【さよなら栄光のロマンスカーVSE③】箱根登山鉄道を行くVSE展望席の旅 | 湘南軽便鉄道のブログ

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その他、5インチゲージ自家用乗用鉄道「湘南軽便鉄道」についても掲載。路線は湘南本線(ベランダ線・路程約0.01km)があったが現在廃止。新たな庭園鉄道敷設の構想中。

(前回記事の続き)

(小田急ロマンスカーVSE  @箱根登山鉄道 箱根湯本駅)



★動画↓↓
【さよなら栄光のロマンスカーVSE①】小田急を代表する伝統のロマンスカーVSE


【さよなら栄光のロマンスカーVSE②】ロマンスカーで新宿から箱根へ





2022年(令和4年)3月定期運行終了
小田急電鉄の7代目ロマンスカー50000形(VSE)車両
日本車両製造で造られ、10両連接の固定編成2編成が2005年(平成17年)3月にデビュー。
展望席の設置、補助警報音(ミュージックホーン)、短い車体に連接台車など、かつての小田急ロマンスカーの伝統を受継ぎながら、車体色は白を貴重にオレンジの帯を纏うモダンなスタイルになり、車内は、カフェのシートサービス、サルーン席(準個室)を設けるなど、箱根観光専用特急として約17年間にわたり活躍。

しかし、2編成だけのVSE車は、経年劣化や特殊な車両構造ゆえ主要機器更新が困難であることなどの理由により、2022年(令和4年)3月11日(金)を最後に定期運行終了。
その後は臨時イベント列車等で運行を継続した後、2023年(令和5年)秋頃に完全引退予定。



箱根湯本駅のロマンスカー「VSE」
特急「はこね51号」は午前8時50分 箱根湯本駅到着。
折返し9時10分発の特急「はこね6号」新宿行きへ。

10両固定編成の連接車のロマンスカーVSE車は、ホームいっぱいに停車

隣には小田急1000形・各駅停車小田原行きが発車待ち

ロマンスカーの車掌室は両先頭車の連結部側にある。


片開きのプラグドア

箱根湯本駅は箱根登山鉄道の駅であるが、1番線と2番線は狭軌の小田急車専用ホームで強羅方面は行き止まり。1番線は小田急ロマンスカー乗り場、2番線は小田急一般車による箱根湯本〜小田原間の各駅停車乗り場。箱根登山鉄道の強羅方面乗り場は3番線・4番線(予備)。

シングルアーム式のパンタグラフのロマンスカーVSE

箱根湯本駅では、朝はロマンスカーは折返しまで約20分間あるが、日中のロマンスカーは約10分間しか折返し時間がない。いずれにしても短時間で車内清掃などの折返し作業をこなす。

ロマンスカーVSE車は、床下機器まで白いカバーに覆われている。


車体側面には形式名と愛称のロゴと、引退記念装飾を掲出



かつてカフェカウンターがあった8号車


連結部

電動連接台車。空気ばねの位置は通常の鉄道車両より約1m高い。


連接台車の車高制御装置


ロングガラス窓・連接車など、特殊な構造の車体で保守困難なため、活躍期間は約17年と短かった。






車体カラーは、シルキーホワイトを基調に特急ロマンスカーが継承してきたバーミリオン・オレンジの帯。10両固定の連接車は、先頭車は車体長17.8m、中間車は車体長13.4mと普通のボギー車了解より短く、20m車に換算すると7両分になる。


3号車と8号車は屋根上にシングルアーム式のパンタグラフなどを装備。機器類は屋根上ではなく床下に設置しており、屋根上はすっきりしている。










1号車の車掌室扉

箱根登山鉄道の箱根湯本駅まで乗り入れる小田急電鉄の特急ロマンスカー


箱根湯本駅1番線は頭端式ホーム


展望席後の乗降扉は通常は締切扱い


流線形の先頭車。運転台は2階にあるがとても狭い。

展望席のある両先頭車

先頭部には台枠下部覆い(スカート)を設置するとともに、全車両の車体下には、騒音低減のため床下カバーを設置。



先頭車にも小さな引退記念装飾


現在、展望席が設置されているロマンスカーは2種類のみ。この50000形(VSE)2編成の他は、70000形(GSE)2編成があるが、今回VSE車が引退すると、展望席のあるロマンスカーは、70000形(GSE)2編成のみになる。

