【奈良支所】201系の疎開が急速で進行・おおさか東線では“逆転現象”も

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JR西日本では以前より、JR京都線・神戸線へ225系を新製投入し、221系を奈良地区へ転用する動きが続けられてきました。

2022年3月12日のダイヤ改正を前にして、201系の疎開が連日実施されており、準備が整えられています。

225系投入と玉突き転用

JR西日本では、2020年度から2023年度にかけて225系3次車を製造・JR京都線やJR神戸線系統へ投入し、221系の転用で奈良地区の201系を淘汰することを発表しており、2020年度・2021年度に108両の225系が落成して221系の投入準備が進められていました。

2022年3月のダイヤ改正では、開業以来おおさか東線の主力となっていた201系の運用を221系に代替することが発表されていました。

網干へ新製投入

225系144両

8両I編成
5編成40両

6両L編成
14編成84両

4両U編成
5編成20両

奈良 置換対象

201系6両
22編成132両

103系4両?
2編成8両

網干→奈良へ転用

221系合計136両

8両A編成
5編成40両

6両B編成
14編成84両

4両C編成
3編成12両

網干→京都→奈良へ玉突き転用

合計8両

223系4両2編成
網干→京都

221系4両2編成
京都→奈良

2020年度には8両・4両各5編成が投入されており、2021年3月のダイヤ改正では網干の221系のうち8両のA編成・4両のB編成が代替・6両のB編成が残るのみとされました。

これにより捻出された221系52両のほか、京都エリアへ223系4両編成2本を転出した玉突きで221系4両編成2本を確保し、8両・4両各5編成の221系を6両10編成に組み換えた上で奈良エリアへ転入しています。その後の2021年度の増備は6両のL編成に移行しており、捻出された221系についても転用のための仕様変更を受けつつ疎開する動きとなっていました。

急ピッチで進められる車両入替

2022年3月のダイヤ改正では、開業以来おおさか東線で運転されていた201系普通列車を全て221系に置き換えることが公表されています。

3月10日時点ではおおさか東線の運用には201系を使用している一方で、大和路線の201系運用については3月初めから221系の代走が本格化。1日1編成という極めて速いペースで疎開回送が設定されています。

代替対象の201系22編成のうち、1編成が2020年に余剰廃車(ND603編成)・部分的な代替で5編成が運用離脱(ND608,ND617-620編成)と6編成が代替済でした。

そして今回のダイヤ改正に関連する3月以降の動きでは、京都支所へ4編成(ND612,614,615,621編成)・宮原支所へ2編成(ND609,613編成)・森ノ宮支所へ1編成(ND616編成)・奈良支所王寺派出所へ1編成(ND610編成)実施されており、残されている車両は僅か8編成となりました。221系の代替状況を単純に考えれば、少なくともあと2編成程度は代替が可能な計算となります。

3月初めから運用入りした221系は大和路線の普通列車を代替しているものの、ダイヤ改正以降はおおさか東線の全普通列車に221系を充てるため、201系の残存車両は再び大和路線での運用に戻ることとなりそうです。

2021年3月に521系で代替した七尾線用の413系・415系の解体も吹田で引き受けているなど、解体ペースに対して廃車予定車両が溢れている印象も否めません。

過去の事例でははるばる西端の幡生まで回送して解体した事例があることから、一部の形式・編成はこの措置が採られるかもしれません。一方で、山陽エリアでも一部老朽車の廃車が想像されるため、当面の間は疎開で時間を稼ぐことがメインとなるようにも思えます。

直通快速は207系/321系の運用を維持

2022年3月のダイヤ改正では、おおさか東線で207系・321系を使用している「直通快速」4往復については4扉の両形式での運用が維持となりました。

この列車を振り返ると、2008年のおおさか東線の部分開業で運転を開始した列車で、JR東西線・片町線を経由して尼崎〜京橋・放出・久宝寺・王寺〜奈良と運転されていましたが、おおさか東線が全線開業となった2019年3月改正からおおさか東線経由で新大阪〜奈良間を結んでします。

直通快速の運転開始当初は宮原総合運転所(現在は網干総合車両所宮原支所)に所属している223系6000番台を使用していましたが、JR東西線の北新地駅に4扉専用のホームドアを設けるため207系・321系に持ち替えとなりました。

2019年の運転経路変更で新たに停車駅となったJR河内永和駅に4扉車用のホーム柵を設置していたため、同年の改正以降も使用車両は維持されました。今回の2022年3月改正で3扉車である221系の運用開始に向けて撤去されていますが、直通快速に限っては4扉車の運用が残ることとなります。

2022年3月改正以降は普通列車が転換クロスシート3扉・直通快速がロングシート4扉となることとなります。国鉄分割民営化以前から4扉車が通勤用・3扉車が近郊用であったことを考えると、この逆転現象は極めて特異な印象を受けます。

将来的にはおおさか東線のホームドア設置を進めるのであれば、何らかの方法で3扉車を投入する展開が想像されます。

本来の代替計画は不明ですが、少なくとも昨今の情勢で車両運用には余裕が生まれることが想像に難くないため、将来的には221系や223系への持ち替えが考えられます。一方で、更新後の駅案内が3扉・4扉双方の混在を意識したものとなっており、逆に将来的には4扉の207系・321系が普通運用に転用されるのでは?と推測する声もあります。201系から221系への代替で混雑悪化が懸念される路線だけに、今後が気になるところです。

減便による影響も?

今回のダイヤ改正では、朝ラッシュ時間帯の等間隔化による運転本数削減・閑散線区の大規模な運転本数削減が実施されます。

朝ラッシュ時間帯のJR京都線・神戸線の所要数は12両編成2運用程度と予想され、残されたB編成6本についても運用整理により前倒しで代替される可能性も否定できません。

一部のファンの間では2022年度投入分であったL9〜L14編成の発注は見送りまたは取りやめとなっているのではないか?という推測も聞かれます。これが事実であれば221系の転用=201系淘汰が前倒し・事実でない場合は余裕の生まれた網干の223系の一部が他路線に転出することが可能となり、既に223系が2021年3月から配置されている京都支所に転出・113系や117系の運用を削減する展開なども想像できます。

このほか、奈良エリアの221系自体も「柏原快速」と呼ばれていた朝ラッシュの奈良線の列車が減少するなどで運用減少があるため、103系2編成の代替が可能にも思えます。

そしてアーバンネットワーク全体では、2022年3月2日に京都支所の117系S3編成が吹田に回送されており、“廃車回送”されたとみられています。今回改正の大規模減便分でどの程度の廃車が発生するのかは不明ですが、特に減便の多い線区で動向が注目されます。

全貌は明らかになっていませんが、JR東日本のような検査周期延長・予備車増強が中心となるのか、それとも車両配置自体が見直しとなるのか……特にJR西日本は経年車両を多く抱え込んでいますので、今後の動向が気になるところです。

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