TwilightExpress 瑞風 / 岩国駅にて | 安芸もみじ / Photos, Historys, Trains - Hiroshima JAPAN

TwilightExpress 瑞風 / 岩国駅にて


昨年11月28日、岩国駅で撮影したトワイライトエクスプレス瑞風です。

トワイライトエクスプレス瑞風はJR西日本が誇る豪華クルージングトレインで、JR九州のななつ星、JR東日本のトランスイート四季島と並ぶ日本鉄道界の三宝貴です。

今はコロナ禍で現実的ではないですが、それ以前の、そして経営的に今より余力のあった時代に、JR北海道こそ導入しするべきだった列車かも知れません。



晩春から早秋まで雄大な北海道の風景を楽しみながら、北の大地の恵みを素材にした料理を味わえる、ハイグレードなクルーズ旅行。

想像しただけでわくわくするキラキラトリップです。

さて、去日には駅弁・駅ナカ・車内販売・食堂車の歴史を、駅弁の日に少し繙いてみましたが、日本やヨーロッパにおける鉄道の食は世界でもハイクラスなレベルです。



しかし意外なことにアメリカではそうではない様子で、「鉄道なにコレ!?」ではそのリポートが発信されていました。

アメリカ合衆国には全米鉄道旅客公社 = 略称・アムトラックというのがありますが、かつては長距離列車の食堂車は自慢の料理を提供していました。

ワシントンからシカゴまで1泊2日のキャピトルリミテッドと、シカゴからシアトルまで2泊3日のエンパイアビルダーを乗り継いだ旅記によると、「コンビニ弁当の方がずっと上」だったそうです。



どういうことか少し調べてみたら、昔JALを買収しようとしたデルタ航空のCEO エリック アンダーソン氏が原因のようです。

デルタCEOを退任後にアムトラックCEOに就任し、慢性的な累積赤字の改善に取り組む一環として食堂車の合理化を進めたのだそうです。

これにより東海岸で運行している夜行列車での食堂車の廃止から進め、営業する列車においては調理済みの料理を温めて提供する「フレキシブル・ダイニング・サービス」に取って代わられていました。



食堂車サービス縮小の理由としては「知らない人と隣り合わせで夕食を取るよりも自分の個室で過ごすことを好むミレニアル世代の傾向」が挙げられました。

ミレニアル世代の乗客はプライバシーを重視し、知らない人と同席して不快な気分で食事をしたくないとの価値観から、食堂車を利用しない人が増えています。

とはいえ、食堂車が本当に好きでノスタルジックな鉄験と考えている人たちも多く、営業施策的には必要な旅客サービスであると考えている人たちも大勢いるようです。



しかしフレキシブル・ダイニング・サービスでは、年間200万ドル(約2億1600万円)以上のコスト削減につながるとして、食堂車の営業は縮小に拍車がかかる傾向にあるようでしたが。

アムトラックCEOが交代し、2021年からは食の提供は鉄道利用者回復として必要なサービスであるとの方針から、6月にメニューを刷新して調理師による車内調理に戻し、サービスアップによるアムトラックの汚名返上に努めることとなったようです。

まぁ、長距離定期列車とクルーズ臨時列車ではその趣旨が根本から違うのですが、やはり日常生活でも旅先においても、食事というのは人生における楽しみの上位を占めるものの1つです。



アムトラックでは個室利用の旅客にも高品質な食事を提供できるサービスを検討しているようで、いつかは定期列車において瑞風・四季島のような供食サービスが実施されるのかも知れません。

実現するかどうかは判りませんが、その辺りはさすがアメリカといったところでしょう。

今回のコロナウイルス騒動で日常生活の様式が変化したのと同様に、鉄道会社としてのサービスのあり方にも変化が可能かも知れません。



トワイライトエクスプレス瑞風でもコロナ前とコロナ渦中の今では、サービスの形態に違いがあり、もちろんアフターコロナの時代となってからも、そのあり方は変わるでしょう。

衛生面や人件費など諸課題はあるでしょうが、サンライズ出雲・瀬戸でも個室への供食サービスは実施できるかも知れません。

編成中の特定の部屋だけコース料理とセット売りなど可能性だけを見ると、いろいろなサービスが見出せます。



しかし採算性やきっぷのキャンセルなど、金銭面でも食材面でも課題は大きく、それを克服するだけのバイタリティをJR西日本そしてJR東海には望めないのも現実です。

時代が動けば人の価値観も変わるのですが、それによって無くなったサービスも多くある反面、新たに必要となるサービスへはなかなか移行できないのも、鉄道に限らず企業の境涯でしょう。

世界のグーグルサービスも、一つ間違えば日立だった例に代表されるように、日本企業は特に先見の明には疎い弱点があります。




と、話しは逸れ始めたところで、今日も エンディングとなりました(笑)

日本企業や個人商店まで語らなくとも、JR西日本は未来を見据えながら今をどうするかにも深刻に直面しており、私のブログでもあまり明るい話題は無いのですけど。

今の 社会情勢、根本的な″何か″が間違っていることだけは確かです。

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