2022.03.12
都営5500形のアクセス特急が運行開始。

都営5500形 5512編成
2022.3.8/新鎌ヶ谷
都営浅草線を始めとした四直各線では、2月26日にダイヤ改正を実施した。このダイヤ改正において都営車のアクセス特急が新規に設定され、5500形が京成成田スカイアクセス線を走り出した。
2010年7月ダイヤ改正で運行を開始したアクセス特急は、成田スカイアクセス線内で120km/h運転を行うことから使用する車両を京成車と京急車の一部に限定していた。都営車は5300形が120km/hで走れないばかりにこの運行系統から外されていたが、東京都交通局は5300形の後継となる5500形を120km/h運転に対応した車両として導入。2021年9月に全27編成が出揃ったことから、満を持して都営車もアクセス特急の運用に参戦することになったのである。
運用としては、平日では成田スカイアクセス線を終日走るものが2運用(03T、19T)、朝だけあるいは夜間だけ走るものが3運用(11T、33T、43T)設定されている。土休日は、終日1運用(03T)、夜間2運用(35T、43T)という具合。平日10往復分、土休日6往復分のアクセス特急が都営車の運用に置き換えられ、アクセス特急の勢力図が大きく変わった。ダイヤ改正前後でのアクセス特急の分担は次のとおり(単位:往復)。
- 平日:京成車22.5→17、都営車0→10、京急車4.5→0
- 土休日:京成車18→12、都営車0→6、京急車9→9
改めて数字を見てみると、都営車はこれまでアクセス特急に入れなくてすいませんでしたっっと言わんばかりの大量進出。特に、平日では京急車の運用が全て置き換えられており、京急車のアクセス特急が見られるのは土休日のみとなった。興味深いのは京成車の運用も喰っている点で、京成3050形・3100形に集中していた負担が都営車を介して軽減されている。
都営車のアクセス運用で面白いのは、成田空港までの往復で片道だけ成田スカイアクセス線経由、もう片道を京成本線経由で走るという運用が1日1往復分設定されている点。片道だけアクセス特急となるのは、平日843Tレ、土休日2043Tレ※(往路:成田スカイアクセス線経由、復路:京成本線経由、※宗吾車両基地で停泊)、平日1732Tレ、土休日1834Tレ(往路:京成本線経由、復路:成田スカイアクセス線経由)の4本。こうした運用は基本的にアクセス特急専用で使われている京成3050形・3100形にはできない芸当である。成田スカイアクセス線と京成本線の両方に乗入れる5500形ならではの動きだが、逆に言えば5500形を京成に上手いこと使われているともとれる。
なお、ダイヤ改正以降、5300形で唯一残る5320編成も引き続き(しぶとく?)走っているが、当然ながらアクセス特急には入らない。先に挙げたアクセス特急に関係する各運用は5500形に限定され、5300形はそれらを外した格好で運用されている。

都営5500形 行先表示「アクセス特急成田空港」
2022.3.1/**
行先表示などはデビュー時よりアクセス特急に対応済みであり、それを使用している。そしてなんと、5500形は京成線内における自動放送にも対応。アクセス特急運行時に限り、乗務員が携帯するタブレット端末1)によるものではなく、車両側に搭載された自動放送が使用されている。5500形、なんてできる子なの・・・!
【アクセス特急成田空港行】押上発車後
【アクセス特急成田空港行】京成高砂停車中
こちらもどうぞ:【走行音】都営5500形 京成高砂→成田空港(アクセス特急)【120/km運転】
- 1)当初のタブレット端末による自動放送にはアクセス特急にかかわる内容は収録されていなかったが、2021年春ごろよりアクセス特急にも対応するようになった。タブレット端末によるアクセス特急の自動放送は、主に自動放送装置を搭載していない京急車で使用されている。
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