3月11日、最後のVSEの旅は続く。
さまざまな思いをたっぷり乗せて、東へ西へ。
まだまだ、もう少し務めがある。
「はこね20号」は相模大野駅を発車してほどなく、今回もっとも大きな注目ポイントがあった。
町田駅でのVSE同士の離合である。
14:54、通過。
この一期一会の並びを収めるべく、町田駅には友人含め多くの撮影者がカメラを向けていた。
…ただこの「はこね25号」は所定14:51発だった筈で、こちらの「はこね20号」も所定ダイヤなら
もしかしたら町田〜相模大野間で離合していたのではなかっただろうか。
この3月11日、震災想定の一時停止訓練が思いがけずもたらした、定期最後のプレゼントだった。
計画通り、ここで「はこね20号」から下車した。
先の「スーパーはこね9号」での見送りといい、なんとなく緩やかな雰囲気が流れていた。
…さて、ここから自分の事態が大きく動いた。
モバイルバッテリーが足りない‼️
実は、旅の時は1日持つような容量のモバイルバッテリーを携行するのだが、なぜかこの日に限り
そのバッテリーの充電が十分でなかったらしく、この「はこね20号」乗車中に尽きてしまった。
そして撮影機材の充電もみるみる減り、新百合ヶ丘駅到着時点でもう残りが一桁。
これはもうどうにもならんと、まず町田駅へ。
駅直結のビックカメラで充電器を探すが不調に終わり、結局コンビニで電池交換式を購入。
これは、モバイルコンセント付きのロマンスカーがGSEとEXEαしかないからであり、GSEは当該
時間帯に発着が無かったから、EXEαを探すしかなかったのである。
だが、町田15:51発「はこね29号」の時刻表には「EXE」としか記載がなかった。
もし未更新のEXEが来るとモバイルコンセントは設置されていないため、充電も不可能である。
来るのは果たして一体どっちか、かなりギリギリな賭けとなった。
これもあり、新百合ヶ丘や町田で窓口の駅員氏にEXEαの運用を尋ねたが、そこまでは分からず…
忙しいはずの時間帯に、かえって余計な調べ物をさせてしまったと反省。
もうこうなれば、確か40分程前に新宿に向けてEXEαが上がっていったよな…という目撃の記憶を
頼りにして、「はこね29号」がそのままEXEαで折り返してくるのを祈るしかなかった。
前はよくあった、新宿で折り返し回送入庫、車種交換なんてことがありませんように、と。
…そこで撮影機材も一度充電が尽きた。
しばらくして町田駅に現れた「はこね29号」は…
願い通りのEXEα!!
この時ばかりは、拳にグッと力がこもったのだったw
ほどなくして、撮影機材が電源復帰。
そこから小田原までの43分間、運転席のすぐ後ろの席でひたすらに充電を進めていく。
ちなみに、EXEαの汎用チャイム。
どこかで聞いたことあるなーと思ったら、西武ニューレッドアローと同じような音色だったw
確かに小田原に向かっているはずなのだが、気分は小江戸川越か秩父路かという錯覚にwww
それにしても、やはり車内の居住性でいえばEXE・EXEαがロマンスカートップクラスだろうか。
展望室の未設定などで、ロマンスカーで史上唯一の鉄道友の会ブルーリボン賞未受賞という屈辱を
拝しているEXEであるが、座席の座り心地は非常に良いし安定感も◎と印象を強くした。
これから小田急ロマンスカーの利用機には、EXEをわざわざ選ぶ機会も増えるかもしれない。
さて「はこね29号」は順調に下り、16:34に小田原に到着。
この小田原到着を持って、同編成の箱根登山線乗り入れは一足先に終了となった。
刻々と、少しずつ。
そのお別れを、胸に焼き付けて。