【絶滅危惧の東武鉄道古参列車の旅⑤ 最終回】さよなら350系特急きりふり号 | 湘南軽便鉄道のブログ

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その他、5インチゲージ自家用乗用鉄道「湘南軽便鉄道」についても掲載。路線は湘南本線(ベランダ線・路程約0.01km)があったが現在廃止。新たな庭園鉄道敷設の構想中。

(前回の続き、最終回)

(運転終了した350系特急きりふり号  @東武日光駅)






特急きりふり号運転終了、350系車両定期運行終了

東武鉄道は、2022年(令和4年)3月12日(土)ダイヤ改正で、350系特急きりふり号の運転を終了。
土休日のみ運転列車のため、実際は3月6日(日)がラストランとなった。

運転終了直前までの運用は次のとおり。(運転日は土休日のみ)
・春日部9時16分発→浅草9時52分着(特急きりふり82号)
・浅草10時38分発→東武日光12時39分着(特急きりふり281号)
・東武日光14時00分発→浅草16時05分着(特急きりふり284号)
・浅草16時39分発→新栃木17時58分着(特急きりふり283号)




東武日光駅

6番線から14時00分発の特急「きりふり284号」浅草行き(全車指定席)に乗車

中国語では「霧降号」と表記。日光国立公園の霧降高原が列車愛称名の由来。

ホーム側から見た東武日光駅舎



6番線に特急「きりふり号」入線

2022年(令和4年)3月12日(土)ダイヤ改正で廃止される特急「きりふり」。土休日だけ運転される列車のため実質には3月6日(日)がラストランになった。

特急きりふり号用の「350系」は、かつて東武伊勢崎線系統(浅草〜赤城)で活躍していた赤色塗装の急行「りょうもう号」用の1800系を改造した歴史ある車両。


《参考︰かつて活躍していた赤い1800系↓》


2018年(平成30年)5月に最後の一編成が引退した1800系。
これら1800系の一部は「300系」と「350系」に改造されたが、6両編成の300系は既に2017年(平成29年)に引退。最後まで残っていた4両編成の350系も、特急きりふり号運転終了により、この度定期運用から離脱。

ドア横の固定窓は、片側だけ戸袋を兼ねている。



巻回し




353F編成
上り先頭(浅草方)から、353-1(4号車)+353-2(3号車)+353-3(2号車)+353-4(1号車)。
1969年(昭和44年)日本車輌製造東京支店蕨工場で、急行「りょうもう」用の1800系として製造。1991年(平成3年)に急行「きりふり」「ゆのさと」用として350系4両編成に改造・改番。

乗務員室(運転室)後ろのデッキ


天井




特急「きりふり」の特急料金は、車内設備が他の特急車両より劣るため、急行時代の料金設定を踏襲しており他の特急列車より安い。


座席はリクライニング機能がない回転クロスシート。
肘掛けには灰皿があったが、禁煙化により現在は塞がれている。

清涼飲料水の自動販売機が残っているが、現在は販売廃止になった。

車両間の渡り板






乗降用扉は各車両1か所


屋根には分散式の旧式キノコ形クーラー機器をトウサイ

キノコ形クーラーは、かつて国鉄181系特急電車、485系初期形特急電車、80系特急気動車などでも見られた。







絵入りヘッドマーク

ヘッドマークには、霧降高原のニッコウキスゲの花が描かれている。


他にもいろいろなヘッドマークがある。











特急「きりふり284号」浅草行き、14時00分東武日光(とうぶにっこう)駅発車

乗務員室後ろのデッキ





東武日光駅を発車すると、すぐに車窓右側にJR日光線の日光駅が見える。

JRの日光駅舎は国際観光地らしい立派な建築だが、今では地元ローカル輸送のみで、優等列車は発着しない。


デッキと客室を隔てる扉



座席の窓下には、細長いテーブルが折り込まれており、これを引き出して使用することもできる。

この細長いテーブルは、本来は座席を4人掛け向かい合わせにした際に使用できるよう設置されている。


窓側席は、座席背面の折り畳み式テーブル又は窓下の細長い折り畳み式テーブル(本来は座席を向かい合わせ時用)のどちらか一方を使用できる。構造上、両方のテーブルを同時に使用することはできない。


座席背面には、折り畳み式テーブルドリンクホルダーがある。




特急「リバティけごん21号」東武日光行きとすれ違い。

500系特急車両


北関東をひた走る。日光連山がだんだん遠ざかる。






座席の足元にはフットレス(二面式)がある。




北関東から都心へ。

やがて前方に東京スカイツリーが見えてくる。





隅田川橋梁(166m)に差し掛かる。






アサヒビール本社屋とオブジェが見える。


隅田川を渡り終えるとすぐに終点の浅草駅

列車は半径100mの急カーブを左に曲がりながら浅草駅ホームへ。







16時05分、終点・浅草(あさくさ)駅到着

浅草駅ホーム先端は、右へ大きくカーブしており、列車とホームの間に大きな隙間ができる。


そのためホーム先端側は、列車のドア下に渡り板が架けられる。


浅草駅に到着した特急「きりふり」は一旦回送列車としてホームを離れた後、16時39分発の特急「きりふり283号」新栃木行きになる。


幕回し

「林間学校」の表記も残る。




車体を近くから見るとやはり老朽化が進んでいる。

浅草駅ホームには300系・350系の写真がたくさん飾られていた。





かつての急行りょうもう号用1800系の残党である350系もついに定期運用が無くなり、絶滅危惧車両に。

頭端式3面4線構造の浅草駅



浅草駅開業90周年

100系特急スペーシアが誕生前に活躍していた、1720系デラックスロマンスカー(DRC)特急「けごん」の懐かしい写真も飾られている。

350系は回送列車になり浅草駅を去っていく。


2022.3.12東武鉄道 特急きりふり号定期運転終了、350系定期運行終了



東武鉄道浅草駅から、東京メトロ銀座線浅草駅に向かう地下連絡通路の脇には、昭和時代から時間が止まったような「浅草地下商店街」

立喰いうどん・そば「文殊」

配管むき出しの天井。雨が降れば雨漏りもする。


こじんまりした小さな地下街にはディープな店舗が点在


1955年(昭和30年)、日本で3番目にできた地下街。今では現存する日本最古の地下街となった。


※2022年(令和4年)2月




(終わり)