2022年前半のテーマの一つ、「日本の博覧会関連の臨時列車」

 

第19回目は1987年に宮城県仙台市で開催された「'87未来の東北博覧会」の臨時列車を取り上げます。

 


 

■博覧会の概要

 

'87未来の東北博覧会については、Wikipediaのページもご参考ください。
会 期 1987(昭和62)年7月18日 〜 9月28日
来場実績 297万人 ※Wikipediaより
会 場

宮城県仙台市港地区(仙台港) ※会場規模36ha

交通公社の時刻表 1987年9月号より

 

テーマは「東北新時代の夜明け・日本のふるさと新発見」として、夏休み期間中に開催されています。パビリオン数だけだと、ポートピア’81を越えていたとのこと。

 

会場へのアクセスには主にJR各駅から会場を結ぶシャトルバスのほか、海沿いである地の利を生かした「観光船による定期航路」も設けられたそうです。

 

なかでも、鉄道での会場アクセスは、

・仙石線の臨時列車(最寄り駅は多賀城)

・仙台駅から貨物専用線である仙台臨海鉄道仙台西港線に設けられた臨時駅・東北博覧会前駅までSL列車

・東北新幹線の臨時列車(首都圏からの来場客向け)

が設定されていました。

 

下記は手元の時刻表のグラビアページを撮ったもの。遠く梅小路蒸気機関車館で動態保存されていた「高原のポニー」C56が運用に入ったようです。

交通公社の時刻表 1987年9月号より

 


 

  臨時列車の運行概要

 

 仙台駅〜東北博覧会前(会場直通)

運転区間 仙台 〜 東北博覧会前
仙台〜陸前山王間が東北本線、陸前山王〜東北博覧会前(仮設駅)が仙台臨海鉄道線です
運転時期 普通列車:列車により、毎日運転、週末運転 が存在
SL列車:1987年 7月18日〜8月2日、9月12日〜23日
使用車両・編成 普通列車 キハ40などのディーゼル列車
SL列車 牽引機 C56 160号機 + 12系客車6両編成
※いづれもネット上の写真を参考に記述
運行
ダイヤ
普通列車 ●:毎日運転、★:週末運転
途中停車駅:(全列車共通、仙台から順に)東仙台、岩切 
【ゆき】
9541D 仙台発8:16 → 東北博覧会前着8:54 ●
9545D 仙台発11:24 → 東北博覧会前着11:59 ●
9549D 仙台発15:54 → 東北博覧会前着16:36 ★
9551D 仙台発17:33 → 東北博覧会前着18:08 ★

【かえり】
9546D 東北博覧会前発12:12 → 仙台着12:49 ●
9550D 東北博覧会前発16:49 → 仙台着17:25 ●
9552D 東北博覧会前発18:20 → 仙台着18:56 ●

9552D 東北博覧会前発21:13 → 仙台着21:49 ★


SL列車 「SL東北一〇〇年号」 ※一〇〇は漢数字
途中停車駅なし
1号 9543レ 仙台発9:13 → 東北博覧会前着10:01
3号 9547レ 仙台発14:06 → 東北博覧会前着14:53

2号 9544レ 東北博覧会前発10:56 → 仙台着11:50
4号 9548レ 東北博覧会前発15:45 → 仙台着16:39

 
備 考
  • SL列車は「SL東北一〇〇年号」と命名され、1〜4号と号数が付与されていた。
  • SL列車のみ全席指定席
  • 仙台臨海鉄道線の西港線には、線形上仙台港駅でスイッチバックが必要で、SL列車は仙台港駅で機回しが行われた上で、仙台港〜博覧会前駅ではSLはバック運転(逆機)を行っていた。
 

 

 仙石線の臨時列車(最寄駅:多賀城駅)

運転区間 仙台〜陸前原ノ町・多賀城(期間中毎日)
仙台〜東塩釜(期間中休日のみ)
運転時期 1987年7月18日〜9月28日 会期中毎日
使用車両・編成 仙石線の定期列車と共通運用(103系中心)と推察
運行
ダイヤ
例として、仙台駅発のみ掲載
平日 仙台駅発多賀城行
 ★は陸前原ノ町止まり
8:43、9:06、9:50、10:55,11:35、11:57、13:05、13:36、14:00、14:13★、14:33、15:10、16:08

 平日運行分に加えて下記も運行
20:10、20:30、21:02、21:17,21:57★、22:26★

休日 仙台駅発多賀城行 ★は陸前原ノ町止まり、◉は東塩釜止まり
9:03、9:28,10:06,10:38,10:59,11:16,11:35,11:58,12:17◉、12:42★、12:59、13:38◉、14:01、14:31★、14:50、15:11◉、17:00、20:10、20:30◉、20:55、21:18、21:41★、22:00★、22:16★
 
備 考

なし

 

 

 東北新幹線

SL列車の運行に合わせる形で、上野〜仙台間をノンストップの「やまびこ号」の設定もありました。当時上野〜仙台間ノンストップの定期列車は存在していませんので、さぞかし話題になったことかと。
運転区間 上野 〜 仙台
運転時期 1987年 7月18日〜8月2日、9月12〜23日
使用車両・編成 200系新幹線12両編成(充当編成は不明)
運行
ダイヤ
下り(やまびこ7号)上野発11:40 → 仙台着13:24 
上り(やまびこ8号)仙台発17:20 → 上野着19:04
※途中駅無停車(=ノンストップ)
備 考

なし

 

ちなみに、やまびこ号の設定に象徴されるように、首都圏からの来場者も相当見込んでいたようで、首都圏発着のフリーQきっぷが設定されていました。

東北博フリーQきっぷ

交通公社の時刻表 1987年9月号より

 


 

■当時の時刻表紙面での臨時列車

 

交通公社の時刻表 1987年9月号より

 

 

交通公社の時刻表 1987年9月号より

 

本日は以上です。

 

まとめページはこちらから

 

参考資料: JR編集時刻表 1987年7月号、交通公社の時刻表 1987年9月号

参考ページ 博覧会、仙台臨海鉄道、仙石線、'87未来の東北博覧会(ともにWikipedia)