山陽新幹線が開業から50年 | 鉄道とバスのブログ

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山陽新幹線が1972年3月15日に新大阪ㅡ岡山間で開業。今年で開業50年を迎えた。

概要

1975年3月10日に岡山ㅡ博多間の開業で全線開業。

全線開業は、当初の予定よりも3か月遅れとなった。開業以来、国鉄によって運営されていたが、1987年の分割民営化に伴い、以後の運営はJR西日本が継承している。ただし車両運用の都合上、この区間にはJR西日本所有車両のほか、東海道新幹線へ乗り入れる列車(一部の列車を除く)を中心にJR東海所有の車両でも運行されている。同様に九州新幹線へ乗り入れる列車を中心にJR九州所有の車両でも運行されている。

なお、山陽新幹線は、JR発足時に当時の運輸省に提出された事業基本計画では新大阪駅 - 博多駅間としているが、国鉄時代に制定された「線路名称」上では並行の在来線は無名枝線(1982年までは線増)という扱いで、新大阪駅 -新神戸間が東海道本線、新神戸駅 - 小倉間が山陽本線、小倉駅 - 博多駅間が鹿児島本線となっている。

国鉄分割民営化で鹿児島本線の在来線区間および山陽本線の下関-門司 間はJR九州に移管され、同社は1996年の運賃改定によりJR西日本と違う運賃体系を導入したため、小倉駅 - 博多駅間では運賃が新幹線1140円、在来線1290円(2014年4月1日改定時点)と異なることになった。新下関 - 小倉駅間でも同様の差異が生じる。乗車券購入時には予めどちらかの経路指定が必要となり、「新幹線は在来線の線増」という国鉄時代の取扱とは大きく変化した。2011年に九州新幹線と接続し、山陽新幹線との直通運転を開始した。


列車種別


のぞみ

山陽新幹線においては1993年3月8日に新設された最速達タイプの列車である。当初は1時間あたり1 - 2本程度の運転本数であった。2003年10月1日のダイヤ改正以降、「ひかり」に代わる東海道・山陽新幹線の主軸列車として位置付けられ、大幅に増発された。

山陽新幹線内では新神戸、岡山・広島・小倉には全列車が停車し、姫路・福山・新山口の3駅にはそれぞれ毎時1本、徳山には1日8往復がいずれかに選択停車する。原則的に、山陽新幹線内での選択停車駅は4駅のうち1駅で、2駅以上停車する列車が「さくら」または「ひかり」とされているが、早朝上りと夜間下りには「さくら」「ひかり」と同格の2駅選択停車の「のぞみ」も設定されている。逆に、上り1本のみ選択停車をしない列車もある。当初は岡山駅・広島駅・小倉駅が全列車停車、新神戸駅が一部列車停車であった。2003年10月1日のダイヤ改正で新神戸駅も全列車停車となり、東京駅 - 広島駅・博多駅間の「ひかり」の多くが「のぞみ」に変更され、同時に、姫路駅・福山駅・徳山駅・新山口駅も停車駅に追加された。2008年3月15日のダイヤ改正で西明石発東京行きの列車が1本設定された。

2015年6月20日時点 のダイヤでは、1時間あたり東京駅 - 博多駅間の定期列車が2本、東京駅 - 広島駅間の定期列車が1本の計3本運行されている。ただし新幹線は午前0時 - 6時は運行ができないので、朝・夜の列車はこれより短い区間で運行している。かつては朝・夜に山陽新幹線内のみ(新大阪駅 - 博多駅間)の「のぞみ」も運転されていたが、2011年3月12日に運行を開始した「みずほ」に置き換えられた。これ以降、定期列車はすべて東海道新幹線に直通する。

すべてN700系(16両編成・座席数1323席)で運行されている。また、2010年2月末まで、500系、2020年2月末まで700系も使用されていた。ダイヤが混乱した際に山陽新幹線内で完結する臨時の「のぞみ」を運転する場合には「ひかりレールスター」用の700系7000番台あるいは「みずほ」「さくら」用N700系7000・8000番台が充当される場合もある。

「みずほ」編集

山陽・九州新幹線の新大阪駅 - 鹿児島中央駅間を直通運転する最速達タイプの列車である。2011年(平成23年)3月12日の九州新幹線全線開業と同時に運行を開始した。現在は朝夕を中心に1日8往復運行されている。

