番外 香椎線・肥薩線にて活躍したジョイフルトレインでした、キハ58系気動車「アクアエクスプレス」 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 
 ご覧の皆様の中で、JR九州の「アクア」と言いますと、真っ先に思い出されますのが、現在は819系蓄電池電車化されました香椎線におきまして運行されておりました、上の画像のキハ40系(キハ47形)気動車で運行されておりました「アクアライナー」ではないかと思います。
 
 この「アクアライナー」は、直方車両センター(博多運転区常駐)所属のキハ47形気動車の前面部分を真っ青にしてあったのが特徴でありまして、側面にも「AQUA LINER」と書かれてあったのが特徴でもあります。ただ、塗装やデザインは変更されてありましても、車内の変化は従来の車とは変わっておらず、セミクロスシートの車内となっているのが特徴となっておりました。
 
 
 そんな「アクアライナー」は、平成31年3月の改正で香椎線にその819系蓄電池電車が導入された事もありまして全車香椎線から離れまして、高出力改造車のほとんどが九州各地に転属しましたが、それ以外の車両は残念ながら廃車となっておりまして、福岡地区に存在します最後の非電化区間もそう言った電車で変化が生じております。
 
 
 さて、JR九州では現在「D&S(デザイン&ストーリー)列車」と称します列車が各地で運行されておりますが、かつてはそれ以外にも多くのジョイフルトレインが運行されておりましたが、この中の一つが、今回ご紹介します「アクア」つながりであります、キハ58系気動車「アクアエクスプレス」でありまして、後述のように、前面・内装は改造されている姿が見られておりました。今回は、当初は香椎線で運行しまして、のちに肥薩線系統におきまして活躍しておりました、その「アクアエクスプレス」に関しまして皆様にご紹介してまいります。
 
 
 「アクアエクスプレス」は、JR化後1年後の昭和63年にキハ58系気動車3両を改造しました車両でありまして、これら車には7000番台を名乗っておりました(キハ58形は7001(「サルーンエクスプレス」)・7002(ジョイフルトレイン長崎)からの続番)。
 
 車番は以下の通りでありまして・・・
:
 (←博多・人吉  熊本・西戸崎→)
 1号車 キハ28 7001(キハ28 2445)
 2号車 キハ58 7003(キハ58 702)
 3号車 キハ58 7004(キハ58 703)
 
これら列車は定期列車としても運行されておりまして、現在は博多運転区となっております竹下気動車区(当時)に所属しておりました。
 
 
 車両は白地に青帯を入れた塗装でありまして、側面に「AQUA EXPRESS」と表示されておりまして、窓も固定で大きくしたり、天窓も設置するなど豪華な定期列車でありまして、改造時期(バブル期)を考えますとふさわしいような形ではなかったかと思います。また、先頭車(1・3号車)には上の画像のように非貫通式に改造されておりました。
 
 
 運用は、当初は以下画像の時刻のように香椎線で運行されておりました(平成元年時刻表より)。運行区間もかつて存在しておりました博多駅からの直通列車で主に使用されておりまして、一部は博多~香椎間快速運用でもありました。
 
 
 
 また、平成元年当時福岡市で開催されておりました「アジア太平洋博覧会(よかトピア)」の一環としまして、香椎駅より博多臨港線の現在は廃止されております旧福岡ボート前(臨時駅)間でも運行されておりまして、普段貨物列車しか通る事がなかった区間でもこの「アクアエクスプレス」は足跡を残しておりまして、福岡市の中心部天神の近くまでこの列車は入線しておりました。
 
 
 その後、熊本運転所(当時)に転属しまして、平成5年から当時の肥薩線急行「くまがわ」に転用されまして、熊本~人吉間で運行されておりました。この列車は急行券が必要な列車ではありましたが、それでも全席自由席であったのがよかったですし、最後の画像のように眺めが良かったのが印象的でした。
 
 (時刻)
 
 
 しかし、2号車は平成10年に運用離脱、他の両先頭車に関しましても平成12年には運用を離脱・廃車となりまして、この「アクアエクスプレス」も残念ながら過去帳ものになってしまいました。
 
 
 所で、この列車のデザインは水戸岡鋭治氏のデザインでありまして、初めての鉄道車両のデザインがこの車両でありましたので、この「アクアエクスプレス」が実は「水戸岡デザイン」の先駆者でもあったのも有名な話でありました。やはり、現在はJR九州をはじめとした鉄道会社の車両や駅舎などの施設を手がけている水戸岡氏・ドーンデザインでありますが、このデザインをきっかけとして多くの新型車両や旧型車両のデザインを手がける事になる訳ですので、この「アクアエクスプレス」の存在は今はなくても大きかった事が伺えるのではないでしょうか。
 
 
 今回は、JR九州におきまして過去にこういった列車が運行されていたという事で「アクアエクスプレス」をご紹介しましたが、正直まともな画像がなかったため、うまく収めていればよかったなと思う所であります。ちなみに、現在肥薩線の特急列車はキハ40系気動車の「かわせみ やませみ」や、「いさぶろう」・「しんぺい」といった観光列車が運行されているほど観光路線となっている事も現状でもあります。ですから、現在の肥薩線を走ります観光列車の前身として、香椎線で活躍していた「アクアエクスプレス」の存在は大きかったのかなと思ってならない所であります。
 
 (注)車両画像は平成7年に撮影したもので、急行「くまがわ」運行時です。当時の撮影技術上、画像が少々乱れている事はご容赦ください。