【迂回乗車】運行障害発生時に運賃・特急料金は追加で払う必要があるのか?【特急利用は注意】

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鉄道
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悪天候により乗車予定だった新幹線や特急列車が運休になった場合、迂回乗車をすることができますが、多くの場合で追加料金が発生します。状況により変わることがありますが、迂回乗車したとしても乗車券はそのまま利用できるケースがほとんどです。一方、特急券は払い戻しされますが、迂回経路上で特急に乗車する場合は特急券を別途購入する必要があります。大雨に見舞われた羽越本線や、大雪に見舞われた北陸本線の例を示します。なお、迂回できる経路は決められているので、勝手な判断で迂回乗車を開始しないこと

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乗車券と特急券

基本中の基本ですので、知っている人は読み飛ばしても問題なし。

乗車券について

JR線では、乗車券を購入して列車を利用できることができるようになります。

また、定められた経路通りに利用することが大原則です。

一部の例外を除いて乗車券の経路外を乗車することは認められていません。

特急券について

乗車券を所持している大前提の下で、特急券をプラスすることで、その区間の特急列車を利用できるようになります。

特急券も乗車券と同様に、定められた区間でのみ有効です。

また、特急券を利用する際には、同区間で有効な乗車券が必要です。

とりあえず、乗車券は鉄道で移動するのに必ず必要なきっぷで、特急券は特急列車に乗る場合にのみ必要なきっぷ、と考えていただければ大丈夫です。

運行障害が発生したらどうなる

個別のすべての案件に当てはまることをお約束するものではありませんので、運行障害発生時には必ず公式発表を確認するようにお願いします。

さて、近年は悪天候や災害に見舞われて列車が長期間にわたって運休となるケースが増えています。

このとき、乗車予定だった特急列車が運休となったら、乗車券特急券の取り扱いはどうなるのでしょうか?

当然、無手数料での払い戻しは可能なのですが、旅に出てしまった以上、我々は先に進みたいのです。

どのような選択肢が出てくるのか、知っておくといいかもしれません。

乗車予定列車以外が運行されている場合

もし、お手持ちの特急券の列車のみが運休となり、他の列車が運行されている状況であれば、他の列車に無手数料で変更することが可能です。

別ルートをたどる必要がないケースなので、この場合は話が早いですね。

当初の発車時刻が過ぎているケースでも、通常は変更できない割引きっぷの場合でもOK。とりあえずそのきっぷは大切に取っておきましょう。

乗車予定列車以外も軒並み運休の場合

お手持ちの特急券の列車以外もすべて運休となっている場合は、その路線自体が壊滅的な状況になっていることが多く、長期間にわたって多くの列車(すべての列車)が運転を見合わせていると思われます。

この場合は、乗車券の経路にかかわらず、全く別の経路を経由して目的地を目指すことが可能になります。

これを迂回乗車と言いますが、迂回できるルートは目的地によって指定されております。

JRホームページでの公式発表や、駅での案内に注意しておきましょう。

迂回乗車での乗車券の取り扱い

迂回乗車をして目的地に向かう場合、多くのケースで乗車券はそのまま利用できます

羽越本線が運休になったケース

2012年8月に羽越本線が大雨で終日運休となった際には、秋田→新潟間を大宮経由でアクセスすることが可能になりました。

この際、羽越本線経由の乗車券のまま、秋田新幹線と上越新幹線を使うことができたため、運賃計算上はオトクな状況でした。

北陸本線が運休になったケース

2021年12月に北陸本線(米原付近)と東海道線(関ヶ原付近)が大雪で終日運転見合わせとなった際には、金沢から名古屋・東京を目指す乗客には3つの選択肢が与えられました。

  • 特急「サンダーバード」で京都→東海道新幹線で名古屋
  • 北陸新幹線で長野→特急「しなの」で名古屋
  • 北陸新幹線で東京

この場合でも、乗車券については追加で費用を支払う必要はありませんでした。

琵琶湖を大回りしても、運賃そのままで乗車できるので、鉄オタにとってはお買い得だったりしますが、一般の利用者には時間的・体力的な負担が伴うのも事実。しかし、運賃の追加負担はありませんので、その点はご安心ください。

ただし、安心できるのはここまでです。

迂回乗車での特急券の取り扱い

運休となった特急券はそのまま利用することができません。無手数料での払い戻しとなりますが、多くのケースで迂回乗車中に特急列車を利用する場合は新たに特急券が必要です。

特急「いなほ」運休のケース

羽越本線の運転見合わせに伴う、秋田→新潟間の大宮経由での迂回乗車時にはこのような案内がありました。

「いなほ号(羽越本線)の特急券は無手数料で払い戻ししますので、秋田新幹線と上越新幹線の新幹線特急券は別にお買い求めください」

これはひどい…とも思いますが、でも、多くのケースではこのような取り扱いとなりますのでご注意を。

さすがにこれには一般利用者も絶句していました。

特急「しらさぎ」運休のケース

北陸から名古屋まで乗り換えなしで行ける特急「しらさぎ」が運休した際は、京都経由の迂回乗車が案内されました。

この場合でも、金沢→名古屋の特急券が全額払い戻される代わりに、金沢→京都の在来線特急券と京都→名古屋の新幹線特急券は別途購入の取り扱いとなりました。

会社が変わっても、迂回乗車時の特急券に関する考え方は同じなようです。

まとめ

運行障害発生時の迂回乗車における乗車券と特急券の取り扱いについて、以下の知見を得ました。

  • 乗車券はそのまま利用できる
  • 特急券はそのまま利用できない

特急券については、

  • 運休になった列車の特急券は無手数料で払い戻しになる
  • 迂回乗車中に特急を利用する場合は特急券が必要
  • 多くの場合で出費が増える

ではまた。

編集後記
某駅から秋田新幹線に乗車し、秋田に着いたとたん、この先に進めないと分かり、しかも「来た道を戻れ」と言われたときは絶句しました。しかし、規則でそうなっているのだから仕方がない。であればこちらも切り札を。無賃送還を選びました。これは、旅行経路上で輸送障害が発生した時、旅行そのものを中止するという判断です。そのまま出発駅に戻り、乗車券はすべて払い戻しとなります。トラブル発生時、駅員さんに怒りをぶつけるのは言語道断。規則に従いつつ大胆な選択をしましょう。

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