(その4からの続き)
-白坂(11:46発)-
東北本線の旧線跡を歩きつつ、秘境の雰囲気漂う豊原駅に立ち寄りました。
次の集落にさしかかりました。
先へ続いているのはこの道ですが、
元が線路跡だけに、家の玄関がこちら側を向いていない家が多かったです。
線路切り替えが実施されたのは1920年のこと。
それでも民家がこちら側を向いていないということは、
集落の家々はそれ以前から存在したということでしょうか。
そして、この集落の端に旧線時代の豊原駅が存在したようです。
1920年に2km近く離れた現在位置に移転したそうです。
…これじゃ、廃止・新設といってもおかしくない。
近々宗谷本線に開業する名寄高校前駅は廃止・新設だと思うんだ、うん。
ともかく、かつてはこの集落が駅前集落だったはずですが、
100年以上の年月が経ったせいか、そんな雰囲気は感じられませんでした。
そのまま進むと、用水路が見えてきました。
恐らく正面の「橋」が栃木県と福島県の県境です。
境界線が引かれてないですし、
境界標識もないのであんまり実感が湧きませんが…。
ここまで進めば、完全に福島県です。
正面に立派な鉄橋が現れました。
東北本線の黒川橋梁です。
1920年の線路付け替え時に敷設されたものです。
有名な鉄道写真スポットにもなっているそうですよ。
ちなみに奥のガーター橋は、
1964年に複線化したときのものかと。
いったん線路跡の道から外れて、
谷間の小道を歩いてみました。
再び線路跡の道に合流しました。
道は緩やかな登り坂です。
地図で見ると緩やかなカーブを切っていて、線路跡らしい区間。
実際に歩くと、あまりそんな感じがしないのですが。
そのまま進むと、踏切が見えてきました。
ちょっとわかりにくいですが、線路は単線です。
え?
東北本線は複線じゃないかって??
実はこのあたりでは、上下線が少し離れています。
まずは下り線の踏切を通過。
5分ほど歩いて、上り線の踏切を通過。
今歩いている道は旧線の線路跡ですから、
1920年の切り替え時には線路が平面交差していたことになるような…。
切り替え時に一気に線路を敷いたのかな?
線路を跨いでしばらく進むと、今度は緩やかな下り坂。
歩いた時も妙に滑らかなカーブを切ってると思いましたが、
この道も引き続き旧線跡だったみたいですね。
このあたりは道路に面して民家が建っています。
線路切り替え後に建てられた民家なんでしょうね。
道なりに進むと、住宅地にさしかかりました。
白坂駅はもう目の前です。
福島県最初の駅・白坂(しらさか)駅に到着しました。
駅舎と跨線橋がしっかり繋がっているところが雪深い所にある駅らしい…。
ホームは2面2線の変則相対式です。
あれ?白線が2つあるよ…。
分かれていた上下線は駅のすぐ手前で合流します。
元々白坂駅は、外側に通過線(本線)を有する1面4線だったそうです。
副本線を廃止した際に上り線外側にホームを新設したうえで、
下り線は既存ホームを拡張したそうです。
一つ前の写真に写ってた2つの白線は
ホーム拡張前の白線と現在の白線というわけです。
(その6へ続く)
豊原駅先から白坂駅手前までのGPSログ(1/30,000)です。