皆様こんばんは。ブログおよびホームページ管理人の神@北見です。

 

先日はホームページ キハ58系のページで製造次数区分の改訂を行いました。これが片付いたので引き続きイラストの修正を続けています。そんな中、とても地味ですが興味深いキロ28のユニットサッシ車についてご紹介したいと思います。今回はその1として途中までご紹介いたします。

 

まずキロ28の各タイプについて見てみたいと思います。キロ28はその両数に比して(細かな相違も含みますが)外観上のバリエーションが多いのが特徴です。

 

まずキロ28の0番台を見てみます。キロ28の0番台は元々非冷房車で車体断面も非冷房の一般車(キハ車)と同じです。そして冷房化の際は屋根上にAU13クーラーが6基搭載され、キハ車の冷改車と同じようにクーラー脇に押込通風器が千鳥状に設置されています。

 

このタイプ(1~85)からは2045と2050の2両がユニットサッシ化改造されているのが確認されています。

 

 

↑和歌山のキロ28 2045です。0番代ではかなりレアなユニットサッシ改造車です。元非冷房車なので高屋根で、クーラー脇に押込通風器が千鳥状に設置されているのが外観上の大きなポイントです。なおクーラーキセは末期は小判型のものが付いていました。

 

↑向日町のキロ28 2050です。こちらも2両しか見つかっていない0番台ユニットサッシ車の1両です。2045とよく似た形態ですが、1970年後半の宮原・向日町車は全車循環式汚物処理装置が付けられており、当車も同装置が付いているのがポイントです。急行「丹波」や「志摩」などによく使われていたようです。

 

続いてキロ28のバリエーションとしては100番代があります。100番代は制御回路やブレーキが長大編成対応になったグループで、当初は0番代との相違があまり無く元非冷房車でした。100番代の元非冷房車は101~108が該当し、この中からは2103がユニットサッシ化されているのが確認されています。

 

↑美濃太田のキロ28 2103です。この車は非常に興味深い点が多数あります。まず前述の通り100番代のうち108までは0番代同様非冷房車として製造されています。そのため高屋根で、冷房化の際にはAU13クーラーを6基載せ、クーラー脇に押込通風器が設置されています。0番台に非常に似た形態になっています。100番代は乗降ドア下部に丸窓が付きましたが、この車は後年これが塞がれています。またクーラーはキロ28には多かった角型のキセが付いています。また名古屋工場でユニットサッシ化を施工したと思われるキロ28は、冷房発電機DM83用の吸気口ルーバーが車体幕板部から腰板部へ移設されています。他の名工改造キロ28は縦長のルーバーのまま腰板部に移設されていますが、この車はキハ28と同じ横長のルーバーが窓下に設けられており、非常に珍しい形態です。

 

続いてキロ28のバリエーションとしては冷房準備車があります。109以降は冷房準備車として製造され、そのうち109・110は試行を兼ねて製造後直ちに冷房化できるように設計されています。この冷房準備車はAU12クーラーを6基載せる設計で製造され、そのため屋根高さが非冷房車と同じになっているのが特徴です。そして煤煙を防ぐためか、屋根上の客室通風器が廃止されて客室端部の下部に強制換気装置の吸気口が設けられました。このグループは109~138が該当し、そのうち2122・2126・2128・2130がユニットサッシに改造されているのが確認できます。

 

↑向日町のキロ28 2122です。当グループはAU12対応の冷房準備車として登場したものの気動車用のAU13が開発されたため実際の冷改は先行試作車の109・110を除きAU13で施工されています。屋根上の客室通風器は廃止され車体側面下部に強制換気のルーバーが設けられています。ただしAU12対応の冷房準備車であったため屋根高さは非冷房車と同じになっており、クーラーは屋根上に直接載っているような形になっています。また100番代冷房準備車・新製冷房車の屋根には蛍光灯用の豆通風器が載っていますが、これの詳細な写真や図面を見たことが無く、どのような構造なのか良く分かりません…。

この2122は向日町配置なので循環式汚物処理装置付きなのが特徴でした。

 

↑美濃太田のキロ28 2126です。当車は名工でユニットサッシ化されたと思われ、側面のDM83用吸気口ルーバーの位置が縦長ながら幕板部に移設されたのが特徴です。

 

↑和歌山→豊岡のキロ28 2128です。当車は1980年10月改正までは小牛田に配置されており、同改正で急行「あがの」からグリーン車が外された際に和歌山に転じました。そして1981年に4VK化(+2000)改造されていますので、その際にユニットサッシ化されたものと推測しています。当車のDM83用ルーバーは原形窓車と同じ位置にあります。また床下の水タンクが国鉄時代のキロ28にしては珍しくFRP製タンクに換装されているのが目立ちます。屋根上のAU13クーラーは角型のキセを装備しています。当車は1985年の急行「きのくに」廃止で豊岡に転じ同区の2066番を置き換えましたが、1986年11月改正の福知山線電化で余剰となり、豊岡時代は短命となっています。

 

↑和歌山→福知山のキロ28 2130です。上の2128と形態はよく似ていますが床下の水タンクは原形のままです。当車は1975年までは千葉にいましたが総武電化以降和歌山に転じ、1985年3月の「きのくに」廃止で福知山に転じ2080番と交代したものの、2128と同じく1986年11月の福知山線電化で余剰となりました。

 

 

このようにAU12冷房準備車まで見てきましたが、各車形態が異なり面白いことになっています。キロ28の元非冷房車(1~85、101~108)はTomix製の「由布」セットに入っているキロ28から加工できますし、元AU12対応冷房準備車(109~138)はKATOの「いいで」セットに入っているキロ28から加工できます。ユニットサッシのコンバージョンキットを使うか、「きのくに」セット等に入っているユニットサッシ製品から窓周りを移植するなどして加工するのも楽しそうですね。(加工は大変そうなので私はなかなか手が出ませんが…)

 

次回はAU13対応冷房車(一部準備車)として製造された139以降でユニットサッシ化された車をご紹介したいと思います。

 

 

今回も最後までご覧いただきありがとうございました。それでは次回もお楽しみに!!