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ジャティネガラに到着するガルットからの急行Cikuray

先日の記事でお知らせした通り、去る3月25日、ガルット線チバトゥ~ガルット間が開業(厳密には営業再開)しました。ジャワ島管内各地で休止線の復旧プロジェクトが続いていますが、規模的にはスカブミ線スカブミ~チアンジュール~チパタットに次ぐ大型プロジェクトで、かつ、今回はジャカルタまでの直通運転が実施され、パサールスネンでガルット行きの表示&案内が為されるところが目玉ではないでしょうか。ガルット線沿線は市街地化が進んでおり、線路跡は民間用地の如く消えている箇所も多くあっただけに、路線復活はなかなか感慨深いものです。





出発式は3月24日のセレモニーと同時に“客を乗せた試運転”で実施
(インドネシアの開業日がいかにあって無いようなものということがわかりますよね・・・)


そして、“本開業日”25日のツイート
営業では入らないステンレス編成が停車中(笑)
いつの試運転の使い回し画像だ!!

1983年から休止線となっていたガルット線にとって35年ぶりの営業再開です。リハビリ事業は2018年から4年がかりで実施されてきました。この事業は中央政府ではなく、KAIと西ジャワ州政府の共同事業となっています。その為、駅舎には運輸省マークがありません。開業式典でも、エリックトヒル国営企業相が出席し、発車合図を送っています。監督責任機関代表として運輸相ブディカルヤも臨席していますが、路線建設にカネは出していないので、脇役と言った印象です。

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わかる人はこれを見てわかると思いますが、実は編成がスゴイ

ただ、運輸省が全くカネを出していないというと、嘘になってしまいます。ガルット線の全列車は3月下旬現在、全列車運輸省補助金PSO対象列車になっています。ジャカルタ直通便の急行Cikarayも、急行Serayu同様のPSO急行です。が、これ、なかなかのサービス列車で、PSO列車用の冷改2&3ボックスK3ではなく、新製冷房の2&2ボックス、元水色(Ekonomi AC用)K3が充当されています。そもそもバンドン線は特急街道ということもあり、2010年~2015年製の新製冷房K3の入線実績がなく、デビューから12年目の初入線となっています。ガンガンに冷える新製冷房K3はいっときの花形でしたが、2016年から集団見合い式のK3プレミアムが大量増備されたことで中途半端な状態になり、近年は余剰気味でした。そして、PSO急行に充当されるとは・・・時代の変化が早すぎます。

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サボと車番
14年製のジャカルタコタ所属車が充当されています

ところで、このCikurayのダイヤですが、1日1往復で、朝にガルットを出て、夕方スネン発、半夜行でガルットに戻る設定となっています。ですので、ジャカルタ在住者がふらっとガルットに出かけるには使いづらいです・・・。行くなら、行きはバス、帰りは鉄道、ですかね。本来はジャカルタ朝発も設定されるはずで、2021年のダイヤ改正時に空スジだけは用意されており、これはガンビル発着になっています。ジャカルタ在住者は特急で、ガルット在住者はPSO急行とは、なかなか考えられた組み合わせと言えますので、ガンビル発着の運行にも期待したいところです。
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急行Cikurayの運行時刻
上りはプルワカルタ詣での帰りにちょうどよい時間帯ですね

また、ガルット線には急行Cikurayの他に、普通列車が2往復設定されています。線内運行ではなく、既存のバンドン地区普通列車の区間延長として設定されていますが、そのうちの1.5往復は、なんと最長普通列車であるチカラン発がその延長運転の対象になっています。これは鉄ヲタ的に新たなネタ誕生です。

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ガルット線直通、普通列車時刻表
プルワカルタ発ガルット行きでも十分長いですが・・・

皆さんご存じの通り、プルワカルタ17:35発(3月24日までの時刻)442列車は、チカラン15:35発(3月24日までの時刻)390列車からの列番変更で直通運転を行っていました。この442列車の時刻変更扱い442E列車がガルットまでの直通運転になったことにより、発車時刻が1時間以上繰り上がっています。そこで、この修正後もチカランから直通運転するのか、そもそも乗り継ぎが出来るダイヤとなるのかが、注目されていましたが、ガルット線の開業に伴い、ブカシ線普通列車(Walahar&Jatiluhur)の一部に大幅な時刻変更が加えられています。

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3月25日からのブカシ線普通列車時刻表

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参考:3月24日までの時刻
反射で見えにくくすみません・・・
チカラン駅の時刻表は僅か2か月弱でお役御免ですね・・・

ご覧の通り、下り列車に多数の時刻変更が加えられ、A列番になっています。特に390A列車では、修正前の390列車に比べ、2時間以上も繰り上げられています・・・。というか、ガルット線との兼ね合いとは言い、夕方の帰宅需要を完全に無視したダイヤ設定のような気が・・・。ともかく、390列車から442列車への乗り継ぎは可能です。ただ、プルワカルタので乗り継ぎ時間が1時間7分と大幅に拡大してしまっています。これは、編成も直通しないのでは??と思いましたが、これでもバカ停の後、列番変更でそのまま発車している模様です。チカラン発、ガルット行き普通、これはいくらなんでもやりすぎでしょう(笑)距離は約208㎞にして、9時間15分の灼熱?爆臭??激狭ボックス地獄、勇気のある人はチャレンジしてみてください。なお、上り列車も修正前同様に、441列車(修正後は441E)が391列車に化けて、直通運転を行っています。こちらは、441Eが1時間繰り下げになりながら、391列車の時刻変更がない為、所要時間が短縮しています。

なお、バンドン近郊普通列車はガルット直通以外、軽微な時刻変更しかないようで、3月下旬時点で公式からのお知らせがありません・・・。駅に行かないとわからないといういつものパターンですね。ご利用の際には、公式アプリKAI Accsessで、発駅からの最新の時刻をお調べください。

お知らせ
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