岐阜県の長良川鉄道を走る「観光列車ながら」。今回はランチプランとスイーツプランで郡上八幡を往復。極上イタリアンの食事を楽しみ、名水が有名な城下町"郡上八幡"を観光してきました!
*2021年12月の情報を基に作成しています
水戸岡氏がデザインを手がけた真っ赤な列車
JR高山線と太多線、そして長良川鉄道が接続する交通の要所「美濃太田駅」。「観光列車ながら」はここから発車します。発車の20分ほど前に到着しましたが、ホームにはすでに「観光列車ながら」の姿が!
列車のデザインは、JR九州の「ななつ星in九州」など数々の列車のデザインを手掛けた、水戸岡鋭治氏。真っ赤な色が映えるボディ。光の当たり具合によって、メタリックなレッドからワインレッドへと変化する、おしゃれなデザイン。
「観光列車ながら」は2両編成。先頭の「森号」は食事なしの"ビュープラン"の車両、そして2両目の「鮎号」は食事付きプランのレストラン車両になっています。
木をふんだんに使った豪華な車内に驚き!
座席によってモケットの柄が違っていておしゃれ!
2人がけ、4人がけのボックス席。
ボックスの間にはガラスの仕切りや、通路側にはカーテンがあるので、半個室のようなプライベート感があります。
窓側に向いたカウンター席。食事を頂きながら長良川の絶景が楽しめる特等席!
テーブルには「観光列車ながら」の記念乗車券。デザインはもちろん水戸岡氏。
裏側にはスタンプが押せるようになっています。車内にある記念スタンプを押せば素敵な記念に!
郡上八幡「雀の庵」の極上イタリアンランチ
テーブルにはすでに食事の準備が整っていました。
今日の料理は、郡上八幡にあるイタリアンレストラン「雀の庵」の極上イタリアン。「美濃太田駅」を発車するとアテンダントさんが蓋を取ってくれます。では、オープン。
おぉー!伊勢海老が凄い!美味しそう!
わさびとともに蒸した伊勢海老。身はぷりぷりで海老の風味も濃厚!ピリリと効いたわさびが、海老の味をより引き立ててくれます。
冬の今が旬で、鍋料理に活躍するクエ。こちらは薄皮のパイに包んで旨みを閉じ込め。ホタテとキノコのテリーヌ。ホタテの風味が口いっぱいに広がります。
飛騨牛のホホ肉を赤ワインで煮込み煮凝りにした、手の込んだ一品。柔らかいホホ肉からは上品な肉の味わいが広がり、煮凝りにする事で赤ワインの風味がしっかり効いています。スモークした信州サーモンと野菜のロートロ。ロートロとはイタリア語でロールしたという意味。
コンソメジュレの中には海老と人参。ジュレにする事で濃厚なコンソメ風味。ぷりぷり食感の海老とマッチ。
岐阜県で飼育された奥美濃古地鶏を筒状に巻き低温調理したバロティーヌ。ちなみに、先程のロートロをフランス語に訳すとバロティーヌになるのだそう。
フォアグラをプリンにした贅沢な一品。濃厚なフォアグラの味わいが口の中いっぱいに広がります。
鰻のてまり寿司。もち米?のようなモチモチした食感の握り寿司に、香ばしい鰻の白焼き。
地元の食材やイタリアンの技法を用いた料理を詰め込んだ豪華なお重。ぜひワインと共に頂きたいですね!
続いて登場したのは温かいお料理。
香箱カニの炊き込みご飯。石川県ではメスのズワイガニを香箱カニと呼びます。雄のカニより小さい分、濃厚な味わいの香箱カニがたっぷり。ご飯にもカニの旨みが染み込んでいて美味。
コンソメスープの中には、なんと飛騨牛のローストビーフ。しゃぶしゃぶぐらいのレア加減の飛騨牛は、上品な甘さの脂が口の中でとろけるよう。肉の旨みが凝縮されたようなコンソメスープも絶品。
美味しいお料理に舌鼓を打っているうちに、列車は刃物の町・関、美濃和紙が有名な美濃を離れ、車窓に長良川が見えてきました。
長良川そして国道256号線と並走しながら北上します。
真っ赤な橋と長良川。駅ナカに温泉がある「みなみ子宝温泉駅」を通過するとまもなく「大矢駅」。
「観光列車ながら」は「大矢駅」に到着。ここでトイレ休憩も兼ねて約10分停車します。
先頭車両の前に並べられた記念写真パネル。ブルートレイン風のヘッドマークがカッコいい!
