2022.01.26
ヤツは時刻表に2回現れる。

京成3000形 3003編成
2022.1.23/京成臼井
- [土休日]1846b 普通京成上野行
- 始発:芝山千代田1857 → 終着:京成上野2056
- ダイヤ:2019.10.26改正
- 備考:京成成田まで普通京成成田行、京成佐倉まで回送
土休日1846bレは、京成本線を走る珍列車である。この列車の面白さは時刻表に表れている。まずは京成時刻表を確認してみよう。

京成線 時刻表
時刻表で1846bレを探すと2本の列車が見つかるはずだ。芝山千代田18時57分発普通京成成田行と京成佐倉19時25分発普通京成上野行である。いやしかし、列車番号は原則的に重複しないはずだし、そもそも京成線の列車番号は始発駅の時を表す数字と運行番号の組み合わせ1)だから、後者の京成上野行きは1946レが正しいはず・・・? JTBパブリッシングさん2)、もしかしてやっちまいました?
もちろんこれは誤植ではない。京成成田行も京成上野行もれっきとした1846bレである。このような現象が起きている理由は単純、これらは同一列車なのだ。
芝山千代田を京成成田行として出発した1846bレは、京成成田に到着後、種別を回送に変更。京成佐倉まで回送として走った後、再び種別を変更し、普通京成上野行となる。このように1846bレは回送を挟んで営業運転を2回行っている。まさか時刻表に京成成田〜京成佐倉だけ回送になりますと書くわけにはいかないし、1本の列車を1行にまとめなければいけないルールもないので、時刻表上ではあたかも同じ番号の列車が2本いるようなふるまいをしている。運転区間の途中まで回送、あるいは途中から回送になる列車はたくさんあるが、途中の一部区間が回送となる列車は他に例がない。
1846bレがこのような変な動きをするのは、宗吾車両基地への出入庫が絡んだやりくりによるものと考えられる。1846bレが登場したのは2019年10月ダイヤ改正のこと。それ以前の芝山千代田発京成成田行と京成佐倉発京成上野行は、前者は宗吾車両基地に回送入庫、後者は京成佐倉行からの折返しというそれぞれ独立した別の列車だった。ところが、ダイヤ改正に伴う変更で後者の京成佐倉発の列車に宗吾車両基地から車両を送り込む必要が発生。そこにちょうどいいタイミングで芝山千代田からの入庫列車があるもんだから、これを入庫させないでそのまま京成佐倉に送っちゃえ〜ということだと推察される。要するに、芝山千代田からの入庫と京成佐倉への出庫のタイミングがたまたま合致したため、1本の列車として繋がったわけだ。
どうせなら芝山千代田から京成上野行として全区間を営業列車で走らせればいいのではと思ってしまうが、今後のダイヤ改正で列車が再び分断された場合に減便となってしまうので、ここらへんは余計なことをせずといったところだろうか。
- 1)例えば、始発駅を12時台に発車する01運行の列車番号は1201となる(上り列車の場合は1を減じて1200レ)。
- 2)京成時刻表の編集を担当している。
スポンサーリンク
関連記事
四直珍列車研究 119 - 土休日 1808K
京成線ではまもなくダイヤ改正が行われる。ダイヤ改正直前というわけで、恒例としている消えてしまう珍列車をご紹介しよう。土休日1808Kレは快速特急羽田空港行である。快速特急羽田空港行そのものは特に...
四直珍列車研究 117 - 平日 1730T
京成本線を走る都営車の特急が12年ぶりに復活。平日1730Tレは、都営車で運転される特急西馬込行である。都営車の特急西馬込行は朝のラッシュ時間帯に北総線からの列車が何本か設定があるが、京成本線を...
四直珍列車研究 116 - 土休日 回1070・回1072
蒲田ローカル廃止に伴う回送列車。回1070・回1072は、土休日に設定されている定期回送列車である。2021年3月ダイヤ改正で新設された列車で、運転区間はいずれも京急川崎→神奈川新町となっている...
四直珍列車研究 115 - 土休日 2373K
2ヶ月間だけ走った浅草橋行。京成車編。新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い政府より1月8日に発出された2回目の緊急事態宣言では、夜間の外出抑制のため各線で終電の繰り上げが実施されることに...
四直珍列車研究 114 - 平日 2259H
2ヶ月間だけ走った浅草橋行。京急車編。新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い政府より1月8日に発出された2回目の緊急事態宣言では、国や自治体などから鉄道事業者に対して夜間の外出抑制のため終電...
最新記事
2025.04.30
京成線 駅別乗降人員ランキング(2024年度)
2024年度の京成線の駅別乗降人員ランキング! 京成線の全69駅において、どの駅の利用が多いのか少ないのか。京成電鉄が毎年公表しているデータを基に、2024年度の駅別乗降人員をランキング形式で...
2025.04.26
京成電鉄バスグループ バス事業の大再編を実施
表現するならば、「激震」。4月1日、京成グループでは傘下のバス事業会社の再編を実施した。京成電鉄の完全子会社となる京成電鉄バスホールディングスを持株会社として新たに設立。その上でグループ15社...
- 京成バス
- タグはありません
2025.04.20
北総9800形 臨時特急「ほくそう春まつり号」運転(2025年)
今年も春がやってきた4月20日、臨時特急「ほくそう春まつり号」が運転された。同日に北総鉄道がイオンモール千葉ニュータウン提携駐車場で開催するイベント「ほくそう春まつり」に合わせて運転される恒例の...
2025.04.15
京成グループ 車両の動き(2024年度)
京成グループにおける2024年度の車両の動きをまとめてみよう。2024年度の車両の動きの目玉は、やはり3100形以来6年ぶりの新型車両となる3200形が登場したことであろう。今年度は日本車両製の...
- 京成
- タグはありません
2025.04.10
京成電鉄 松戸線が開業
Hello! Matsudo Line 4月1日、京成電鉄は新京成電鉄の吸収合併を実施した。これに伴い、新京成線は同日より京成松戸線として運行を開始。1947年12月に新津田沼〜薬園台で産声を...
スポンサーリンク