鉄道ファンであり競馬ファンである方なら分かると思いますが、日本中央競馬会(JRA)や地方競馬のレースには、鉄道会社の冠名が入っているレースがいくつか存在します。
さて、鉄道会社の冠名が入っているレース、どんなものがあるのでしょうか?
鉄道会社の冠名が入っているレース
鉄道会社の冠名が入っているレースは、中央競馬で7レース(重賞6レース)、地方競馬で3レース(うち1レース廃止)です。
レース名 (鉄道会社) |
グレード | 競馬場 | 距離 | 1着賞金 | 出走条件 | 正賞 | 主な優勝馬1 |
京成杯 (京成電鉄) |
GIII | 中山 | 芝2,000m | 4,000万円 | サラ系3歳 | 京成電鉄株式会社賞 | ボーンキング(2001年) アドマイヤジャパン(2005年) サンツェッペリン(2007年) エイシンフラッシュ(2010年) |
京成杯オータムハンデキャップ (京成電鉄) |
GIII | 中山 | 芝1,600m | 3,900万円 | サラ系3歳以上 | 京成電鉄株式会社賞 | シンボリインディ(2000年) ゼンノエルシド(2001年) キングストレイル(2007年) キストゥヘヴン(2008年) |
京王杯スプリングカップ (京王電鉄) |
GII | 東京 | 芝1,400m | 5,900万円 | サラ系4歳以上 | 京王電鉄株式会社賞 | ダイイチルビー(1991年) ヤマニンゼファー(1993年) グラスワンダー(1999年) テレグノシス(2003年) オレハマッテルゼ(2006年) |
京王杯2歳ステークス (京王電鉄) |
GII | 東京 | 芝1,400m | 3,800万円 | サラ系2歳 | 京王電鉄株式会社賞 | ホクトヘリオス(1986年) グラスワンダー(1997年) ウメノファイバー(1998年) グランプリボス(2010年) |
京阪杯 (京阪電気鉄道) |
GIII | 京都 | 芝1,200m | 3,900万円 | サラ系3歳以上 | 京阪ホールディングス株式会社賞 | ダンツシアトル(1995年) ダンスパートナー(1996年) ロサード(1999年) ダイワエルシエーロ(2004年) カンパニー(2005年) |
阪急杯 (阪急電鉄) |
GIII | 阪神 | 芝1,400m | 4,100万円 | サラ系4歳以上 | 阪急電鉄株式会社賞 | マサラッキ(1998年) ブラックホーク(2000年) ダイタクヤマト(2001年) ビービーガルダン(2009年) |
名鉄杯 (名古屋鉄道) |
OP | 中京 | ダート1,400m | 2,200万円 | サラ系4歳以上 | なし | スズカローラン(2007年) トウシンイーグル(2014年) |
京成盃グランドマイラーズ (京成電鉄) |
南関東SII | 船橋 | ダート1,600m | 2,100万円 | サラ系3歳以上OP 南関東所属 |
京成電鉄株式会社賞2 | エスプリシーズ(2003年) トーセンアドミラル(2014年) |
京浜盃 (京浜急行電鉄) |
南関東SII | 大井 | ダート1,700m | 2,000万円 | サラ系3歳以上OP 南関東所属 |
特別区競馬組合管理者賞3 | トーシンブリザード(2001年) シーチャリオット(2005年) クラーベセクレタ(2011年) |
ほくてつ杯 兼六園ジュニアカップ (北陸鉄道 2004年まで) |
重賞 | 金沢 | ダート1,500m | 240万円4 | サラ系2歳 地方交流 |
なし | レジェンドハンター(1999年) ブラックムーン(2006年) |
内訳としては、
- 京成3レース(中央・地方)
- 京王2レース(中央)
- 京阪1レース(中央)
- 阪急1レース(中央)
- 名鉄1レース(中央)
- 京急1レース(地方)
- 北陸鉄道1レース(地方、2004年まで)
となっています。いずれも、競馬場の最寄り駅を持っている鉄道会社です(京急はちょっと怪しいですが)。尚、JR東日本では船橋法典駅と府中本町駅、西武では多摩川線の是政が競馬場の最寄り駅ですが、レースの冠名には入っていません。
ところで、どうやって冠名が入るのかと言うと、形式上は鉄道会社が寄贈賞(鉄道会社からJRAに寄贈・提供)としてJRAにお願いし、レース名に鉄道会社の名前を入れてもらいます。
JRAとしても、レースのスポンサーを名乗り出る会社に対して無下にすることは出来ません。ただし、流石にどこぞの馬の骨とも分からない会社をスポンサーをするわけにもいかないので、形式上は競馬発展に貢献した企業に対して寄贈賞を認めています。新聞社の名前が重賞レース名に入っているのも同じ理由です。
GⅠレースになる可能性は?
鉄道会社の冠名が入っているレースのグレードは、京王杯スプリングカップと京王杯2歳ステークスがGⅡが最も格上に位置付けられています。
鉄道ファンとしては鉄道の冠名の入ったGⅠレースの新設を望む声があるかもしれませんが、正直に言うと現状のレース体系では難しいです。
競馬ファンならご存知だと思いますが、現状の中央競馬において、既にGⅠレースが飽和状態です。
2017年にGⅠに昇格した大阪杯の様に、GⅠレース相当の実績を長年積み重ねているのであれば、GⅠ昇格はあり得るかもしれません。しかし、鉄道の冠名が入っているレースについては、正直なところ、GⅠ昇格には程遠い実績です。
また、GⅠレースが増えれば、それだけ賞金を集める必要があります。馬券の売り上げが右肩上がりなら良いのですが、そうとも限りません。仮に、他のレースの賞金を引き下げて新設GⅠレースの賞金を捻出した場合、条件の低いレースで何とかやりくりしている多くの騎手や厩舎にとっては死活問題となります。
編集後記
スペシャルウィークとブエナビスタとリーチザクラウンが好き😽🏇
関連リンク
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