山陽新幹線内では「のぞみ」と同じ最速達列車と位置付けられ、料金体系も「のぞみ」に準じている。山陽新幹線内では新神戸駅・岡山駅・広島駅・小倉駅・博多駅に全列車が停車し、一部列車は姫路駅・福山駅・新山口駅にも停車する。なお、一部の「のぞみ」が停車する徳山駅に停車する列車の設定はない。「みずほ」は全列車が九州新幹線に直通している。

全列車がN700系(8両編成)で運行されている。

「さくら」編集

山陽・九州新幹線の新大阪駅 - 鹿児島中央駅間を直通運転する列車である。山陽新幹線では速達タイプの列車としての役割を担う。

2011年(平成23年)3月12日の九州新幹線開業と同時に運行を開始した。「さくら」は山陽・九州新幹線を直通運転する列車としての役割を担い、山陽新幹線内の停車駅は「ひかりレールスター」を統合する形で運行を開始したため、山陽新幹線内では従来の「ひかりレールスター」の停車パターンを踏襲している。

山陽新幹線内は、新神戸駅・岡山駅・福山駅・広島駅・小倉駅には全列車が停車するほか、姫路駅・徳山駅・新山口駅・新下関のうち1 - 2駅に停車する。「みずほ」と同様に「さくら」も全列車が九州新幹線に直通している。

山陽新幹線で運行される「さくら」は全列車がN700系(8両編成)で運行されている。

「ひかり」編集

東海道新幹線開業時から存在する速達タイプ(一部各駅停車タイプ)の列車である。

当初は、朝晩の一部を除いたほとんどの列車が東海道新幹線に直通していた。国鉄分割民営化後は、山陽新幹線内相互発着の「ウエストひかり」の運行も開始され、後に「ひかりレールスター」に移行した。


ウエストひかり

山陽新幹線における「ひかり」は、かつては「速達型列車」・「一部駅通過型列車」・「各駅停車型列車」とさまざまな形態で運行され、山陽新幹線の開業当初から長らく東海道・山陽新幹線の主軸速達列車として運行されてきた。最速達種別である「のぞみ」が大幅に増発された2003年10月1日のダイヤ改正以降、東海道新幹線に直通する速達型列車の役割は「のぞみ」に移行した。2011年3月12日に九州新幹線に直通する「さくら」が運行を開始したことに伴って、山陽新幹線完結の速達型列車は「さくら」と統合され、現在は「のぞみ」「みずほ」「さくら」を補完する列車として運行されている。

東海道新幹線直通系統は、一部を除いてほとんどの列車が山陽新幹線内の各駅に停車し、主に新大阪駅 - 岡山駅間における「こだま」の補完的な列車として運行されている。過去のダイヤでは、早朝に三原発東京行きの列車、夜に東京発姫路行きとなる列車が存在した。これらはいずれも山陽新幹線内の各駅に停車していた。また三原発列車は2008年3月15日のダイヤ改正で登場したもので、新尾道と新倉敷に停車する数少ない「ひかり」であったが、2012年3月のダイヤ改正で始発駅が広島駅となった。このほか、朝の下りのみ新横浜発広島行き、名古屋発広島行きおよび名古屋発博多行きが各1本ずつ設定されており、こちらは山陽新幹線内では新神戸駅・姫路駅・岡山駅・福山駅の各駅と西明石駅・相生・新下関駅のうち1-2駅に停車する。

このほかに山陽新幹線で完結する「ひかり」も運行されており、このうち700系7000番台(8両E編成)を使用する列車は「ひかりレールスター」の愛称で運行されている。「ひかりレールスター」は国鉄の分割民営化後に運行を開始したウエストひかりを引き継ぐ形で、2000年3月に運行を開始した。



ひかりレールスター

東海道新幹線に直通する列車は、N700系(16両編成)が使用されている。かつては0系・100系・300系・700系(16両編成)も使用されていた。山陽新幹線内完結の列車5本は2本がN700系(16両編成)、3本が700系(8両編成)「ひかりレールスター」で運行されている。

