2021/12/14 その1 芸備線を「etSETOra」が走る 上り列車編 | 金屋代かずおのお部屋

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周防大島町を拠点に鉄道旅行・鉄道もけいの活動を行っています.

(etSETOraが芸備線に入線)

 

久しぶりの旅行記記事となります.本日から2記事で,「たびまちゲート広島」が企画し,12/14(および12/16)に実施された「貸切!観光列車『etSETOra』で行く三次・安芸高田 日帰りの旅」をレポートします.これまで「瀬戸内マリンビュー@芸備線」「〇〇のはなし@芸備線・岩徳線」など,観光列車の他線区運転ツアーを企画した「ひろでん中国新聞旅行・ちゅーぴーツアー」の流れをくむ「たびまちゲート広島」による,初の「etSETOra」の他線区運転となります.このツアーには補助金が出ており,後述のかなり充実した内容であるにもかかわらず価格は9,800円でした,10/29の受付開始して程なく満席となったようです.この手の列車が企画された場合は筆者としては極力乗車したいと考えており,平日ではありますが筆者もスケジュールを調整して申込・参加しました.なお,このツアーはいわゆる「ワクチン・検査パッケージ」が適用されており,参加には接種済みの接種券または検査結果(画像で可)が必要です.

まずは広島駅に行かなければなりません.快速「通勤ライナー」に乗車します.

「シティライナー」と異なり,「通勤ライナー」は宮島口で緩急接続があります.通勤時間帯ですので当然ですがそれ相当の利用があります.

広島駅で受付・入場後,8番のりばにやってきたのは普通の列車,

ではなく,三次側にキロ47 7001・7002を連結した4両編成でした.

一部区間で廃止議論がある芸備線ですが,広島口は通勤通学路線であり,この時間帯に臨時列車を割り込ませる余地がありません.従って,下深川までは3812Dに併結して運行します.この辺りも以前の運転と同様です.

8:39,関係者のみなさまに見送られて出発します.

通常の「etSETOra」とかなり異なる光景を走ります.

下深川までは各駅に停車し,列車の後ろ側で通常のお客様の乗降があります.従ってキロ47型もドアが開きますが,当然ですがキロ47型に一般のお客様は乗車できません.誤乗対策のためにスタッフが同乗していました.

安芸矢口駅はホームが拡幅中です.いかにこの線区の利用が多いかを物語ます.

今回は車両の貸切であるためバーカウンターは営業しません.なお,本来の「etSETOra」での下り列車のバーカウンター営業は呉駅までとなっています.呉→広島は「飲み会列車」的利用も考えられますが,そのような場合は呉駅直結の「ゆめタウン呉」などで用意することになります.

さて,下深川駅に到着しました.

ここで車両を切り離します.

芸備線の三次〜広島にも,車両基地への送り込みの関係でキハ120型が使用されます.

切り離しが完了,キハ120型の列車と「交換」して発車します.

車内ではお菓子が配布されていました.

列車は太田川を沿って上っていきます.雲が多いですが日差しは強く良い写真が撮れたのではないかと思います.

途中の駅で列車交換がありますが,向原駅は通過となります.また,甲立駅は構内が広いのが目につきますが,実は下り列車はここからの乗車です.

三次駅で三江線と合流します.廃止後もここまで来たら写真を撮ってしまいます.

三次駅に到着しました.

なんと,「カープラッピング気動車」も並んでいました.かなり印象に残る演出となりました.ありがとうございました.

ここから先は三次・安芸高田の観光スポットを貸切(観光)バスで回ることになります.いずれも見所がある場所であり,次回の記事で紹介しようと思います.

(「【ニュース】JR西日本」などを書く必要がある場合は延期になり得ます)

なお,このツアーは2022/3/8・3/11にも予定されていますが,2/15現在「たびまちゲート広島」主催の,2/20まで出発のツアーは全て中止となっており,実際に実施されるかどうかは予断を許しません.

 

続きはこちらです.2/18に追加しました.

 

 

また,動画も用意しております.

 

 

ところで

立ち入り禁止区域での撮影,スピード違反・駐車違反などを伴うなどの危険撮影行為は,観光列車の他線区運転に対するJR西日本様のご好意とたびまちゲート広島様のご努力を,一切対価を払わずに無碍にする極めて悪質な行為です.興味があってカメラを向けている皆様がこのような行為を行うはずでないと信じますが,これではこのような運行が継続できなくなってしまいます.特に今回は通学・通勤時間帯に人口が多い広島市内を通過したためなおさらと言えます.

 

NHKの2/14報道によると,JR西日本が示した「輸送密度(平均通過人員)2,000以下の路線を見直す」基準には全国の鉄道路線の57%が該当するとのことで,実は芸備線は「広島〜下深川」以外の路線が該当します.三次も例外ではありません[1].利用者としては今回のような利用策を積極的に活用する,仮に「青春18きっぷ」などを使用する場合でも,目的地となる線区を利用する際には正規運賃を現地で・現金で支払うなど「払って残そうローカル線」なる工夫が必要です.実は筆者としても「大糸線」「越美北線」には正規運賃を払っておらずまだまだ修行が足りない次第です.鉄道の維持には趣味観点でもお金が非常にかかるものです.

 

[1]:

https://www.westjr.co.jp/company/info/issue/data/pdf/data2021_08.pdf