所有事業者:帝産湖南交通(滋賀)

仕様・用途:一般路線仕様

登録番号:滋賀230 あ ・178

配置:草津営業所

初年度登録:2006年

シャシー製造:三菱ふそうトラック・バス

搭載機関:三菱4M50型

車体架装:三菱ふそうバス製造

車両型式:PA-BE63DG

車名:三菱ふそうローザロング

撮影日:2016年8月24日(水曜日)

撮影場所:草津駅前

 

「今日の1台」では珍しい、というか、多分、初めてではないかと思われる、三菱ふそうのマイクロバス、ローザの登場です。

今もなお、生産が続けられている「ローザ」の歴史は古く、初代が登場したのは1960年の事。最初は中型トラックのシャシーにボディを載せたスタイルで、トラックのシャシーを流用するのは他の大型バスでも至極普通に見られたものです。早い話がバスはトラックの派生モデルでしかなかったのです。あの頃のボンネットバスなんかを見ますと、トラックと顔貌がほぼほぼ同一で、キャブから後ろを客室にすればバス、荷台にすればトラックに早変わりしました。

 

「ローザ」は現在の三菱重工や三菱自動車工業の源流になる新三菱重工が手がけたモデルになりますが、それとは別に、現在の三菱ふそうトラック・バス川崎製作所の前身になる三菱日本重工業というメーカーが「ライトバス」という名の中型バスを登場させます。時に1963年の事。

現在でも生産されている小型トラック「キャンター」のシャシーに呉羽自動車(現在の三菱ふそうバス製造)が手がけたボディを架装しましたが、1966年に「ライトバス」が後継車種という位置づけでする形で「ライトローザ」が登場します。ペットネームからして如何にも「ローザ」と「ライトバス」の統合モデルのように見えますが、当初は併売でした。

同じ時期にトヨタにも「ライトバス」というのがあって、風貌もよく似ていたことから、今だったら明らかに “○○り疑惑” が浮上しますよね。

 

1973年のフルモデルチェンジでようやく「ローザ」と「ライトローザ」が統合されて「ローザ」に一本化されますが、現在に通じる「ローザ」はこの「ライトローザ」が始祖とされています。

統合モデルとなった初代はマイナーチェンジを繰り返しながら、実に13年というロングセラーモデルとなり、1986年に二度目のフルモデルチェンジを実施しますが、当時の三菱ふそうはMS7系エアロバスシリーズの大ヒットで、「ローザ」に関してもエアロバスシリーズの流れを汲むボディが採用されました。

このモデルも11年と息が長く、1997年にフルモデルチェンジされます。そして現行モデルも広義で言えばこの4代目に属しており、それから考えると先代や先々代よりも長寿なシリーズになります。でも、丸みを帯びた基本的なボディデザインは先代から受け継いでおり、2019年にフェイスリフトされた現行車種が販売されました。

 

画像は滋賀県の帝産湖南交通が所有する4代目、つまり現行モデルになりますが、2006年式の平成15年排ガス規制適合車及び超低PM排出ディーゼル車認定制度適合車になります。搭載エンジンについては、ターボ付きの4M型エンジンながら、出力によって3パターン存在しますが、画像の個体がどのエンジンを搭載しているのかは最後まで判りませんでした。

それまでのMK5系エアロミディを置き換える名目で9台が導入されまして、草津駅と栗東方面とを結ぶ狭隘路線に充当されました。また、草津市のコミュニティバス「まめバス」や栗東市のコミュニティバス「くりちゃんバス」にも充当されていました。

小型車ならではの小回りの良さが長所である一方で、朝の通勤時間帯になると、立ち客の影響で1ドアが災いして乗り降りが困難になり、少しだけ大きいリエッセ(南海バスからの移籍車)やポンチョ(西武バスからの移籍車)で置き換えるようになって、一部は廃車されています。

 

元々があまり興味が無いマイクロバス。ローザに限らず今後、マイクロバスを取り上げるかどうかは未知数だったりします。

 

 

【参考文献・引用】

滋賀県内バス車両データベース

BIGLOBEブログ「バスのごった煮」

ウィキペディア(帝産湖南交通、三菱ふそうローザ)