早いモノで、JR北海道のダイヤ改正から1ヶ月余りが経過。

キハ40とキハ283系が共に根室本線系統で見られなくなって、もうそんなに経つんだなぁ…って。

 

私はダイヤ改正前の3月7日に『最後の乗車』のつもりで両車に乗ってきたのですが(その時のブログはコチラ)、その後ひょんな事から(?)ダイヤ改正前日のキハ283系おおぞらラストランとなった12号の指定席が奇跡的に取れてしまいまして…。結局同様のコースで新得→釧路のキハ40共々『本当に最後の乗車』に出掛けて参りました。大変遅くなりましたが、今回はその乗車ブログです。

 

その3月11日のおおぞら12号ですが、流石に狙って10時打ちをしてまで乗る気はありませんでした。どうせ満席だし、取れたとしても変なヲタ(私はあくまでも『愛好家』であって、断固としてヲタやマニアではない事を宣言する!)の隣になるのも嫌だなぁ…と思いつつ。

 

しかし、この3月11日のキハ283系おおぞらラストラン絡みで、鉄道ファン向けのあからさまなボッタクリツアーで悪名高いクラブツーリズムによる日帰りツアーが募集されていました。内容は、その日のおおぞら7号で釧路へ向かい、そのまま12号でトンボ返り、食事や宿泊もなくただ列車に往復乗車というだけで1人あたりの料金はなんと3万円!!(しかも突発的なキハ261系への車両変更が生じたとしても一切返金ナシ)ちなみに札幌~釧路を普通乗車券と指定席特急券の組み合わせで片道¥9990。つまり往復しても2万円を切り、それよりも1万円以上もプレミアを付けてボッタクるクラブツーリズムには、鉄道ファンの間からも批判の声が少なくなかったようです。まぁ…そこまでおカネを払ってでも乗りたい人は乗りたいでしょうし、そのツアーに参加すれば旅行会社の思うツボではありますが。結局催行決定になる位ですから…。

こんなのがまかり通るんなら、鉄道の運賃料金ももっと自由化しても良いのでは!?

 

 

 

ボッタクリツアーのあまりの割高さには怒りすら覚えましたが、えきねっとトクだ値『トク15』(7号に適用。¥8480)+『トク40』(12号に適用。¥5990)の組み合わせだと往復¥14470(※トクだ値は列車や曜日などにより割引率が異なる。『お先にトクだ値(トク50)』なら両者とも¥4990なので往復で1万円を切るが、3月11日のキハ283系使用列車においては瞬殺レベルで完売したと思われる)で済みます。トクだ値利用でなくても、札幌市内~釧路の『乗車券往復割引きっぷ』+指定席特急券往復分利用なら¥17930。まぁ、最も最強なのは『HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パス』(¥12000。※この時点では発売休止中だった)ですが、この日に合わせて有効期間の日付を変更した乗り鉄もいたんでしょうね。私は3月7日の使用を以て最後の1枚を使い終えてしまいましたが。

(写真はイメージ。PRに使われていたキハ283系車両の絵柄はキハ261系に差し替えられている)

 

 

 

それでも、『隣席ガチャ』のリスクがあるのを承知で、『万が一』空席があれば乗ってみようかな…と思いつつ、前日の3月10日にえきねっとサイトを開いた処…になってる!!(スクショ画像はイメージです)

(画像は3月10日に閲覧したえきねっとスマホサイト上での3月11日おおぞら12号空席状況で、購入時点とは異なるタイミング。前日の時点で度々空席になったり満席になったりという事態を繰り返したが、空いていたのはほとんど通路側席だった。グリーン車は全く空席になる事はなかったと思われる)

 

 

 

この時点でシートマップを見た処、窓側1席だけが空席になっているではありませんか!

「うん。コレは神のお告げだニヤリ(信仰心もないのに)とばかりに、速攻で購入申し込みしてしまいました!先述のツアーの方には申し訳ないですが。

(座席番号は伏せていますが、どこの席を取ったかって添付動画を見ればバレバレなんですがね…アセアセ

 

 

 

まぁそんなワケで、本来乗るつもりではなかったダイヤ改正前日の3月11日にも乗り鉄に出掛ける事になったのですが、まずは翌日に駅名改称を控えた石狩当別駅に行き、同時に駅名改称される石狩太美駅へのマルス乗車券をはじめ、この日限りで廃駅となるJR北海道の7駅中6駅(歌内駅を除く)に関係する乗車券も記念として購入してきました。勿論、今回の旅のメインである釧路への往復乗車券(『乗車券往復割引きっぷ』)も。

