2021年12月28日、20156Fが1年9か月ぶりに営業運転に復帰。

何の問題もない車両が突如として2年近く運用から外れるというのは全国的にみても稀な例でしょう。ざっくり説明すると20105Fに車が突っ込んでVVVFがぶっ壊れて、それを直すための生贄になった感じです(たぶん)。なぜかVVVFが戻ってからも1年以上動いてませんでしたが。

とりあえずここにいろいろ記しておきます。

 

事柄(時系列)

以下、運用表は回送を除き​https://loo-ool.com/rail/​より使用。※誤っている可能性や途中の車両交換を把握できていない可能性があります。ご了承ください。

 

2020/02/25 (火)

06:04頃、井荻~上井草間で踏切事故。井荻3号踏切にて通過中の下り電車に乗用車が衝突したようで、その下り電車が4601レとして走行中の20105Fとみられます。

事故後はしばらく小平に停車しており、その後は7:40頃に久米川を下ったとの情報がありました。それによると行先無表示・室内灯消灯とのことで若干ヤバい感じがありますが、実際ヤバかったようでここから1ヵ月ほど運用を離れています。

恐らくこの時に20805号車のVVVFを破損したものと思われます。

 

ちょうど上井草→井荻で止まっていた5102レが当該との見方もありますが、以下のリンクから、報道機関の情報と異なる点、また7時半頃の時点においてその列車は止まったままであるものの現場の踏切は上り列車の接近を示しているという点がわかり、このことから否定できる(踏切手前で停車していた)と思います。

 

2020/03/28 (土)

この日の5632レを最後に20156Fの目撃情報が途絶える。この前後、事故や車両故障といった情報は出ていません。

 ┌新 宿0457←0435上石神─○5002
 └新 宿0501→0551新所沢┐ 5801
 ┌新 宿0652←0611新所沢┘ 2804
 └新 宿0701→0758本川越┐ 2611
 ┌新 宿0858←0802本川越┘ 2628
 └新 宿0903→1003本川越┐ 2631
 ┌新 宿1126←1008本川越┘ 5608
 └新 宿1133→1209田 無┐ 5131
 ┌新 宿1255←1221田 無┘ 5130
 └新 宿1303→1422本川越┐ 5633
 ┌新 宿1546←1426本川越┘ 5632
 └新 宿1553→1628田 無┐ 5157
 ┌新 宿1714←1637田 無┘ 5156
 └新 宿1718→1756田 無┐ 5165
 ┌新 宿1843←1802田 無┘ 5164
 └新 宿1848→1925田 無┐ 5177
 ┌新 宿2021←1940田 無┘ 5176
 └新 宿2024→2120玉川上┐ 5253
 ┌田 無***←****玉川上┘ 91**
 └───────────┐
 ┌新 宿2229←2157田 無┘ 5188
 └新 宿2235→2328新所沢┐ 5813
 ┌───────────┘
 └新所沢****→****南入曽─△5813
(2020/03/14改正休日)

 

この後20856号車はVVVFが取り外され、(遅くとも5月頭以降は)長らく南入曽車両基地の10番線に留置されることに。数ヵ月に一度ほど、他の番線に移動することもありましたが、大半は数日以内に戻っていたと記憶しています。稀に自走での入換も目撃されていました。

パンタを上げて通電し、行先を表示していることもありましたが、(VVVFがつくまでは)画像のように20856号車はパンタを降ろしたままという状態が多かった印象です。

また10番線の新宿寄りには、9108Fや2000系の4連が数日~数週間にわたり留置されるといったことも多々ありました。

(参考:南入曽車両基地 構内配線図 鉄道ピクトリアル2013年12月臨時増刊号より引用)

 

2020/04/03 (金)

20105Fが試運転を実施。9755レ~9758レで南入曽~本川越を2往復しました。

この時までに、20805号車のVVVFを元20856号車のものへ載せ替えたものと思います。

(2020/04/05 9758レ 南大塚~新狭山)

余談ですが、20105Fは離脱中の03/18~03/25頃に列車無線工事を、さらにその後にラッピングの変更を実施しています。そしてなんと試運転時は新宿に向かって左側の側面のラッピングが未変更でした。また、公式発表ではラッピングの変更が池袋線(20104F)のみとされていたのも面白いところです。

 

2020/04/05 (日)

2654レから20105Fが営業運転に復帰。告知のなかったラッピング変更ですが、西武線アプリの表示はしっかり改められています。

○─南入曽****→****本川越┐ 96**
 ┌新 宿1208←1107本川越┘ 2654
 └新 宿1211→1313本川越┐ 2651
 ┌新 宿1418←1317本川越┘ 2668
 └新 宿1421→1509拝 島┐ 2335
 ┌新 宿1607←1519拝 島┘ 2346
 └新 宿1611→1713本川越┐ 2675
 ┌新 宿1814←1718本川越┘ 2692
 └新 宿1821→1923本川越┐ 2695
 ┌新所沢***←****本川越┘ 95**
 └───────────┐
 ┌新 宿2034←1953新所沢┘ 2814
 └新 宿2040→2143本川越┐ 2715
 ┌新 宿2243←2148本川越┘ 2726
 └新 宿2251→2353本川越┐ 2729
△─南入曽****←****本川越┘ 95**

(2020/03/14改正休日)

 

2020年11月頃?

