常磐線スイッチバック特急運転と快速の特急格上げへ JR東日本臨時列車運転(2022年3月~6月春期間)

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常磐線で僅少特急運転と快速の特急格上げへ JR東日本臨時列車運転(2022年3月~6月春期間)

JR東日本は2022年1月21日、プレスリリースにて2022年3月~6月の春期間に臨時列車を増発すると公表した( 春の臨時列車の運転について )。今回はこれについて見ていく。

1. 車両置き換えで快速の特急格上げへ

今回の2022年3月~6月JR東日本春の臨時列車運転では、例年春に運転してた臨時快速列車の一部を特急に格上げする。

今回快速から特急に格上げするのは上野発着と大船発着の「あしかが大藤まつり」2往復となっている。これは使用車両を185系6両編成からE257系5両編成に置き換えるため、全車指定席の快速から特急に格上げすることにしたようだ。

これにより乗車料金は全区間一律の座席指定料金530円のみだったが、特急格上げによるA特急料金適用かつ最繁忙期のみの運転のため400円加算することから、上野~あしかがフラワーパーク間は109.0kmの2,260円に、大船~あしかがフラワーパーク間は159.1kmの2,600円にそれぞれ大幅に値上げすることとなった。

なお特急格上げに伴い快速時代と比べ10~30分程度所要時間を短縮することとなった。

まあ車両置き換えによる特急格上げはわかるのだが、253系(元「成田エクスプレス」型車両)の武蔵野線吉川美南~両毛線足利間運転の「藤の花観ナイト号」が快速で、近鉄でいう汎用特急車両にあたるE257系が「あしかが大藤まつり」が特急で運転するのはいかがなものかとは思うが。

なお今回の特急格上げにより常磐線いわき始発終着の485系リゾートやまどり編成使用のあしかが大藤まつりは今シーズンから設定がなくなった。




2. 常磐線で新たな特急を多数運転へ

今回の2022年3月~6月JR東日本春の臨時列車運転では、常磐線で新たな特急列車を複数運転する。

ではそれぞれどのような臨時列車を常磐線で運転するのか、見ていこう。

2.1. 仙台早朝発車の「ひたち」再設定へ

今回の2022年3月~6月JR東日本春の臨時列車運転では、仙台を朝に出発する特急「ひたち」を再設定する。

2022年2月26日に運転する仙台8時36分発「ひたち92号」水戸行き及び水戸から赤塚スイッチバック快速偕楽園行きを3月5日にも運転することとなった。使用車両は定期「ひたち」でも使用するE657系10両編成となっている。なお運転概要は2021年冬の臨時列車運転と同一なのでこちらを参考にされたし

2.2. 大宮から水戸への特急列車を運転へ

今回の2022年3月~6月JR東日本春の臨時列車運転では、大宮から水戸へ特急列車を運転する。

例年大宮~勝田間には武蔵野線経由で特急「水戸梅まつり号」を設定しているが、今シーズンはひたち海浜公園のネモフィラの開花に合わせ大宮~勝田間に武蔵野線経由の特急「青の絶景ネモフィラ号」を運転することとなった。

これまでJR東日本水戸支社ではひたち海浜公園のネモフィラの開花に合わせた臨時列車は上野からの特急「ときわ」の増発で済ませていたが、今シーズンより埼玉県内からの利用も図ることとなった。

使用車両はE653系7両編成で、グリーン車を1両設置した国鉄色塗装の車両となる見込みだ。




2.3. 中央線から常磐線への直通列車も設定へ

今回の2022年3月~6月JR東日本春の臨時列車運転では、中央線から常磐線への直通列車も設定する。

今回設定するのは特急「いわき」で、八王子4月2日10時04分発いわき行きといわき4月3日14時24分発八王子行きの1往復のみを運転する。

途中武蔵野線を経由するが、立川のみならず新秋津や北朝霞、南越谷に停車する音を考えると西武池袋線や東武鉄道など私鉄からの乗り継ぎも考慮しているようだ。また南浦和にも停車するため大宮・浦和から京浜東北線で乗り継いで向かうこともできる。

まあやっていることは特急「はちおうじ日光」の日光からいわきに目的地を変えましたというところなのだろうが、おいおいJR東日本よ、特急「いわき」といい「あたみ」といい「アドベンチャーライン」といい、列車愛称手抜き過ぎないか?もう少し凝ってもいいと思うのだが…




2.4. 茨城県から日光への直通列車も運転へ

今回の2022年3月~6月JR東日本春の臨時列車運転では、常磐線から日光への直通列車も運転する。

今回運転するのは特急「常陸日光号」で、2022年5月7日に常磐線高萩7時13分発日光行きと日光18時07分発高萩行きの1往復を運転する。

経由は水戸線経由で、下館にも停車する。なお水戸線がB特急料金区間外のため水戸~日光間の136.1kmを利用の場合は5月7日の繁忙期加算200円を加算して特急料金2,060円となる。

JR東日本の日光への列車は2006年3月18日の特急「日光」「きぬがわ」設定以降は修学旅行列車でない限り原則東武鉄道直通で運転してきたが(今シーズン設定の特急「スペーシア八王子日光」然り)、今回の臨時列車は経路上の都合もありJR東日本管内で運転することとしたようだ。

2.5. 恐れていた!岩沼でのスイッチバック宣言!

今回の2022年3月~6月JR東日本春の臨時列車運転では、常磐線から福島への直通列車も運転する。

今回運転するのは2022年4月9日に運転する特急「宮城・福島花めぐり号」で、水戸7時54分発福島行きと福島15時54分発の1往復のみを運転する。所要時間は行きが4時間36分、帰りが4時間53分と隣の県の県庁所在地間を結ぶ列車としては長い。

これはE653系電車で運転するために水戸から福島への短絡経路である水郡線や磐越東線を使用することができず、「常陸日光号」のように水戸線経由でもなくさらに遠回りの宮城県の岩沼経由で結んでいるためである。これにより岩沼でスイッチバックを行って水戸と福島を結ぶことにしたのである

おかげさまで水戸~福島間の運転距離は最短営業キロの水郡線経由188.5kmより100km以上も遠回り奈289.8kmとなったほか、特急料金も運転日の通常期で2,420円となった。

これらの常磐線絡みの臨時特急列車はほとんどがE653系7両編成による運転になるのだが、さすがに暴れまわりすぎだと思うのは気のせいだろうか。

このほか宮城県と福島県内の花めぐりに合わせて例年仙台~郡山間で4月のうち3日~4日間程度快速ジパング花めぐり号として485系4両ジパング編成で1日1往復運転していたが、今回の臨時列車運転よりキハ110系2両編成全車指定席での運転に変更する。まあキハ110系は北上線特急「秋田リレー号」として運転したことはあるが、郡山車両区のキハ110系を全車指定の快速として運転するのはやや設備が足らないと思うのは気のせいだろうか?


3. 結び

今回の2022年3月~6月JR東日本春の臨時列車運転では、「あしかが大藤まつり」を快速から特急に格上げするほか、常磐線で多種多様な特急列車を運転することとなった。

今後JR東日本でどのような臨時列車を運転するのか、見守ってゆきたい。

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