京王帝都電鉄御陵線 | 鉄道資料室

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これまでに収集した鉄道キップやパンフレット、地図などを紹介していきます。主に廃線関連の資料です。

 

新宿から天皇陵(多摩御陵)を結んだ幻の京王御陵線の開通記念乗車券です。

 

 御陵線開通記念乗車券

往復乗車券(大人) 御陵前~四谷新宿間 68銭

 

 京王高尾線開通記念乗車券(参考)

片道乗車券(大人) 新宿から20円区間ゆき

 

路線データ

  • 路線距離:6.3km(北野~多摩御陵前)
  • 軌間:1,372mm
  • 駅数:5駅(起終点駅含む)
  • 動力:電気

解説

 京王帝都電鉄御陵線は多摩御陵の参拝者輸送を目的として、1931年(昭和6年)に京王電気軌道により、北野~御陵前間が開通しました。新宿から直通運転され活況を呈しましたが、戦局の悪化に伴い、当局から不要不急路線に指定され、1945年(昭和20年)1月21日付けで休止されました。

 休止により、レール等の設備は撤去され、あたかも廃線跡のような状態を呈していましたが、1960年代に入り、京王帝都電鉄による宅地開発で住宅地へのアクセス路線として御陵線を復活する計画が持ち上がりました。さらには高尾山への登山客輸送を目的として、山田~高尾山口間が新設されることになり、御陵線の路盤を一部使用する形で、1967年(昭和42年)に高尾線が開業しました。しかしながら、高尾線に引き継がれなかった山田~御陵前間は1964年(昭和39年)11月26日付けで正式に廃止されました。

 現在も橋梁の跡が残っており、2016年(平成28年)9月放送のNHKのブラタモリ(#47 高尾山)でも廃線跡が紹介されました。

 

更新履歴

2022.3.9掲載