった管理人
函館から振り子DC特急コンビを乗り継いで釧路まで向かうつもりでしたが、その計画は水泡に帰すことになりました
昨日、函館駅で「北斗」運休のアナウンスを聞いた時は呆然立ち尽くしてしまいましたが、こうなった以上北海道新幹線を使って来た道を引き返すしかありません
ということで、「はこだてライナー」に揺られて新函館北斗駅へ
新函館北斗10時53分発の「はやぶさ」22号で東京へ向かいます
最近では、新幹線であっても車内販売が実施されていない場合が多い…「はやぶさ」は新青森以南で実施されているようですが…ので、新函館北斗駅の売店で駅弁を買っておきました
私の買った北の駅弁屋さんは、容器の中がマス目に区切られていて、紅鮭のハラス焼きやニシンの甘露煮などご当地色豊かなおかずが盛りだくさんです
値段は1,400円と、やや高めですが、やっぱり旅の締めくくりに北海道らしい駅弁が食べたかったわけですよ
ちなみに、ニシンはたぶん生まれて初めて口にしましたが、少し脂っぽくてちょっぴり苦手な味かも…
さて、新函館北斗から東京まで乗り通すと4時間以上かかるので、グリーン車を奮発しました
E2系に比べればE5系の普通車の居住性は格段に向上していますが、それでも横5列の座席で東京まで移動するのは疲れそうです
しかし、新函館北斗を発着する「はやぶさ」号のグリーン車には、えきねっとトクだ値の設定がなく、故に定価でグリーン車に乗車しています
なお、「はやぶさ」号で東北~北海道新幹線を通しで利用する場合であっても、キロ数は通算されずに、境界駅の新青森駅で打ち切って計算されます
そのため、東京~新函館北斗間の特急料金・グリーン料金は合計で18,840円と、やや割高な印象は拭えません
快適性を手に入れるための対価とはいえ、グリーン料金だけで8,040円は財布に優しくないですね
これならHKDからITMへ飛んだ方が安かったのかもしれませんが、空路も前日に空席が確保できるかどうか怪しいわけで…
参考までに、東京~新函館北斗よりも距離の長い東京~広島で「のぞみ」号のグリーン車を利用した場合、特急料金+グリーン料金の合計額は14,820円です
それでは、グリーン車の客室内をつぶさに観察していきましょう
なお、ここで紹介する写真は往路で利用した「やまびこ」号で撮影したもので、復路で実際に乗ったU40編成とは異なりますが、特に車内に違いはないのでここで使うことにします
シートピッチ1,160㎜で横4列の座席が並ぶ姿は、新幹線のグリーン車としては標準的なものです
電球色の間接照明が採用されており、写真のようにトンネル通過時はほんわかと天井が照らし出される様子はアッパークラスに相応しい上品な趣です
N700系と同じように網棚の下に補助照明が仕込まれています
N700系よりも電球色が強めで、これがまた夜間走行時やトンネル走行時にいい味を出しています
座席のシルエットもどことなくN700系に似ていますが、座ってみるとまったく別のルーツを持つ座席であることが分かります
E5系のグリーン車で、私がもっとも好感の持てるポイントがここです
網棚の上の部分がライトウォールナット調の化粧板になっており、ささやかながらもゴージャスさが感じられますね
いまや東北新幹線を枠を飛び越えて、同社のE261系やJR四国の8600系でも幅広く採用されているこの座席ですが、座り心地は硬め基調ながらも、座面チルト機構の恩恵もあり、リラックスした姿勢で着座できます
しかし、E2系と比べるとヘッドレストピローが首から頭を支える構造にシフトしていることもあって、体型によってはフィットしないこともありそうです
かくいう管理人も、何となく頭の据わりが悪いと思いながら、4時間を過ごしたものですから、終点の東京に着く頃には首が凝ってきました
座席のサイズはE5系と比べてかなり小振りになりますが、座面やピローの柔らかさはE6系の方が上ですね
