2022年1月10日(月・祝)
13時30分 難波駅
大阪の中心繁華街の難波と大阪府の南、和歌山県の和歌山市(一部は和歌山港まで運行)までを結ぶサザン。
難波から和歌山港を経てフェリーで四国の徳島県入りするルートが確率されていた頃は四国号という愛称で1985年まで運行されていました。
車両は7100系4両+10000系4両の8両編成。
南海では他にもラピート、こうや、りんかん、泉北ライナーと特急が設定されていて、これらは全車両全席指定なので、特急券が発券されるのに対し、サザンは7100系4両は普通運賃のみで乗ることのできる普通車に加えて10000系4両は座席指定車であり、特急券ではなく座席指定券が発券されることになります。
南海の難波は阪急の梅田(10面9線)に次いで日本では2番目に大きい櫛形ホーム(9面8線)を誇る巨大な駅なわけですが、櫛形だとどうしても先頭車両まではなかなかの距離を歩く必要があります。
難波に停車するサザンだと後ろ4両(5〜8号車)は普通車(7100系)で楽に車内に入ることができるのですが、座席指定車(10000系)の前4両(1〜4号車)まではとにかく歩かされることになります。
ホームの中間付近に2階部分に通ずる階段があり、2階からでも改札を行き来することができるので、難波からサザンの座席指定車に乗りたい場合は3階改札ではなく2階改札から向かうとかなり楽ですが、
滅多に乗る機会がないので、3階改札から入場して広大な櫛形ホームを眺めながら5番のりばへと向かいます。
乗降扉は折戸となっていて、
車内は2×2の座席が16列並んでいて、
南海の特急車両の座席番号の振り方は少し特殊で、他の鉄道会社だと1列目なら1A、1B、1C…と数字で列がわかるわけですが、
南海は1列目なら(窓1、2通路4、3窓)と通し番号を取っているので、16列目だと(窓61、62通路64、63窓)になります。
初めて乗車する場合は99%迷子になるはずですが確かヨーロッパの鉄道も通し番号だった覚えがあるので、ヨーロッパの鉄道に乗った気分を一瞬味わうことができます。
3号車の他に2号車も同じような設備でもともと10000系は2両編成で1985年以降に製造されたわけですが、4両編成とするために中間車(2号車と3号車)が増結された背景があり、もともとの1号車と4号車とは少し異なる仕様となっています。
例えばテーブルは折りたたみ式はおろか肘掛けからのミニテーブルもなく、窓側にわずかにせり出すテーブルがあるだけです。
その他に日除けとしてカーテンが付けられていて、
面白いのは左右のカーテンレールが少しだけ重なっているところで、左右の接続部まで太陽の日差しを100%遮ることができるように工夫がなされています。
2号車と3号車の間には座席指定車では唯一存在するトイレと洗面台があります。
近くには自動販売機が取り付けられていて、
さらにカーテンに閉ざされた謎のコーナーが設けられています。
これはかつては朝ラッシュの時間帯にのみ車内販売の営業を行ってた時期があり、新型コロナが蔓延し始めるだいぶ前から営業はしていない模様です。
座席指定券の料金は一律大人520円。
JR東日本の首都圏で走るグリーン料金は休日・50kmまでで580円、休日・51km以上で800円ですから、路線距離が64.2kmもある難波から和歌山市まで乗車すると、いかに安いかがわかるかと思います。
難波13時50分→和歌山市14時48分
サザン27号
途中の停車駅は新今宮・天下茶屋・堺・岸和田・泉佐野・尾崎・みさき公園・和歌山大学前(ふじと台)・和歌山市の9駅になります。
難波出発時点で3号車車内の乗客は5人で、新今宮でも2人ほど乗車してきました。3号車の中で最も早く下車するのはどこかと停車するたびに眺めていると、最も早い人で泉佐野で下車。
一つ手前の岸和田までは乗車時間が22分で済むことから短距離での利用は一律料金制を採っていることもあって、少なくとも休日の昼間だと使われない模様です。
ということで終点の和歌山市まで快適にのんびりと過ごすことができました。
南海本線は泉佐野を境に車窓がだいぶ変わっていくのが特徴で、泉佐野までは密集する住宅地の間を通り抜け、
泉佐野を出発して空港線と分かれると一気に田園風景が広がり、尾崎を出発して鳥取ノ荘を過ぎると、一瞬だけ広がる海を眺めつつ、みさき公園を出発してからは峠越えを経て和歌山県に入ると、あっという間に終点の和歌山市に到着。
決して豪華とはいえないリクライニングシートながら都会から海、山間部へ移りゆく景色の変化を楽しめるので、またサザンでの南海本線乗り通しはしてみたいところです。