翌日のダイヤ改正で、同じ当別町内にロイズタウン駅が新たに開業し、その記念としてラベンダー編成を使用した札幌駅発着のツアー(※コチラはあからさまなボッタクリではない)にも参加しているのですが、コレについてはまた後日記事にさせて頂きます(なんて遅筆なんだ!!)。

(『乗車券往復割引きっぷ』は札幌市内の発着なのであいの里公園駅から有効だが、一応石狩当別→石狩太美+石狩太美→あいの里公園と、キチンと有効な乗車券を購入した上で乗車している)

 

 

 

札幌駅からの行程は、前回3月7日と全く同じで、新得駅へは33Dとかち3号に乗車。但し今回は混雑度を勘案し指定席利用にしました(案の定、1両しかない自由席は南千歳駅から混雑)。『乗車券往復割引きっぷ』は途中改札口を出場しない限り、部分的に特急列車と普通列車を組み合わせる利用は自由です。

この日の編成は①(G)キロ261-1103 ②(指)キハ260-1103 ③☆(指)キハ260-1203 ④(自)キハ261-1203。いずれも2009年製で、札幌~帯広特急からキハ183系を完全に追い出した車両。

 

 

 

同じキハ261系1000番台の10:42発北斗10号と並びます。

 

 

 

新得駅には所定より5分程遅れの12:45に到着。

右に見える旧国鉄気動車一般色のキハ40 1759ですが、残念ながら今回釧路まで乗車する2427Dの車両ではありません。尚、この車両はダイヤ改正後に『道東 森の恵み』ことキハ40 1779などと共に旭川運転所へ転属しており、既に石北本線や根室本線滝川口をメインとした活躍を始めています。

 

 

 

 

今回2427Dに充当されるのは、キハ40 1778でした。現番号は154で、1980(昭和55)年新潟鐵工所製。落成配置は旭川機関区(当時)でしたが、1992(平成4)年に旭川運転所でワンマン化改造を受けて778に改番の上釧路運転所(当時)へ転属、以来30年ずっと根室本線を中心に活躍を続けてきた車両です。この間、2006(平成18)年には釧路運輸車両所で更新工事を受けて1700番台化されています。

前回と同様1番線からの発車ですが、とかち3号の遅れのため入線時刻も遅れてしまい、発車時刻ギリギリの入線となってしまいました。

(新得駅発車前は動画しか撮れなかったため、前面の写真は御影駅(キハ283系おおぞら6号との交換のため4分停車。トップ画像は当駅を通過するおおぞら6号)にて撮影。良く見ると窪み部分(※元々はKE91電気ジャンパ連結器スペース用だったが、北海道車は最後まで使用される事はなかった)の塗装が剥がれており元の『タラコ』色が…!)

 

 

 

この日は新得~釧路におけるキハ40定期運用最終日という事で、多くの同業者が乗ってくる…と思いきや、新得からの乗客は前回と2名しか増えておらず計7名!またも拍子抜けしてしまいましたが、結局帯広駅などから同業者らの乗車が増え始め、3月7日とは打って変わって部分的に相席になった区間もありました。

 

 

 

 

結局、3月7日と同じ行程で車両だけが異なるため、同じような内容になってしまいがちなので今回は趣向を変え、全区間の車窓風景を中心とした動画を貼り付けておきました。以降の詳細はコチラをご覧ください(上写真にも写っているように、本格的に機材を用意して同様に撮影している同業者もいらっしゃいましたが、私はハンディカム単独での撮影録音のため音質等に難アリな部分がございますがご了承ください)

尚、この日は釧路所属キハ40の定期運用最終日という事で、帯広駅停車中に運転士からのアルプスの牧場オルゴール付き「キハ40系さよなら放送」がありました。開始から57分17秒(動画説明部分のチャプター参照)でその放送が聴けます。3時間を超えるあまりにも長い動画のため、部分的にご覧になりたい方はチャプターで頭出ししてください。

 

 

 

 

ここからは写真をダイジェストとして紹介。

途中、帯広駅では42分もの『バカ停』をするのですが、今回は途中下車(出場)不可能な『乗車券往復割引きっぷ』を使用しているため、改札口を抜けて飲食物を買いに行く事はできませんでした(その代わり札幌駅で購入しておいた駅弁を昼食として食べた)。