反対列車が到着。「観光列車ながら」の3両目「川風号」でした。「川風号」の車内はロングシートで、このように普通列車にも使用されています。
「大矢駅」を発車すると、テーブルにはデザートプレートが運ばれてきました。
イタリア生まれのデザートといえばティラミス。ビターなエスプレッソがたっぷり染み込んだスポンジに、優しい甘さのマスカルポーネ。
フルーツが華やかなイタリア風のフルーツポンチ、マチェドニア。
抹茶の風味がとっても濃厚なブリュレ。
コーヒーとともに優雅なひととき。
列車は、長良川の眺めがきれいなところでは、速度を落としてゆっくり走ってくれます。川にはラフティングを楽しむ人が!
川底までくっきり見える程の透明度。
第五長良川橋梁は、伊勢湾台風で流された後に完成した二代目。東海道本線の大井川橋梁を再利用したもので、制作されたのはなんと明治時代。
遠くに雪を被った白山が見える橋梁が、最後の絶景ポイント。
最後に「観光列車ながら」に乗車した記念品が配られました。内容は日によって変わるそうですが、この日はなんと「明宝トマトケチャップ」。このケチャップ、とっても美味しいのです!嬉しい!
清流と名水の街 郡上八幡を散策
「美濃太田駅」から約1時間30分で終点「郡上八幡駅」に到着。
この後「観光列車ながら」は切り離し、前1両は長良川鉄道の終点「北濃駅」まで走ります。
「郡上八幡駅」は1929(昭和4)年に開業。2015年に有形文化財に指定され、2017年には開業時の外観に復元するなどリニューアルされました。またホーム屋根の柱に古レールが使われたり、木造の跨線橋が現存するなど、開業当時の姿がそのまま残ります。
帰りに乗車する「2号」までは約2時間。ここから郡上八幡の中心街までは徒歩で約15分。レンタサイクルや路線バスもあるので、アクセスは容易です。
長良川に合流する吉田川沿いに街が築かれた郡上八幡。
郡上八幡における清流のシンボル。
多くの湧水にも恵まれた郡上八幡。
宗祗水は名水百選第一号として登録されました。
街中には風情ある水路がたくさん敷かれています。
民家の裏手を流れる"いがわこみち"は、郡上八幡の中で最も絵になる場所のひとつ。
水路には色鮮やかな鯉たちが優雅に泳ぎ、美しさを引き立てています。
街から仰ぎ見る位置にそびえるのが郡上八幡城。
城下町の古い街並みが今でも残ります。
郡上八幡で有名なのが、飲食店のショーウィンドウに飾ってある食品サンプル。食品サンプル作りの国内最大手の会社が郡上八幡発祥なのです。食品サンプルの製作体験ができる施設もあるので、旅行に組み込んでみるのもおすすめ!
ぎっしり詰まったスイーツボックス
再び「郡上八幡駅」へ戻ってきました。北濃から戻ってきた「森号」と再び連結し、発車の時を待ちます。
帰りの「スイーツプラン」は、ランチと同じく「雀の庵」によるスイーツボックス。
テーブルにはすでに、スイーツが入ったお重がセッティングされています。では、オープン。
おぉー!美味しそうなスイーツがいっぱい!
ランチのスイーツにも登場した、ティラミスと抹茶のブリュレ。ティラミスは大きめのサイズ。
ヌガーグラッセはフランスのお菓子で、メレンゲと生クリームで作るデザート。ふんわり軽やかな中に、オレンジピールの風味が広がります。濃厚なマルキーズショコラには苺を添えて。
パリパリの生地に包まれたアップルパイ。りんごの酸味が強く効いた、さっぱりした味わい。
ベーコンとチーズのキッシュ。甘いものが続く中で、程よい塩気がいい感じに口休め。
スイーツを頂いている間も、列車は順調に南下。往路に続いて絶景ポイントでは徐行や一旦停止してくれます。
少し日が傾いて光の具合が変わり、往路とは違った長良川の姿を見ることができました。
往路と同じく「大矢駅」で停車。トイレ休憩ですが5分と短め。
「大矢駅」を発車すると、最後のスイーツが登場。飛騨古川にある牧成舎のミルクジェラート。ミルクが濃厚かつさっぱり!最後のお口直しにぴったりです。
「関駅」に到着。列車の行き違いと荷物の積み下ろしも兼ねて、関駅ではゆっくり小休止。
西日を浴びる「観光列車ながら」。美しい姿。
長良川を離れ、のどかな田園地帯を走る列車。終点「美濃太田駅」はまもなくです。
「郡上八幡駅」から約1時間40分。「観光列車ながら」は終点「美濃太田」駅に到着。
絶品ランチとスイーツが楽しめる列車に乗り、郡上八幡ではゆっくり2時間観光した日帰り旅。また、フリーきっぷは2日間有効なので、郡上八幡で1泊してもいいかも。皆さんもぜひ「観光列車ながら」に乗って郡上八幡を訪れてみては!
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