<そんな時代もあったねと かぶるな >
つるべ落とし
前回私のブログでは珍しく登場しなかったものがありました。
三島、沼津、共に接続が良すぎてせっかく富士山を間近で眺められるというのに。
ええい、正月用に持ってきたやつやっちゃうか。
でもさすがにロングシートでラッパはなー。
と、思案していたら御殿場駅で10分停車。
ラッキー。
御神酒を差し上げたら富士山もチョコッと頭を見せてくれましたが、時すでに遅し。列車は富士山に背を向けてしまいました。
また、風景、列車の走りも変わりました。
御殿場駅は御殿場線の頂点。駿河湾と相模湾の分水界でもあります。なのでそれまでの登り勾配から下り勾配に変わり、寄り添うはやがて酒匂川となる鮎沢川。この後はほぼこの川と一緒に進みます。
向きを東に変えて東名高速を潜る辺りから景色は平坦より谷筋に。そして降る降る。
御殿場駅手前と同じ25‰のはずなんだけど、上り坂ではさほどとは感じられなかったのになんで下り坂の方が勾配を強く感じるのでしょう。
7分ほどで足柄駅。
小田急にも足柄駅があってややこしく、は無いな。なんせ箱根山の向こう側だもの。
ちなみに所在地は静岡県小山町。栃木には小山市がありますがもちろん間違う人はいないよなー。
さてこの足柄駅ですが、先ほどまでの高原の雰囲気はみじんも無くて谷底駅。足柄峠を越えるいわゆる矢倉沢往還の続きの足柄街道こと静岡神奈川県道78号線と交差します。(明治期までは今のルートと違います)
またここでは元祖国道246号線も分岐します。
今でこそこの辺りは国道246号線とその旧道たる県道394号線、東名高速2本、県道149号線と賑やかですが、昔は鮎沢川沿いの古道1本しか無かったみたい。
その貴重なふたつの道が分かれる所でなおかつ竹ノ下宿があったから御殿場線はこのルートを採ったのかな。だって御殿場駅からはちょっと迂回するようなルートになってる。なんで馬伏川沿いに真直ぐにしなかったのかなー。
と、地図をよく見たらそちらは棚田が有名なほどの急勾配になっているみたい。
なのでこちらのルートなんでしょうね。
それにしても川が多いなー。
もしかして源はみんな富士山の湧水?
だからでしょうか。鮎沢川の水はとても綺麗です。
足柄駅を出たあたりで見えた富士山は見慣れて形になっていましたが、
それも迫る山に隠されて見えるは川と道路ばかりになりました。
橋も多いです。
駿河小山駅前には屋根付きの橋?
酒匂川と名前が変わった谷峨駅前にあるつり橋は主塔か一つ?
しかも勾配付き
てな感じで風景&降り勾配を楽しんで山北駅。
御殿場から20Km程で350mも降って来ました。
東海道本線時代に勾配補機が必要だったのもうなづける。
またスイッチバックが必要だったのもうなづける。
御殿場線は開業当初駅が少なくて、列車本数を増やすために駅間に信号場を設けました。
なので元々の駅は水平に作られたのに、後から追加されたものは勾配途中になってしまってスイッチバックが必要だったのですね。
各駅間距離、標高、開業年を示すとこんな感じ
山北駅はその勾配対策総本山。キャッチサイディングもあったとか。
あ、キャッチサイディングというのはブレーキが効かずに勾配を暴走してきた列車を止める為の引き込み線みたいなものですね。
同じようなものがいろは坂にもあってそちらは「緊急退避所」と呼ばれています。
山北を出ると開けて来ました。
小田急を越える頃にはすっかり夕方。
二子山の向こうには御殿場からの勾配のごとくの勢いで日は落ちて
降って来た道の先に見える富士山も小さくなり
東海道本線を乗り越える高架から青さを失った海を見下ろすと終点国府津に到着です。
で、36年ぶりに御殿場線に乗ってみて一番に思った事は、
「夏に足柄駅あたりの川べりで水遊びをしながら富士山と御殿場線を眺めつつ肉でも焼きながら一杯やりたいな」なのでした~。
って、やっぱり鉄道でも富士山でも無くてそっちかい!!
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