20156Fの20856号車へVVVF取付。遅くとも12月4日までには行われていたようです。この頃、16番線での留置が目撃されています。

VVVFは20805号車から取り外したものを修理の上で取り付けているものと思われますが、以前と若干異なる部分がありました(詳細は後述)。

 

2021/12/09 (木) ~ 10 (金) 頃

1年以上特に変わった動きのなかった20156Fですが、18番線の転削場に入りました。車輪転削を実施したものと思います。

 

2021/12/14 (火) ~ 15 (水) 頃

20156Fが14番線のピットに入る。月検査を実施したものと思われます。車内の消火器の封印は15日で付けられていました。

 

2021/12/16 (木)

20156Fが試運転を実施。9751レ~9756レで南入曽~本川越を3往復走行しています。途中、減速と再加速を繰り返していたようで、踏切の作動から列車通過までの時間の長さも目立ちました(通過時は至って普通の速度でした)

写真を見るとスカートなどの退色が気になります...

試運転後は再び南入曽車両基地の14番へ入ったようで。以後、10番以外への留置も増えました。

(2021/12/16 9754レ 狭山市~入曽)

 

2021/12/20 (月) ~12/24 (金)

20156Fが定期回送運用に就く。5日とも同じ運用で、南入曽~新所沢を3往復しています。

(2021/12/20 9564レ 新所沢駅)

 

 ┌新所沢1256←1254南入曽─○9562
 └新所沢1307→1310南入曽┐ 9519
 ┌新所沢1358←1355南入曽┘ 9564
 └新所沢1407→1410南入曽┐ 9521
 ┌新所沢1456←1453南入曽┘ 9566
 └新所沢1507→1510南入曽─△9523

(2021/03/13改正平日)

試運転のような運用ですが、れっきとした定期回送で、職員輸送のために日中のみ毎時1往復運転されています。

2019/03/16のダイヤ改正以降、日中の新所沢始発・終着列車≒南入曽発着列車がなくなった(国分寺線直通休止分の補填で本川越へ延長)たために設定されたようです。

 

2021/12/28 (火)

20156Fが5872レから営業運転に復帰。なんといきなり平日2本しかない狭山市始発に入ったようです。狭山市→新宿→田無→新宿→新所沢と動き、10時半前に南入曽へ入庫。再出庫はありませんでした。

(2021/12/28 5112レ 田無~西武柳沢)

 

○─南入曽****→****狭山市┐ 9651
 ┌新 宿0751←0644狭山市┘ 5872
 └新 宿0754→0830田 無┐ 5109
 ┌新 宿0919←0840田 無┘ 5112
 └新 宿0922→1020新所沢┐ 5815
 ┌───────────┘
 └新所沢1021→1024南入曽─△5815
(2021/03/13改正平日)

 

 

その後

ようやく復帰かと思われたところですが、その後もしばらく営業に就かず...01/04から?またしばらく南入曽~新所沢の職員輸送に入っていたようです。

(2022/01/05 9562レ 新所沢駅)

 

2022/01/11(火)

夕方から2週間ぶりの営業運転へ。例の職員輸送に入った後でした。この日は上石神井へ入庫し翌日も営業に就いており、いよいよ本格的な運用がスタートしたようです。

(2022/01/11 5821レ 東村山駅)

 

 ┌上石神1627←1555南入曽─○9036
 └───────────┐
 ┌新 宿1702←1631上石神┘ 5026
 └新 宿1704→1815新所沢┐ 5821
 ┌新 宿1944←1846新所沢┘ 5830
 └新 宿1947→2031田 無┐ 5173
 ┌───────────┘ 
 └田 無****→****小 平┐ 92**
 ┌───────────┘ 
 └小 平2052→2113拝 島┐ 5433
 ┌小 平2150←2129拝 島┘ 5438
 └───────────┐
△─上石神****←****小 平┘ 9048

(2021/03/13改正平日)

 

VVVFインバータについて

20000系のVVVFは日立製作所製の3レベルIGBT方式で、8M制御のVFI-HR1815Bと4M制御のVFI-HR1415Aが存在します。ここでは主に前者について記載します。

