日本の鉄道は世界に類を見ないほど稠密なダイヤで運行されており、車窓を眺めていると、上下の列車がしょっちゅうすれ違っているような気がする(もちろん複線以上の場合だが…)。

ところが、その瞬間を写真に収めようとすると、なかなか大変である。事前に時刻表ですれ違いの場所、時間の見当をつけて現場へ行けばいいのだが、プロ用のダイヤグラムがないと正確にはわからない。また、どちらかが数秒でも遅れると、せっかくの努力も水の泡となってしまう。(以下クリックで画像拡大)

すれ違い①
 

すれ違い②

 というわけで、撮影できるのは「運か偶然」という場合が多い。上は湖西線追坂峠の新緑を撮りに行った際、たまたま出くわした瞬間だ。9両編成の特急サンダーバード号と2両の521系普通との対比が珍しいので、すれ違う直前の写真とともに紹介する。バックの景色と、2つの写真の列車の位置を見比べてみると、双方に相当の速度差があることがわかって面白い(2016年4月20日撮影)。
 すれ違い④

 次は東海道本線安土駅近くの繖(きぬがさ)山に登り、貨物列車の俯瞰撮影を試みていた時、上り221系快速と下り223系新快速がたまたますれ違った。バックは琵琶湖最大の内湖だった大中湖の干拓地で、遠くには琵琶湖の湖面と湖西の山も見える(2017年1月7日撮影)。
 すれ違い③

 今度はJR東海
313系普通列車同士のすれ違いだ(東海道本線柏原ー近江長岡、2016年2月23日撮影)。この年の春のダイヤ改正でなくなる大阪始発の特急「ワイドビューしなの」の撮影に出かけた時、たまたまカメラに収めることができた。暖冬のせいか、2月というのに伊吹山に雪はほとんどない。
 すれ違い⑤

 最後は2016年11月4日、同区間で撮った特急しらさぎ号と貨物列車の出会い。貨物の方は最前列のコンテナが空車だったため、牽引機EF210(桃太郎)だけしか写っておらず、まるで単機回送のようにも見える。バックはやはり伊吹山である。