かつては小田急ロマンスカーといえば展望席付きだったが、今では展望席付きロマンスカーは少数派

箱根湯本駅改札前に展示されている箱根登山鉄道オリジナルグッズの数々

箱根湯本駅構内。右側は小田急ロマンスカーが発着する1番線(線路は狭軌)。左側は強羅方面の登山電車が発着する3番線(標準軌)。3番線の奥には、小田原方面の小田急車各駅停車が発着する2番線(狭軌)があるが、2番線と3番線の間はコンクリートで隔てられている。
ちなみに、左奥には登山電車の予備ホームの4番線(標準軌)がある。

 

午前9時11分発、箱根湯本始発・強羅行き登山電車

登山電車の出発信号機。奥には構内踏切で繋がる4番線ホーム(予備の降車ホーム)がある。

かつての登山電車は、小田原駅を発着する列車もあり、小田原・箱根湯本間は三線軌条であった。
しかし登山電車の小型車両は輸送力が小さいこともあり、現在は小田原・箱根湯本間の列車は、全て箱根登山鉄道の親会社である小田急電鉄の大型車両で運行される。






午前9時10分発、特急「はこね6号」新宿行き






上り新宿行きロマンスカーVSE車の最後尾1号車に乗車



最後尾の「後展望席」






後展望席から、車内を振り返る。

展望席の天井裏には運転席があるため、他より天井が低い。


最後尾の予約席に着席


最前席のテーブルは前方カウンターに収納されている。

テーブルを引き出した状態




午前9時10分、小田急ロマンスカー50000形(VSE)、特急「はこね6号」新宿行き、箱根湯本駅を発車

箱根湯本駅改札を出た駅構内2階にある「箱根カフェ」と店内の登山電車の大型模型が見える。




箱根湯本駅〜小田原間は、最急勾配40 ‰(パーミル)、急曲線は半径160 m程度で、箱根登山鉄道線の中では緩やかな「平坦線」と称し、大型の小田急車両が走る区間。この区間は集落が連なる。

小田急車が使う狭軌と登山電車が使う標準軌の線路が合流。三線軌条区間に入る。

箱根湯本の駅と街が後ろに遠ざかる。


標高96mの箱根湯本駅から標高14mの小田原駅間6.1kmはゆっくり走行

国道1号線と併走する。正月には箱根駅伝ルートになる区間。


箱根湯本駅から入生田駅まで38.4‰から40‰の下り急勾配が約1km連続する。


入生田(いりゅうだ)駅を通過

箱根登山鉄道線内は単線のため各駅で列車交換

各駅停車 箱根湯本行きと行き違い

標高54mの入生田駅



三線軌条区間はここ入生田検車区まで。この検車区に入出場する登山電車(標準軌)が箱根湯本・入生田間を走行するため、この区間は三線軌条になっている。


右側は入生田検車区への線路

入生田検車区に入出場する登山電車(標準軌)の両回送のための三線軌条はここで終わり。
ここから先小田原まで、かつては三線軌条区間だったが、現在は狭軌の小田急車両だけしか走行しないため軌道は狭軌。

入生田駅から風祭駅までは最大28.5‰の下り勾配を行く。


風祭(かざまつり)駅を通過



最新型の小田急ロマンスカー70000形(GSE)特急「はこね3号」箱根湯本行きと行き違い

小田急ロマンスカー70000形(GSE)は、2018年(平成30年)にデビューした小田急電鉄で最新のロマンスカーで2編成在籍している。20m級車体の7両固定編成のボギー台車の車両で展望席付き。

乗車中の50000形(VSE)車全車(2編成)が引退すると、展望席付きロマンスカーは、70000形(GSE)車2編成のみとなる。




 
展望席付きロマンスカーGSE


標高36 mの風祭駅



33.3‰の上り勾配から40 ‰の下り勾配へ。アップダウンが続く。

小田原厚木道路の高架の向こうに箱根の山々が連なる。


箱根連山のひとつ、二子山を望む。

二子山

国道1号線を跨ぐ鉄橋








標高16 mの箱根板橋(はこねいたばし)駅を通過

ここでも各駅停車箱根湯本行きと行き違い


箱根板橋駅を過ぎすぐにJR東海道新幹線の高架をくぐり、左へ大きくカーブ(後方展望)

20 ‰の勾配を下り、左へ急カーブ(後方展望)し、箱根の山間部を抜け、足柄平野へ。
 
半径160 mの急カーブだが、車長が短く連接車のロマンスカーVSE車はスムーズにカーブを通過

急カーブを曲がり終え、JR東海道本線と合流


ロマンスカーは小田原市街に入る。


小峰隧道




後方に小田原城を望み小田原駅へ。

複雑なポイントを渡る。





午前9時23分、小田原(おだわら)駅到着

小田原駅では9時23分から9時28分まで5分間停車

標高14 mの小田原駅。左隣はJR東海道新幹線の小田原駅





★動画↓↓


(続く)