冒頭の写真は以前の記事からの転載です。

冒頭の写真は、沖縄都市モノレール(ゆいレール)の1000形。ゆいレールの車両は全てこれで、平成15(2003)年8月の開業に際して12編成が導入、その後平成21(2009)年に輸送力増強として1編成、さらに平成28年度から翌年度にかけててだこ浦西延伸用に7編成を増備、現在では19編成が稼働しています。なお、編成はいずれも2連となっています。

 

1000形の特徴は、窓が大きくとられていて、その分座席の背ずりが低く抑えられていること。そしてその低く抑えられた背ずりも、着席区分を暗示するかのように一部が凸方になっていることです。

 

ユニークな座席の形状

 

ただし、このユニークな座席の形状も、増備車(第14編成以降)では窓高さを変更し、背ずりの高さを均一にしており、この形状は初期の13編成のみにみられるものとなっています。

そして特徴的なのが、座席背面と窓との間の隙間。

 

荷物置き場?

 

10㎝くらいの隙間があるのですよ。恐らく採光を考慮したものだと思われますが、増備車(第14編成以降)はこの隙間をなくし、それによって通路幅を18cm拡幅できたそうです。

 

そして正面には、運転台を向いた座席が据え付けられ、展望席として人気の席となっています。

 

前面展望が味わえる

 

ただし、この座席の横部分には窓がありません。これは恐らく、ここに窓を作ろうとすると戸袋窓にならざるを得ないので、それを嫌ってここに窓を設けなかったのでしょう。

 

そして扉の上部には、現在の鉄道車両の必須アイテムとなった車内案内表示装置が。

 

これは「パッとビジョン」か?(以前の記事から転載)

 

現在の主流である16:9のTV型のLCDディスプレイではなく、ドア上の鴨居部に収まるくらいの高さのディスプレイとなっています。これは恐らく、小糸製作所の「パッとビジョン」でしょう。このディスプレイを搭載した普通鉄道の車両もあります(東武10030系、東京メトロ8000系など)。

 

1000形は来年で就役満20周年を迎えますが、老朽取替えなどの声は聞こえてきません。アルミニウム車体を採用していて塩害対策が万全であることと、走行キロ数が多くなく運用が過酷ではないことも寄与しているのでしょう。3連化という話もありましたが、コロナ禍に伴う観光客の激減もあって、実現可能性は今のところ不透明です。

しばらくは2連×19本の陣容での活躍が続くのでしょう。