※初めにおことわり
拙記事は2015年1月、阪神・淡路大震災20年の機会にアップした記事ですが、その後の変化を加筆・修正して再度アップします。
日本の定期夜行列車は2016年3月ダイヤ改正から、「サンライズ瀬戸・出雲」だけになってしまいました。
しかしながら災害の規模により、夜行列車が必要な機会が想定され、夜行列車運転のノウハウを継承しておく必要性を述べます。
阪神・淡路大震災発生時、山陽新幹線と東海道・山陽本線も寸断された鉄道の足として、福知山線・播但線迂回の「なは81号」「あかつき81号」が運転されたことをご記憶の方も少なくなったでしょう。
和田山・姫路での2度のスイッチバック、定期「あかつき」で11時間半の大阪-長崎間を15時間要しましたが、昔の急行「雲仙」は山陽・鹿児島・長崎本線経由で15時間かかりました。
あくまで鉄道ファンの感覚ながら、「あかつき81号」は大迂回の割に速いと思ったものです。
緊急時に夜行列車を走らせる必要がある区間は、昼間に新幹線が走る程のボリュームがある地域間でしょう。
そんな地域間で新幹線が途絶して、道路で全ての輸送を行うと渋滞は必至、更に混乱に拍車をかけることになります。
首都圏でさえ、東日本大震災では鉄道の不通で道路は身動きがとれなくなりました。
災害で無いに関わらず、山陽新幹線の北九州トンネルの安全性が懸念されて新幹線が運休し、輸送力確保のため広島-博多間に夜行の快速列車が運転されたこともあります。
東北新幹線不通で航空会社が臨時便を運航しますが、新幹線より高いという記事がアップされていました。
東北新幹線が走る距離なら、寝ている間に移動できる夜行列車があったらどれだけありがたいでしょうか。
夜行列車の廃止で、今後旅客会社の車両と要員は夜行列車が走らない前提で配置すると思いますが、震災時を考えて夜行列車運転のノウハウを継承、並びにそのための迂回ルート確保の必要性を改めて感じた次第です。
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