宮脇俊三さんが「時刻表2万キロ」で衝撃的に鉄道趣味界に現れてから、今年で44年。
鉄道ファンの方は、現在もJRに対する関心が高いと思いますが、宮脇さんは「時刻表2万キロ」で国鉄の面白さを語っていました。
「…列車ダイヤの面白さが格段に違うからである。まず規模が大きい。列車の種類が多い。それが抜きつ抜かれつするからダイヤは複雑多彩になる。夜行列車があり(中略)、車両運用も列車ダイヤと同様にややこしい。(中略)かようなことは私鉄にはない。」
(右)1レ 特急客 さくら EF66 53[関]+14系客車[熊クマ+東シナ]
(左)1689S 113系15連[東フナ]
1991.5.25 戸塚
宮脇さんが没後19年、夜行列車は「サンライズ」を残すのみ。
整備新幹線の延伸で、JR在来線は寂しいことになっています。
JRのダイヤ改正も、最近は各社管内の施策の集積で、華やかな話題はありません。
「全国規模の増発」など、今や宮脇さんが語った「面白さ」を体現しているのは、貨物列車でしょう。
もっとも、宮脇さんは貨物時刻表に興味は示さなかったでしょうが…
(奥)高速C 1153レ EF210-9[岡]+コキ車
(手前)高速B 3093レ EF210-121[新]+タキ車
2022.2.15 鶴見
最近は鉄道タレントの方を多数見かけますが、宮脇さんが没後、鉄道の著作で魅了する作家さんは現れません。
宮脇さんの、推敲を重ねて抑えた筆致は真似出来ませんが、鉄道界が魅力を失っている証ではないことを願います。