コンセントは中央のアームレスト先端に1席につき1個が確保されています
E5系の場合、初期に投入された編成の普通車では窓側席と最前部・最後部の各席にしかコンセントが設置されていないので、これはグリーン車を選ぶ際のインセンティブとなりそうです
ヘッドレストピローはもちろん上下可動式です
まったく同じ色なので分かりにくいですが、ピローと枕カバーはきちんと分かれています
読書灯も最近の流行りに則って、網棚の下ではなくヘッドレストに埋め込まれているタイプです
光源はLEDで、僅かではあるものの角度の調節ができます
E2系からの変更点として、背面テーブルが設けられたほか、フットレストの代わりにレッグレストが設置されています
シートピッチは従前通り1,160㎜ですが、フットレストがなくなったため、足回りはE2系よりも広く感じます
なお、リクライニングとレッグレストが共に電動なグランクラスとは違い、グリーン車のリクライニングは手動式で、ささやかな格差が感じられます
そして、「はやぶさ」運用時のグリーン車であっても、おしぼりやドリンク類のサービスは一切ありません
このように、E5系の中でもはやグリーン車は”ファーストクラス”ではなく、二等車であることをひしひしと実感させられます
「のぞみ」「ひかり」のグリーン車でさえおしぼりのサービスがあるのに、「はやぶさ」はグリーン車に乗ってもソフト面のサービスは皆無なわけですよ
背面テーブルは前後に動かすことができるので、お弁当を食べる時やノートPCで作業する時は、より手前へ引き寄せることができます
客室ドア鴨居部には、フルカラーLEDによる情報表示板が設置されています
グランクラスのそれは、鏡面仕上げになっていますが、グリーン車の方は普通車と大差ありません
私の乗った「はやぶさ」号は定刻通りの東京駅のホームに滑り込みました
どうやら低気圧の影響を受けていたのは、北海道と青森県だけだったようで、何とも悔しいことに南下するにつれて天候は回復していきました
東京駅のホームに降り立つと、今朝まで滞在していた函館市とは打って変わって、夏らしい陽射しが照りつけていました
改めて、今回の旅行を振り返ってみると、3クラスあるE5系の客室すべてを体験することができた一方で、旅の”メインディッシュ”となるはずだったキハ281・283系に乗車できずじまいで、なんだか不完全燃焼のまま幕切れを迎えました
しかし、長年にわたって悲願でもあった階段国道を訪れることができたので、よしとしましょう
そして、ここからは後日談になりますが、9月にJR東日本スタートアップさんから小包みが届きました
立派な印籠箱には、ホタテのイラストが印刷されています
これはもしや…
ホタテの瓶詰め加工食品3点セットが届きました
確かに、JR東日本スタートアップのWebサイトにも、「アンケートに回答すると、抽選で20名のお客様に津軽地方の特産品をプレゼントします」という記述があります
しかし、まさか当選するとは思ってなかったので、アンケートに回答した管理人自身もすっかり忘れていたわけですよ
私が利用した時は、他に親子連れが1組乗っているだけだったので、ただ単にアンケートに回答した絶対数が少なかっただけなのかもしれません
中身は…ホタテの辛みそ・ホタテのバジルオリーブソース漬け・ホタテとエビのアヒージョ…の3つで、辛みそは白米のおかずにぴったりでした
バジルオリーブソース漬けとアヒージョは、パスタに絡めて食べると絶品で、3つとも美味しくいただきました
こんな立派なホタテの瓶詰めセットは果たしておいくらなのだろうかと思い、木戸食品さんのHPで調べてみると、なんと3,500円でした
500円で乗合タクシーに乗って龍飛岬に行っただけで、まさかこんないいものが貰えるとは想像だにしていませんでした
これにて、『北海道新幹線で津軽海峡へ逢いに行く旅』は完結です
最後まで読んで下さり、ありがとうございました