JR北海道789系0番台「ライラック」(元「スーパー白鳥」)仕様車 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

 

2016年3月まで、青函輸送の中心を担ってきたのがこの789系です。弾丸スタイルの先頭部は北海道のアイデンティティとなっていますが、塗装がJR北海道のコーポレートカラーである萌黄色になっています。「スーパー白鳥」専用で活躍してきましたが、2017年3月以降は車内設備はほぼそのままに札幌-旭川間の「ライラック」へ転用し、785系の置き換えと石北・宗谷各方面への連絡特急の使命を担っています。

 

ヘッドマークはフルカラーLEDとなっています。なお「ライラック」は元々室蘭-札幌-旭川間で運転されていた特急で、室蘭-札幌間の「すずらん」として分割等により名称が消滅していましたが、この0番台で運転する札幌-旭川間の特急の名称として復活しました。

 


トップナンバーですね。ちなみに、このグループには厳密には0番台が存在しません。最近登場した北海道の車両は全て0番台がいないんですよね・・。

 

一部編成には先頭に動物の絵が描かれています。もちろん、旭山動物園の動物のことでございます。

 

こちらにはホッキョクグマやペンギンがいます。この編成は指定日に定期「ライラック」を差し替えて運転される「ライラック旭山動物園号」に指定して使われます。

 


こちらは懐かしの「スーパー白鳥」時代です。青函トンネル内ではJRグループの在来線では最速となる140km/hで走行していました。え、「はくたか」?あれは北越急行です。


「スーパー白鳥」時代のヘッドマークです。今や新製車両で前面にヘッドマークを掲出するのはJR北海道とJR四国だけとなりましたね。今更ですが、「スーパー白鳥」時代は幕式でしたね(^^;;


このロックオンしたようなイラストがカッコよかったのですが、転用後は上の「HEAT 789」と共に、このイラストは消されています。


さて、中へ入っていきましょう。まずはデッキドアです。前面と同じく、コーポレートカラーの萌黄色で固めています。


車椅子対応車両のドアは幅が広げられています。いずれのドアも低床ホームに対応するためにステップがあります。足元にご注意ください。


ゴミ箱は飲料系とその他で分別されています。


一部車両にはゴミ箱の上に木の板が貼られ、ちょっとしたテーブルのようになっているところもあります。その向こうは扉扱いを行う業務用スペースなので、パーテーションも入っています。


トイレです。こちらは車椅子対応トイレです。開閉はボタン式で、2枚式の扉がスライドして開きます。ドアにワンポイントの青いラインを入れるのは、最近北海道の流行となっています。


男性小用トイレです。扉は折戸式で、スペースは最小限ですね。


洗面台です。蛇口は自動化されています。左側にはフックと髭剃り用のコンセントがあります。


多目的室です。普段は閉鎖されているため入ることが出来ません。ご利用の際は車掌さんにお声掛けください。

 

ちょっとした休憩スペースです。一昔前は喫煙スペース的な意味合いで設置していた会社も多く有りましたが、現在では携帯電話での通話スペースや混雑時の立ち席スペースとして扱われています。


こちらは「スーパー白鳥」時代。クッションが青色だったという微妙すぎる違い(^^;;;


最前面へと通じる通路です。かつては最前面の貫通路付近まで進むことが出来たため、青函トンネル通過の様子をじっくりと眺めることができたのですが、今では安全上の理由からしっかりした金属のバーで区切られ立ち入り禁止とされています。

 

デッキとの仕切りです。珍しくデッキ側から、窓にはスリットで目隠しされています。


「スーパー白鳥」時代はデッキ仕切り扉の窓にも道南と青森県のイラストが貼り付けされていました。

普通車の車内です。デンマーク国鉄と提携していた時代の車両で、同時期に登場したキハ261系とデザイン面では共通しています。


こちらは「スーパー白鳥」時代のものです。赤色の座席を中心にしたタイプでは、721系のUシートのように青色の座席がたまに混じっていました。

 

続いて緑色の座席を中心にしたタイプです。イメージとしてはハッカですね、ハッカ(笑)



そして「スーパー白鳥」時代です。こちらもたまに青色の座席が混じっています。


デッキ仕切りです。こちらも大きく構成は変わわず、化粧板は木目調のものを使用しています。ドア上にはLED表示機が設置されています。


ドア上のLED表示機では、現在の駅間位置を表示する機能がありました。なんせかつて世界最長の青函トンネルを越えていたわけで…。とは言え、このような「あとどれくらいで着くか」の表示は、様々な形でJR北海道の特急列車では標準的な装備になっています。昔ほどでは無いにせよ、1本当たりの乗車時間が半端ではありませんからね。

 


天井です。ダウンライトと蛍光灯の組み合わせとなっています。スリットのカバーが取り付けられていますが、照明カバーと比べると実効性のほどは「?」といわざるを得ません。中央は青いパネルとしており、色調にアクセントを加えています。


窓です。2席に1枚割り当てられており、日除けはフリーストップ式のロールカーテンタイプ、窓の中央にはカーテンレールが入っています。日射条件に合わせて高さを変えられる一方で、特急用車両としての風格に欠けるということと、景色の連続性が途切れるといった欠点も持っています。

 

座席です。これまでに何度か紹介した、北海道では割とどこでも見ることができるものですね。それだけ画一化され過ぎていて面白くないといえばそれも確かです。



リクライニングは大きいとは言えませんが、座り心地は数あるリクライニングシートの中でも上位に位置するものと思っています。見た目のシンプルさだけでないのもさることながら、ヘッドレスト両側の張り出しもいい仕事してます。あと、センターアームレストは横幅が従来比で拡大されています。お隣がいない時は快適ですし、お隣がいても肘掛け戦争を多少緩和してくれるかと思います。



