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のせでんは西武に買収されかけたことがある!?

川西能勢口から北へと伸びる路線をもつ能勢電鉄。
現在は阪急電鉄の子会社として位置していますが、実は西武に買収されかけたという歴史があります。




高度成長期のできごと

1960年代、高度経済成長に伴って全国各地で住宅開発が盛んに行われるようになりました。
能勢電鉄の沿線も例に漏れず、利用客が年々増加してきたこともあって多田周辺に「多田グリーンハイツ」と呼ばれるニュータウンが平野駅近くに設置されることが決定し、西武グループの西武化学工業(当時:朝日化学工業)が造成に携わりました。
計画は特に問題もなく進行していきましたが、このあと西武がとんでもないことを言い出します。
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撮影:ねこ常務(@ShachikuGateway)様


西武「のせでんの株を買い占めよう」

なんと、西武は能勢電鉄の株を買い占めることで能勢電鉄を西武鉄道の傘下におこうと目論んでいたのです。
多田にニュータウンが完成するとある程度の旅客数が見込まれるため、その輸送を自社の鉄道で行うことが狙いでした。
しかし能勢電鉄は阪急と切っても切れない関係を保っており、阪急側としても能勢電鉄との関係を切りたくなかったことから、阪急は急遽能勢電鉄への出資を決めました。

当社沿線は阪急電鉄の営業圏内にあり、阪急電鉄の当社に対する資本並びに経営上の連携は当社創業以来のもので、当社が他の資本に買収されることは到底認められるべきものではなかった。
-能勢電鉄100年史(能勢電鉄株式会社 編)より引用


そして阪急の子会社に

その後阪急は能勢電鉄に対しての出資を実行し、1963年1月には資本金を2億円に増資しました。
その結果阪急の能勢電鉄株保有率は80%となり、能勢電鉄は正式に阪急の子会社として迎え入れられました。
なお買収計画が失敗した西武化学は多田グリーンハイツの造成にのみ関わることとなり、着工から数年後には6400戸・2万5600人が住居可能なニュータウンが完成。その後も山下や日生中央に次々と住宅地域が設置され、能勢電鉄にも念願の大型車が登場するのですが、それはまた別の話。。


編集後記

阪急と能勢電の友情のおはなしでした😃
(2022年1月8日放送の「鉄道伝説」を視聴されてた方はご存知のはず…💦)


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参考文献・関連リンク

能勢電鉄株式会社 編(2008).『能勢電鉄100年史』.能勢電鉄.
「能勢電鉄」.Wikipedia.〈https://ja.wikipedia.org/wiki/能勢電鉄〉.2022年3月25日参照