JR九州キハ47・147形 「はやとの風」仕様車 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

JR九州では、現在「デザイン&ストーリー列車」というコンセプトを設け、車両の新造や改造を行う際、それぞれストーリー性を持つデザインを取り入れ、観光列車に導入するという企業理念というか売り文句をつけて列車を走らせています。
 
JR九州発足後より、かつて走っていた「オランダ村特急」や現在も走行中の「ゆふいんの森」など、観光色の強い列車は昔から走らせて来ましたが、この「デザイン&ストーリー列車」という売り文句を作るきっかけとなったのが、この特急「はやとの風」として使用されるキハ47形とキハ147形です。
 
文字多めのデザイン、やはりミトーカデザインによるものですね。
 
「いさぶろう・しんぺい」と共に。形式を見て分かる通り、元々は普通列車用車両であり、それを特急用として使用する根性が既に(略)ですが、 かつて普通列車用の車両のまま「急行でござい」とのたまった列車もありましたし、しっかりそれらしく改造をしているのでJR九州としてはどうでもよかったのでしょうね(^^;; 
 
号車表示には形式名も記載されています。キハ47の方は、後に増備された車両ですね。
 
サボにもロゴが入っています。
 
なお、どちらか1両が検査入場した際は、「指宿のたまて箱」仕様のキハ140 2066を連結して走行します。ちなみに、キハ140 2066は元々「はやとの風」仕様であり、後にキハ47形1両を追加改造したため、共通予備車となっています。肥薩線が自然災害により被災し「はやとの風」が運休となっていますが、正式に廃止が決定しました。そのため「はやとの風」としては残念ながら姿を消しますが、車両自体は今後長崎方面の観光列車に転用されるとのことです。


車内、こちらは自由席として使用されるキハ147-1045です。普通列車時代からは大変貌を遂げており、ミトーカデザインとしては最近よく見かける木を多用したものとなっています。

ドアです。赤い塗りドアは九州ではお馴染みですね。しかし形式はキハ147、両開きドアな上にデッキも無し。これで特急とは・・。D&S列車なので、セオリーなどは二の次でも大丈夫と考えたのでしょうね。気動車お決まりのステップもそのまま残っています。
 


車端部です。ドアは車体中央寄りに配置されているため、奥行きが広くなっています。


最前面です。国鉄テイスト全開の仕切り窓の小ささは健在です。化粧板は木目調となっています。
 
天井です。普通列車時代は巨大な装置で冷房化していたと思うのですが、スッキリしたラインフロー式のものになっています。ミトーカデザイン、この辺りはかなりキッチリと工事しています。照明は丸いカバーをかけた蛍光灯で、旧型客車をイメージさせますね。
 
座席です。紛いなりにも特急料金を徴収する列車ですので、リクライニングシートとなっています。フレーム自体は885系と同じものを使用しており、センターアームレストから引き出すインアームテーブルやサイドアームレストなどにその片鱗を見ることが出来ると思われます。背ズリは800系新幹線由来でしょうか。

座り心地ですが・・見てからに「絶品!!」だなんて言えないですよね(^^;; 背ズリは木の板に腰部分と頭部分にクッションを当てたのみであり、腰部分のクッションに関してはフレームが入っているのか上部がやたらと硬くなっており、それが背骨をモロに直撃します。オマケに「肥薩線」と言う、決して恵まれていないローカル軌道である上に乗り心地度外視のコイルばね台車と来たものですから、車内の揺れはそれはもう大したものでした。車内での安息なんぞ求めてはいけません、豊かな車窓を楽しみましょう。
 


なお窓枠はいじられていないため、このように眺望もへったくれもない修行席も「数多く」存在します。そうでなくてもこの席の前列は窓が半分ほどですし、逆に後列は窓を丸々独り占め出来る大アタリ席となっています。早く並んで自分の好みの列を陣取りましょう。

ドア横には木製の腰掛があります。臥薪嘗胆ですかって(^^;;
 


乗務員室直後にはロングシートが設置されています。車販カーとの転回用に設定された場所だとは思います。混雑時は自由席難民の巣窟となりそうですが、背ズリは木、座面は薄いクッションですのであまりおススメしません。早く並びましょう(再)。


車両中央の展望スペースです。一応椅子もありますので、ここでぼーっと桜島を眺めるのも悪くありません。


続いて指定席車として運用されるキハ47 8092です。時期的にはこちらの方が後に改造されたこともあり、カラーコードなどがガラリと変わっています。

ドアです。こちらは白色になっています。
 


車端部です。こちらにはトイレを備えており、その横は車内販売スペースとなっています。ちょっとごちゃごちゃしてしまっていますが(^^;;
 
最前面です。自由席車と異なり、こちらには座席が設置されています。指定席車は、座席が増えるほど売り上げも増えますからね‥。
 
天井です。照明のカバーの形状が地味に変わっており、荷棚も近年よくミトーカデザインで見かける木のパネルを追加したものになっています。最近のものと異なるとすれば、スリットが入っていることでしょうか。

窓です。日除けはすだれ調のロールカーテンで、爪を引っ掛けるタイプです。柱には飾り照明が追加されています。
 


座席です。背ズリの木やクッションのモケット色は違いますが、座り心地は大して変わりません。


指定席車にのみ存在する1人掛けです。他の座席は回転がペダル式・リクライニングがボタン式となっているのに対して、こちらは全てレバー式となっています。885系のグリーン車がこのような仕様でしたね。確かに、車椅子の方が操作すると考えれば、妥当といえば妥当かも。しかし、この方向(鹿児島中央方)を向いていると、テーブル類は一切ありません。追加料金の発生する指定席にしてこはいかに。


リクライニングしてみました。こちらの向きでは固定テーブルが使用できます。


乗務員室直後のボックス区画です。リクライニング機構は殺されている分シートピッチはそれなりに広く取られています。中央には固定テーブルも備わります。ただこの座席、切り立った背ズリ故、多少リクライニングしていないと正直キツいです。


車端部にはこのような木製ベンチシートが。テーブル類がやたら充実していますが、そのシルエットに座り心地を期待するものではありません。


向かいにはトイレがあります。車椅子にも対応した大型トイレで、洗面台などは暖簾で区切られています。


そして、おなじみ展望スペース。


ちなみに、車内販売では画像のような種子島産の安納芋を贅沢に使ったプリン『黄金のプリンANNOU』や、特製弁当・さつまいもの発泡酒、さつまいもプリンも販売されていました。
 
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