バリアフリーに対応した、半室グリーン車を有する車両の普通席区画です。通常指定席に充てられていますね。


デッキ仕切りです。仕切り扉は両開きとなっています。ここの扉だけ、それぞれの系列で違いがあるのが面白いです。


車椅子対応座席の手前の座席はシートバックテーブルが無いため、インアームテーブルを装備しています。アームレストもモケット張りでちょっぴり豪華仕様です。


車椅子対応の1人掛けです。この列車、白鳥時代から喫煙車だった歴史ってありましたっけ?この座席の欠点は灰皿を取り付けるスペースが残されていることで、金属部分が露出しています。ひんやり感がダイレクトに伝わるのはあまり好ましくなく、冬場は静電気の餌食になります。


リクライニングの図。固定用のベルトなど、必要な装備は備えています。


シートバックテーブルに貼り付けされた、列車の青函トンネル通過時刻と断面図です。これも過去のものとなってしまいました。

 

そして現在のシートバックテーブル。当然のことながら青函トンネル関連のステッカーは剥がされ、時おり広告のステッカーが貼られています。

 

デッキ仕切り際は固定テーブルが設置されています。個別にしてパーソナルスペースを意識しているのはいいのですが、円形をしていることと面積も小さいので、使い勝手がイマイチなのが良くありません。デザイン性と機能性、両立は難しいですね。


この区画のみ、普通車ながらコンセントが備わります。指名買いするのも悪くないでしょう。

 

1人掛け部分はもちろんコンセントがひとつとなっています。

 

さて、特急「ライラック」運用も日常になって来た今日この頃、座席のモケットが変更された編成が出てきています。2022年時点では一部の編成のみの施行でしたが、その内全てこれになるんでしょうね。

 

という訳で座席です。同じ区間で走る1000番台と同一のモケットに貼り替えられています。

 

JR北海道もコスト削減に血眼になっておりますので、別々のモケットを持つよりも同じモケットにしてしまった方が良いと判断したのでしょう。気動車特急のように、いわゆる「グレードアップ座席」にまではしなかったようですね。

 

半室普通車もこの通り。座席モケットは暗い色調なので、その他の色調とアンマッチになってしまったのは何とも…。

 

車椅子対応の1人掛けです。付帯設備は変わりません。

 

そして、モケット貼り替えの前に取り忘れていた全展開の図。肘掛けは跳ね上げ可能です。

 

その後ろのインアームテーブルを装備した座席。このフレーム自体は、北海道のみならず至るところで見ることが出来ましたね。

 


続いて半室設定されているグリーン車です。宗谷本線系統のキハ261系0番台では2+1の3列配置で9席のみという超ミニマムな空間でしたが、青函輸送時代に一定数の需要があると見込まれていたのか、2+1の5列配置となっています(半室なことに変わりはありませんが…)。「ライラック」転用後もグリーン車の設備は残され、宗谷本線の「サロベツ」、石北本線の「大雪」と改札内で乗り換えする場合にはグリーン料金も通しとなっています。なお、ライラック旭山動物園号で運転される場合はグリーン席の販売は行われず、記念撮影スペースとなります。



デッキとの仕切りです。グリーンらしく、仕切り扉には窓が有りません。

 

普通車との仕切りです。仕切り扉の位置は普通車側に合わせているため、B席部分には目隠しの衝立が入っています。グリーン料金に対するせめてもの配慮ですね。



天井です。蛍光灯が暖色系になり、化粧板が肩部まで青色になっています。また荷棚の下には読書灯が備えられています。

 

座席です。キハ261系の座席とほぼ同様、革張りものですが、ヘッドレストピロウがウイングアップ式のものになっています。


付帯設備はインアームテーブルと土足/土足禁止両面仕様のフットレストです。画像ではフットレストを反転し忘れて土足面となっていますね・・。


こちらは1人掛けです。


全展開の図。こちらはしっかり土足禁止面でセットして撮影しました。座り心地は革張りながら沈み込むような嫌らしさは感じられません。ただ革張り座席というのは人によって好き嫌いが別れるものではあると思います。ヘッドレストピローがしっかりしたものになったので、キハ261系0番台と比べると安心して頭を預けることができるように思います。


デッキ仕切り際の座席のテーブルは固定式、かなり広々としています。これがグリーンのゆとりなんでしょうね。

 

目隠しの衝立は下から仕切り扉の高さ程度までを覆っています。

 

さて、普通車のモケット変更と同時に、グリーン車は座席が改座されています。グリーン席は普通席に比べて付帯設備が多いこと、前の座席は革張りだったのでメンテコストも高かったでしょうから、共通品に交換して将来のコスト低減を狙ったんでしょうね。

 

普通車との仕切りです。ある部分が変わっていますが、また後で触れましょう。

 

座席です。まずは2人掛けから参りましょう。近年キハ261系で導入されているグリーン席と同等の座席に変わっています。ヘッドレストリネンは、何やら国鉄時代のように縦幅が長いタイプのものが付いていますね。

 

1人掛けです。ただ何もかも同一という訳ではなく、元々荷棚に読書灯は装備していますので座席側の読書灯は省略されています。細かすぎる違い…。あとコンセントも窓側にあるので座席側は省略されています。

 

全展開の図。程よいクッション性で付帯設備も申し分ない、特に欠点は見当たらない長時間乗っていたいグリーン座席と言えます。むしろ、札幌-旭川間だけでは少々勿体ない感じはします。

 

 壁際の座席は固定テーブルが無くなり、収納式の面積が広いオフィスシートが設置されています。こちらのフットレストは角度調節機能は付いておりません。



「ライラック」となり新たな使命を与えられた789系0番台。弟分の1000番台共々、末永い活躍を。

 

 

 

 

 

 

 

 

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