若手おいさんの日記

よく食べ、よく飲み、マイペースで生きましょう。

220320_近江鉄道

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 三連休中日。近江鉄道の800形821号車がラストランを迎えるというので、ちょうど虫が春の陽気に誘われ出るようにして、ふらりと近江鉄道本線へと出かけてみた。 

 近江八幡で新快速を降り、「1デイスマイルチケット」を購めて改札を抜け、発車準備の整った八日市行きの300形に乗り込んだ。三連休とあってか車内は盛況で、立ち客こそないものの、近江八幡発時点で長いロングシートの7割ほどが埋まった状態だった。家族連れや年配の夫婦の割合が高く、その多くが途中の太郎坊宮前で下車したのを見て、ああそういうことかと1人合点しつつボーッと車窓を眺めてひと時を過ごす。

 近江八幡を出た万葉あかね線の列車は、しばらくの間住宅の間をを縫って走る。そのため、特に300形などに乗っていると、そこから望む景色は、もちろん乗り心地は随分と違うわけだが、車両も私もかつて日常的に眺めていた西武国分寺線のそれであるかのように錯覚される。

 八日市では10分ほどの乗り換え時間があった。近江鉄道本線の中心的な駅だから、821号車を目当てとするファンの姿も多いかと思いきや、カメラを手にしたそれらしき人の姿が2名と、列車の接近に合わせて駅自動放送の模写芸を披露する無邪気な好事家が1名いたくらいで、混雑やパニックとは程遠い、連休の賑やかさを微かに帯びた連休の地方駅の姿がそこにはあった。

 八日市から1駅上った河辺の森で下車する。田んぼの真ん中にあるこの駅の周辺を散策すれば、いい感じの場所がきっと見つかるだろう。やはり春を取り入れたい。歩き回っていると、小さくもしっかりとした花をつけたネモフィラの群生を見つけたので、これと列車を絡めて撮ることにして、畦道に寝転んでファインダーを覗き、構図を固める。1人でこうしている間はまさに至福の時である。

 そうしているうちに、「ファーン」という耳触りの良い警笛が八日市方面から聞こえた。やがて河辺の森駅のホームに列車の接近を知らせる放送が流れると、目的の列車がゆっくりとやって来た。速度を落とし、徐行のスピードで河辺の森駅のプラットフォームをかすめて行く。

 西武401系の面影を色濃く残す車両も、近江鉄道では赤電塗装を纏った822号車を残すのみとなった。