動画でも紹介していますが、3月7日に続いてまたも『タラコ』との並びが実現(14:40発新得行2548D)。今回は1749のほうでした。だけど本当はタラコのほうに乗りたかったなぁ…(涙)。

その『タラコ』2548Dの出発シーンを動画で撮ったつもりだったのですが、何故か録画ボタンが勝手に押ささったのか?offになっていたようで撮れていませんでした(ムキー!!ムキー)。

 

 

 

帯広の次駅・札内駅ではH100形4両(帯広方先頭がH100-57、中間2両は不明、最後尾はH100-54)の回送列車と交換しました。翌日からの運用に備えた送り込みでしょうか。

以前『十勝・釧路の40入場券』購入旅の時にも同駅でH100の試運転列車と交換しましたが、同様のスジで運転されたようです。

 

 

 

十勝最後の厚内駅は2528Dと交換するため6分停車するのですが、今回は同業者が何人も跨線橋に上がって行くので、私も便乗してそこから撮影。交換列車(コチラは動画で紹介)到着のタイミングで急いで乗り込みました。

 

 

 

終着・釧路駅には遅れもなく無事到着。新得~釧路においてのキハ40最後の旅が「コレで本当に」終わってしまいました。そして、同区間で最長だった5時間余りものキハ40のロングラン運用にも終止符が打たれました(同一の列車としては道内最長運転時間の普通列車だった。宗谷本線の旭川6:03発~稚内12:07着の普通列車は車両こそ直通だが、途中名寄と幌延で列車番号が変わる)

やはりキハ40最終日とあって、途中からの乗車を含めて多数の同業者やお名残乗車の客が降りていきました。新得から乗車した私を含む7名中、帯広で降りた1名を除く全てが同業者の直通客でした。

この1778は全検からまだ2年程度しか経過していないのですが、結局他所に転属する事なく解体される運命になってしまいそうです。従って当列車が最後の旅客運用という事なのでしょうか…。

 

 

 

 

コレにてキハ40根室本線の旅は終わり。

釧路運輸車両所への回送列車を見送った後は改札口を抜けて、この後乗車するキハ283系おおぞら号ラストラン列車となる12号の特急券をこの日から使用開始した『話せる券売機』で受け取ります。左側に仮設されていた従来の券売機(「注意工事中」の張り紙で使用停止中)はこの後撤去されています。

 

 

 

コレが、えきねっとで前日にゲットする事ができたおおぞら12号の特急券!

窓側じゃなかったら乗るつもりはなかったのですが、偶然1席だけ空いていたので。「2022.-3.10」と日付が記載されている通り、この日の購入というのがお判り頂けるでしょうか(昨年6月のえきねっとサイトリニューアルに伴い、受取日の上に購入日が記載されるようになった)。

 

 

 

改札口前のコンコースでは、LED発車標にスクロール表示される「ありがとうキハ283系」のメッセージを撮影するファンらの姿が多く見られました。

 

 

 

私は一足早く改札口を抜けて、18:39に到着するキハ283系おおぞら号下り列車としてのラストラン列車となる4007Dの7号を迎え撃つべく2番線ホームに廻るのですが、1、2番線ホーム共に、大勢のファンが待ち受けています。

1番線ホームのおおぞら12号自由席乗車口には、既に多くの乗車待ちの列を成していました。

 

 

 

折返し、キハ283系定期運用のラストラン列車4012Dおおぞら12号となる7号は所定より約2分遅れで到着。下り列車はちらほら空席が見受けられ、思った程の混雑ではありませんでした。

ホーム上はまさにさよならフィーバーといった様相。駅員や鉄道警察隊からは撮影のファンに対して注意喚起の呼び掛けがされますが…それでも点字ブロックからハミ出して撮ってる人も。まぁ首都圏とかの『激パ』振りから見れば全然カワイイモンですよ。

 

 

 

折返し準備の車内清掃が終了したので、1番線ホームに廻って乗り込む事にします。やはり、キハ40の2427Dからそのまま折り返す同業者も少なからず見掛けました。

今回乗車した3号車キハ282-4はスーパー北斗向けとして1998年に製造された2次量産車で、当時はキハ283-204と中間車ながら別形式を名乗っており、2001年の札幌~釧路昼行特急の全列車『スーパーおおぞら』化に伴う5次車(最終型)増備に伴い現番号に改番。現存するキハ283系の中では7日に乗車したキロ282-3に次いで古い車両でした。

