「幹在特」と表記された特急券~3 | 菅沼天虎の紙屑談義

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交通機関を利用する為の切符・・・一般の方々にとっては使い終わってしまえばタダの紙屑で、最後は係員に渡して終わりになるモノです。
そんな紙屑に夢中になってしまった大馬鹿モノの戯言にお付き合い下されば幸いです。

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平成9年3月22日に秋田新幹線が開業し、盛岡~大曲~秋田間の在来線区間と東北新幹線に跨がる場合は「幹在特」が適用されるようになりました。

 

開業当初の秋田新幹線は現在のように全車指定席では無く、自由席の設定もあったため、当時常備軟券を発売していた羽後長野駅には自由席特急券が設備されました。

 

秋田新幹線が開業した10日後の平成9年4月1日に、消費税率が5%に引き上げられて運賃料金が改訂されており、10日間だけ発売された券が存在したのかどうかは不明ですが、ご紹介いたしますのは4月1日の料金改訂後の券となります。

 

当然ながら昨日のエントリでご紹介いたしました東根駅の券のように、「幹在特」と表示された券だと思ってましたら・・・

 

 

思いっきりエラー券でした。

 

秋田新幹線開業で盛岡~大曲~秋田間の特急料金は「B特急料金」から「A特急料金」の適用となったにもかかわらず「B自由席特急券」の表示で、乗継割引適用では無くなったのに「(乗継)」の表示があり、肝心の「幹在特」の表示がありません。
 

角館~盛岡間の営業キロは58.8キロで、本当に「B自由席特急券(乗継)」であれば、当時は100kmまでのB自由席特急料金の乗継は「¥470」でしたので、さすがに料金表示だけは「幹在特」適用の「¥810」と正しい料金となっています。

 

 

 

 

 

こちらは東北新幹線区間に跨がらない、「角館→盛岡」単独乗車用の自由席特急券です。

 

 

こちらは正しい「A特急料金」の券となっています。

 

何故「幹在特」の券だけ思いっきり間違えて調製されてしまったのか事由は不明ですが、秋田新幹線開業前には、羽後長野駅にも盛岡乗継となる「B自由席特急券(乗継)」が設備されていたと思われますので、発注担当者の凡ミスでしょうか??

 

 

 

 

 

秋田新幹線は平成14年12月1日に全車指定席化されて、自由席特急券の発売は無くなりますが、自由席の設定のあった末期には正しい券となっています。

 

 

「A特急料金」で左下に「幹在特」と表示された正しい券となっています。

 

羽後長野駅には平成27年10月1日にPOS端末が導入されて、常備軟券の発売は無くなっておりますが、拙ブログの2015年5月19日のエントリ「田沢湖線 羽後長野駅」でご紹介いたしました券を購入のために現地を訪問した時には、特急券は一切発売しておらず、さすがに「特定特急券(立席)」の常備軟券は登場しなかったものと思われます。