かつては山陽新幹線の各駅に少なくとも数本の「ひかり」が停車していたが、1997年11月29日のダイヤ改正で停車駅が整理され、一部の駅が停車駅から外された。東海道新幹線に直通する「ひかり」は2003年10月1日のダイヤ改正以降「速達型列車」に相当する列車は運行されず、昼間時間帯では東京駅 - 岡山駅間の「ひかり」(山陽新幹線内は各駅停車)が1時間あたり1本運行されるのみとなった。広島駅 - 博多駅間では、この改正で東京駅直通の「ひかり」がなくなり、2009年3月14日の

のダイヤ改正で名古屋駅 - 博多駅間で運行されていた「ひかり」が広島駅発着になったため、すべて新大阪駅発着の「ひかりレールスターによる運行となった。

山陽新幹線内相互発着の「ひかりレールスター」も2011年3月12日のダイヤ改正で「さくら」が運行を開始したことに伴い、多くは「さくら」に置き換えられる形で削減された。その後もN700系7000番台(8両S編成)の増備が進むにつれて700系7000番台「ひかりレールスター」はN700系7000番台「ひかり」に置き換えられていった。2012年(平成24年)3月17日のダイヤ改正ではN700系7000番台増備完了に伴う「さくら」の更なる増発によって、「ひかりレールスター」としての定期列車は朝の博多発新大阪行き上り列車1本を残すのみとなり、山陽新幹線内相互発着の「ひかり」全体でも2往復にまで縮小された。


「こだま」編集

東海道新幹線開業時から存在する各駅停車タイプの列車で、全駅に停車する。

速達列車の増発・高速化の影響で停車駅での通過列車待避が多く、所要時間も長くなっており、2015年3月のダイヤ改正時点で、新大阪駅 - 博多駅間で4時間10分 - 5時間20分である。博多発10時台 - 14時台の新大阪行き「こだま」はいずれも岡山駅で24 - 33分間停車し、新大阪までの所要時間は5時間以上を要しているが、岡山駅で岡山始発山陽新幹線内各駅停車の「ひかり」と接続しており、これに乗り換えると各駅停車で山陽新幹線内全線を4時間40分で移動できるダイヤとなっている(参考までに、開業当初は現在よりも3駅少なく、全列車が4時間30分前後で新大阪駅 - 博多駅間で走行していた)。2006年3月18日以降、ダイヤ改正のたびに本数の削減が行われている。特に新大阪駅 - 岡山駅間は日中の「こだま」の設定がない時間帯があり、上述の東京駅 - 岡山駅間運転の「ひかり」が「こだま」の役割を担っている。

8両編成の700系・500系を中心に、早朝・深夜の列車ではごく僅かではあるが16両編成のN700系や8両編成のN700系が使用されている。かつては0系・100系・300系も運用されていたが、開業当初からあった0系での運用は、2008年(平成20年)11月30日で終了した。100系は4両編成の列車も博多駅 - 岡山駅間の限定運用で運行されていたが、4両編成は2011年3月12日のダイヤ改正をもって運用を終了し、6両編成もこの改正で岡山駅 - 新大阪駅間での運用が終了、2012年3月17日のダイヤ改正を前に100系は300系と共に全編成が運用を終了した。これによって「こだま」は全列車が8両・16両編成に統一された。

小倉駅 - 博多駅間や朝夕の一部の列車は全車自由席である。一部列車は在来線として扱われている博多南線に特急列車として直通運転している。



0系こだま


500系こだま




「つばめ」編集

九州新幹線内を各駅停車で運行している列車(山陽新幹線での「こだま」と同等)だが、2012年(平成24年)3月17日ダイヤ改正で上り2本(熊本発新下関行きと鹿児島中央発小倉行き各1本)が山陽新幹線に乗り入れた。山陽新幹線内でも各駅停車として運行され、車両はすべてN700系8両編成が使用されていた。翌2013年3月16日ダイヤ改正で九州区間内の発着に整理され、定期列車の山陽区間への乗り入れはなくなったが、2017年3月4日より、熊本発小倉行きつばめ306号1本が設定され九州島内であるが、直通が復活した。

九州新幹線へ直通運転の開始で関西から鹿児島へ朝に出発すると日帰りができるのようになり利便性が向上した。