尚、編成表はこの後紹介する動画を参照してください(5'38"からテロップ記載)。この日のおおぞら4号→7号、そしてラストランの運用はかつての基本編成と同様の6両編成で、通常より指定席車を1両のみ増結。

 

 

 

荷物を自席に置いた後再びホームに出て、前照灯をフル点灯させて出発準備中のおおぞら12号先頭6号車(キハ283-15)を撮影。

 

 

 

この後、先頭車付近ではさよなら運転でお馴染みとなった横断幕掲出があったようですが、私は全然気付かず…(汗)。この横断幕はJR自ら作成したモノではないようですが、詳細は不明(横断幕については後で写真を確認してから気付いた)。

 

 

 

いよいよ、キハ283系おおぞら12号のラストランの旅が始まります。

キハ40に続いて、コチラも詳細については動画にて紹介させて頂きます(夜間の運転につき全区間の収録ではありません)。拙い映像と音声収録ではありますが、お時間のある方はご覧ください。勿論『ラストラン放送』も収録しております。

 

 

 

さて、奇跡的に(?)前日購入できた指定席なのですが、どういうワケか私の隣には釧路はおろか、帯広などの途中駅からも一切乗ってくる事はありませんでした。しかも後の2席まで!

お陰様で「あずましく」ラストランの旅を満喫する事ができたのですが、動画でも紹介している通り席の買い占めは一切行っておりません!いや、直前のタイミングで一気に4席も取れるワケがないでしょう。だけど…満席だったハズなのに何故??そして、クラブツーリズムのツアーは何号車に席を確保していたんだろう?

ご覧の通り、私の指定席は最前部の壁に面した区画。どこの席かはもうバレバレですね(汗)アセアセ

 

 

 

 

南千歳駅を出発、いよいよキハ283系おおぞらの旅も終盤というタイミングで車掌による『ラストラン放送』が行われ、この放送では2011年5月27日の石勝線脱線炎上事故(当時のスーパーおおぞら14号)についても包み隠さず触れていました。JR北海道35年の歴史のまさにターニングポイントとなった大事故で、キハ282・283形のトップナンバーを含む6両編成全てが焼失。幸い死者は出なかったものの、戦災以外での一度の焼失車両数は過去にありえない規模で、当時かなりのショックを受けた事を思い出します。この事によってキハ283系は『悲運の車両』というイメージがつきまとい、183系や281系よりも新しいにも関わらず引退を早めるという結果となってしまったのですが、放送ではあくまでも『特急おおぞら』としての役目を終えるという旨を述べており、キハ283系そのものが引退するという文言は一切ありませんでした。

 

 

 

終着・札幌駅6番線にはほぼ定刻通り22:58に到着。ついに、キハ283系おおぞら最後の旅が終わりました。今回はエゾシカ等による輸送障害に巻き込まれず無事にラストランを終える事ができて本当に良かったと思います。

(1枚目の写真はカメラの設定を間違ってしまい…酷い画質になってしまった)

 

 

 

到着ホームの6番線側はあまりの人だかりで写真や動画も満足に撮れそうもなかったので、私は7番線ホーム側で撮る事にしました。まるで寝台列車のラストランさながらの光景で、キハ283系が鉄道ファンの間で如何に愛されたかというのが良くわかりました。例の事故によって道東へのスプリンターが『悲劇のヒーロー』に転落してしまったという事に、人間臭さというモノを感じさせるかのようで…。

キハ283系は23:12頃(?)通常時と同様に札幌運転所へ向けて回送されて行きました。ホームに集まった群衆は皆静かに見送り、首都圏などのような混乱やトラブルもなく有終の美を飾る事ができた事は流石北海道ならでは…と思いましたね。

ちなみに7番線に停車中の721系は23:22発の岩見沢行285M。

 

 

 

そして…ダイヤ改正後の4月某日。

苗穂運転所の側線に留置されていたキハ283系(函館本線列車内から撮影)。

 

 

 

既に苗穂工場で解体待ちの車両がある一方で、かつてのキハ80系と同様波動用編成として残るという噂もありますが…どうなんでしょう?まぁ走行路線は限られると思いますが。その一方で、石北特急への転用説も一部ファンの間であるようですが、複雑な機構を持つ車両故にその可能性は低いでしょう…。

いずれにせよ、再び本線上でキハ283系の雄姿が見られる日が来ると良いですね。