1956年(昭和31年)に廃止された「旭川市街軌道」の乗車券です。
昭和十七年奉賛 北海道護国神社祭典御遺族参拝記念とあります。
券片は御遺族参拝優待乗車券となっており、運賃の記載もありません。
発行時期は第二次大戦中ですので、おそらく戦死者の遺族に対して無料配布された乗車券かと思われます。
[路線データ]
- 路線距離:12.2km
- 四条線:2.4km
- 一条線:3.1km
- 近文線:6.7km
- 停留所数:25
- 軌間:1067mm
- 全線廃止年月日:1956年(昭和31年)6月8日
[解説]
旭川市内には路面電車を経営する会社が2つあり、旭川市街軌道はその一つになります。
旭川市街軌道は、1929年(昭和4年)に開業しました。
戦前、旭川市は軍都として栄え、同社の輸送需要は好調に推移していました。戦後も沿線に住宅や公共施設が整備されたことから、旅客需要が比較的高くありましたが、設備の老朽化で営業費が増大したことにより経営を圧迫したため、旭川電気軌道より一足早く、1956年(昭和31)6月9日に全線廃止されました。
軌道線廃止後はバス会社となり、「旭川バス」と社名が変わりましたが、営業不振のため、1968年(昭和43)に旭川電気軌道へ吸収合併され、会社は消滅しました。
[更新履歴]
2022.2.27掲載(旧ブログ再編集)