私の故郷、九州でかつて存在していた国鉄線について、廃線間際の時刻表を中心に取り上げ、振り返ろうという企画をやっています。

 

18回目は、福岡県の筑肥線を取り上げます。いまでこそ姪浜(めいのはま)から西唐津、山本〜伊万里と「分割」されており、かつ前者はJR九州の直流区間として有名ですが、かつては博多から伊万里まで一本でつながっていたローカル線でした。今回は福岡市営地下鉄開業に伴い区間廃止された、博多〜姪浜間にフォーカスします。

(次回に、虹の松原〜山本間を取り上げたいと思っています)

 

 

筑肥線(博多〜姪浜)間 路線概要 

 

線 名 筑肥(ちくひ)線
距 離 11.7 km (当時の筑肥線博多〜東唐津〜山本〜伊万里間は85.4Km)
区 間 博多〜姪浜
開業日/会社/開業区間 (博多〜姪浜での最初の開業区間)
1925(大正14)年6月15日/北九州鉄道/新柳町(のちの筑前高宮)〜姪浜間
全線開業日/会社 (博多〜姪浜の全線の開業)
1926(大正15)年10月15日/北九州鉄道
貨物取扱 あり
廃止日 1983(昭和58)年3月22日
廃止理由 並行する区間で福岡市営地下鉄が開業したため
運行された旅客列車 SL+PC、DL(DE10形)+PC、DC

 

 

時刻表 (1983年2月21日訂補) 

 

地下鉄開業前ですが、博多〜東唐津間での気動車(キハ35など)による運用を中心に、朝から深夜までおおよそ1時間間隔に列車が設定されていました。朝夕のラッシュ時は福岡市内を縫うように通る路線だけあって、単線ローカル線ながら15分〜30分間隔での運転されていました。

 

長崎県と直接つながっていた路線だけあって、優等列車は廃線まで運行された急行平戸号(博多〜長崎)をはじめ、ロングランの普通列車では佐世保、松浦発着といういまでは信じられない運用がありました。

 

また、客車列車も朝夕合計1往復ながら博多〜東唐津間に設定されていました。客車は旧型客車だったようですが、高架化された博多駅に旧型客車が入線していた画をこの眼で見てみたかったです。

 

 

【博多→姪浜】

駅名の読み方、上から、はかた、ちくぜんみのしま、ちくぜんたかみや、おざさ、とりかい、にしじん、めいのはま

 

今回は図示していませんが、列車交換が可能だったのは筑前高宮、鳥飼、西新の3駅でした。

 

【姪浜→博多】

 

 

当時を偲ぶ動画(ブログ筆者が選びました) 

 

スライドショーとして、当時撮影された写真をアップいただいた方がおりました。スライドごとに車両、撮影場所などコメントが入っておりますので、歴史的な資料価値はとても高い動画だと思います。

 

 

廃線の跡をたどった動画(ブログ筆者が選びました) 

 

佐賀線の回でもご紹介した、GoogleEarthでめぐる廃線跡シリーズの筑肥線版です。地上線時代から沿線は宅地が進んでおり、今現在の地図と照らし合わせると宅地が高層マンションに変わっていたりしますが、線路跡はほぼ道路になっているのだと、シンプルな気づきながら、なぜか感動を覚えましたw。

 

 

当時の駅はここにありました(Powerd By Googleマップ) 

 

今回は駅跡ではなく線路跡になりますが、姪浜と西新の間、室見川に架かっていた橋跡であったことを示すレリーフがある橋があるようです。福岡県民時代には意にもかけていませんでした。機会があれば立ち寄ってみたいです。

 

今回は以上です。

 

 

 

参考資料 日本鉄道旅行地図帳 12号九州沖縄 新潮社、時刻表、国鉄の車両18 九州各線 保育社

参考サイト 筑肥線(Wikipedia)、動画 Youtube、地図 Googleマップ