SL桃鉄号乗車記(熊本→鳥栖) | 風かおる 鉄の路

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主に私が乗車した乗り物関連(鉄道中心)、その他気になったことを綴っていきます。稀にお絵かき。

つい先日、令和2年7月豪雨で大きな被害を負った肥薩線の復旧費用の試算が発表されました。

その額はなんと約230億円。

熊本地震の際の豊肥本線の復旧額が約90億円だったのと比べるととんでもない規模…

果たして鉄道での復旧はできるのでしょうか…?

 

さて、今回はそんな肥薩線被災区間を走っていたSLの58654の話題です。

肥薩線被災後はアニメ「鬼滅の刃」とコラボした「SL鬼滅の刃」、そして熊本~鳥栖間の「SL人吉」として運行を続けてきた58654。

2022年も熊本~鳥栖間の「SL人吉」として運行されることが決まっていますが、その前にまたもコラボ列車としての運行が行われることとなりました。

 

今回のコラボ相手は「桃太郎電鉄」。

鉄道会社の運営をモチーフとしたゲームなのだとか。

その桃太郎電鉄と58654がコラボして、2022年3月26・27日・4月2・3・9日の5日間、「SL桃鉄号」として運行されます。

 

このSL桃鉄号ですが、私自身がやったことのないゲームとのコラボ、さらに運行区間がSL人吉と変わらないということもあって当初は乗ろうとは思っていませんでした。

でも、都合のいいことに青春18きっぷが余り、そして指定券も簡単に取れてしまったので今回乗車してみることにしました。

 

2022年3月27日。熊本駅にやってきました。

ちょうど花博が開催されているということもあって、駅前広場には大きな造花が飾られています。

 

駅舎に入ると、改札前にはホワイトボードに「SL桃鉄号」の紹介が。

さっそく中に入っていきます。

 

SL桃鉄号の来る6番のりばへ向かうと、ちょうど三角行きのA列車で行こう1号が停車していました。

 

去年のGWに乗ったときはガラッガラでしたが、今日はほぼ満員で発車していきました。

 

 

↑そのときの乗車記はこちら

 

 

A列車で行こうが去ったあとで満を持してSL桃鉄号の入線です!

 

58654を先頭に、50系3両、DE10-1209といういつもの編成。

でも58654の前面プレートが…

 

「桃鉄」に!

 

 

桃のヘッドマークと合わせ、特別仕様。

5日間だけの姿です。

 

SL鬼滅の刃のときは専用サボが使用されていましたが、今回はSL人吉のものをそのまま使っています。

 

それでは車内へ。

 

内装はSL人吉そのもの。

 

鬼滅のときは一部が鬼滅仕様だった展望席の座席も通常のままです。

 

わずかに壁の額縁入りの絵が桃鉄仕様に差し替わっているところが通常と異なるポイント。

 

10:50、駅員と見物客に見送られて列車は鳥栖へ向けて発車しました。

 

のんびりと40~50kmくらいのスピードで鹿児島本線を北上していきます。

 

せっかくなのでDL側の展望室で迫力ある光景を眺めます。

SL側は満員でしたが、こちらはかなり空いていました。

 

遠くに九州新幹線の高架が見えます。

 

有名な田原坂を過ぎ、菊池川を渡ると玉名です。

 

玉名に運転停車。

通常のSL人吉では客扱い停車ですが、このSL桃鉄号ではなぜか運転停車。

鳥栖行きの普通列車に追い抜かれます。

 

 

停車中にJR九州社員さんがやってきて車内イベントが行われました。

すごろく形式の桃鉄にちなんで3つのサイコロを振り、その目によってステッカーやメモ帳(ゾロ目の場合のみ)がもらえるというもの。

……個人的には桃鉄というより地下チンチロを思い起こしてしまいました(笑)

 

ということで私もやってみましたが…「四四三」と惜しくもゾロ目ではなかったためステッカーに。

 

展望室内の乗客がサイコロを振り終えたところで玉名を発車。

なにやら気合の入った見送りをされる方がいました。

 

しばらくすると雲仙普賢岳の姿が見えてきました。

 

この付近では有明海のすぐ近くを通るのですが、木々と住宅に阻まれ、ほんの一瞬見えるか見えないか…といったところ。

 

再び海から離れ、列車は大牟田に到着。ここも運転停車です。

 

 

大牟田を発車するとすぐ、2020年に廃止された三井化学専用線分岐と貨車受け渡し場所であった仮屋川操車場跡を通過します。

仮屋川操車場はまだその姿をとどめていましたが、本線とのレールの接続は切られていました。

 

 

大牟田を過ぎたところで、2号車ビュッフェへ。

品物を見てみましたが…普通のSL人吉と変わらないので、記念乗車証だけもらっていくことに。

 

これも通常のSL人吉のものと同じようです。ちょっと残念。

 

 

SL側の展望室にも行ってみましたが、人が多いので長居はしませんでした。

 

そろそろ桜が見頃…ということで車窓からも時折眺めることができます。

もう10年くらい前でしょうか、SL人吉で人吉に向かったときも車内から桜を眺めたのを思い出します。

 

せっかくなのでDE10と一緒に。

 

大牟田を出てからしばらくして、列車は荒木に停車。

ここも運転停車です。

 

鳥栖行きの普通列車にまた追い抜かれました。

 

荒木のお隣、久留米に到着。

ようやく最初の客扱い停車です。

ここで撮影タイム?と思っていたら…去年のSL鬼滅の刃とは違って2分しか止まらないので外に出ることはできませんでした。

なんとここから指定券を所持した方が2人乗車してきました。

あと10分くらいしか乗車時間ありませんが…

 

久留米を出ると長い橋梁で筑後川を渡ります。

この橋には、JR九州が787系の宣材写真を撮るためにわざわざ橋の上で一旦停車させたという伝説がある…というのはよく知られた話。

 

ちょうど813系とすれ違い。

窓の大きな展望室から見ると結構な迫力がありますね。

ここまで来るとおよそ2時間30分かけた旅もあと少しです。

 

列車は汽笛を鳴らし、ゆっくりとポイントを渡って終点の鳥栖に到着しました。

お出迎えの皆さんに混じって撮影。

 

鳥栖は鹿児島本線と長崎本線の分岐駅。

昔は蒸気機関車がたくさん発着していたはずで、その様子が再現されたような光景です。

 

廃レールが使われた屋根と一緒に。

 

折返しの運行に向け、一旦留置線へと回送されるSL桃鉄号を見送りました。

 

反対を見てみるとシーサイドライナー色のキハ220が。

2021年3月ダイヤ改正で長崎地区から各地へ散らばっていったシーサイドライナー色キハ200・220。

いずれは塗り替えられてしまうわけで、この光景が見られるのもそんなに長いことではなさそうです。

 

最後に…お昼どきなので有名な5・6番ホームにあるうどん屋へ。

 

ここのかしわうどんがとっても美味しいということで以前から話題になっています。

久しぶりに食べましたが、相変わらずの美味しさですね…!

 

うどんを食べた後は早めですが帰路に就きました。

ずっとのんびり走るSL列車に乗っていたせいか、帰りに乗った区間快速がまるで新幹線のように早く感じてしまいました(笑)

 

 

肥薩線が被災した後、様々な姿を見せてくれる58654。

今後の活躍にも期待ですね!

 

それでは。

 

★列車データ

9310レ 快速SL桃鉄号 鳥栖行き 熊本(10:50)⑥→鳥栖(13:24)

58654+オハフ50-702+オハ50-701+オハフ50-701+DE10-1209

※2022年3月27日乗車

 

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