まず外観となんとなくの構造を見ていきましょう。先に通常のVVVFから。(2022/01/15&01/20追記・修正)

新宿に向かって左側に1群のユニットが、右側にはそれを左右反転したような形状の2群のユニットがあります。2つに別れているように見えますが上部で繋がっている1つの部品で、2群の方には銘板などがありません。

本川越寄りに3つのパワーユニットが並んでおり、1群・2群とも左からU相、V相、W相となります。また双方とも本川越寄りの1つ(W1・U2)のみ網目カバーの幅が広くなっていますが、中のパワユニそのものは3つとも同じサイズに見えます。

新宿寄りの平坦な部分は、1群の方にはゲート制御部、2群の方にはモニタ装置の端末局が入っているようです。

なお4M制御のタイプも外観はほぼ同じで、2群のパワユニ本体だけが抜かれた形になっています。(2022/01/20追記・修正 2022/04/28修正)

 

で、20856号車のVVVFがこちら。

1群の方はパッと見ほぼ新品のようにも見えますが、よく見ると綺麗になっているのはゲート制御部の蓋と、パワユニのカバー・本体のみ。ここは恐らく新品でしょうが、筐体そのものはほぼそのまま使っているようです。

そしてあろうことか、右端(W相)のパワユニのカバーが他2つと同じ幅になっています。どうしてこうなった。それに伴い筐体にも若干の改造が。

一方、2群の方はまるっきりそのままのようです。パワユニのカバーが若干綺麗なのは、全検の時に清掃でもしたのでしょう(20105Fは2019/07/26出場=このVVVFは7ヶ月しか走ってない)

なお、銘板についても追加や変更は行われていないようでした。このことから、中身もほぼそのままである可能性が高いと思います。

また、装置を取り替える際にはボルトなども綺麗になる場合が多いですが、今回は汚れたままのようです。

 

続いて交換に関しての裏取り的な銘板関連の話。

多くの場合、部品の銘板には製造年月と製造番号が記されています。しかしながら製造番号は素人が解読できるようなものではないのが大半。

ただ西武では、様々な部品にわかりやすい管理番号が振られており、銘板付近に記されています。20000系のVVVFも例外ではありませんでした。

ここでは、製造年月と管理番号に焦点を当ててみていきたいと思います。確認した限り、以下のようになっていました。

20156F (2001/11/16竣工)

20256:2001年8月 VFI-813

20856:2003年6月 VFI-822

20105F (2003/09/26竣工)

20205:2003年6月 VFI-821

20505:2003年6月 VFI-405

20805:2001年8月 VFI-814

製造年月についてはもはや言うまでもないでしょう。

管理番号については、十位以下が製造順で振られているものと思います。

20000系の製造は、01・51~56・02~06・57・07・58・08の順。0番代の10両編成は8M制御の装置を2つと4M制御の装置を1つ、50番代の8両編成は8M制御の装置を2つ搭載しています。

これを前提に計算してみると、8M制御タイプは20856が14台目、20805が22台目となり、少なくとも製造時は20856がVFI-814、20805がVFI-822と考えるのが妥当でしょう。

そして製造後、本件の前に交換された可能性について。従来の抵抗制御などの装置では、検査時に外したものを別の車両へ取り付けるということが頻繁に行われているようですが、VVVF車ではそのようなことはしていないと認識しています。実際、この2本以外にも20000系で何両か管理番号を確認しましたが、全て製造順と一致しました。30000系以降ではVVVFの管理番号表示が省略されているのですが、これもそのような事情を加味したものと考えることもできます。

 

余談

管理番号について、VFはVVVF、IはIGBT素子、数字の百位はその装置が制御する主電動機の数をそれぞれ意味しているものと思います。10112Fもほぼ同様の装置を用いていますが、別の番代が割り当てられているものと思います。

また主制御器のほか、それに関連する機器にも同じ管理番号が振られるようなのですが、今回それらは交換されなかったようで、断流器と真空遮断器をそれぞれ確認したところ、どちらも20805号車は「VFI-822」、20856号車は「VFI-814」となっていました。

それから、検査について。

20105Fは前述の通り2019年7月末に全検を受けており、20156Fは2018年7月末に全検を受けています。そして上記諸々の事情を加味すると、そこから2021年12月末までの使用期間は以下の通り。

20805のVVVF「VFI-814」:3年5ヶ月

20105F:2年4ヶ月

20156F:1年8ヶ月

20856のVVVF「VFI-822」:7ヶ月

編成全体とVVVFとでかなりの差ができており、次回の検査がいつになるのか注目したいところなのですが、20000系の全般検査が約6年周期ということで完全に忘れてそうなレベルです。3~4年おきに新重要部検査も実施しているようですが、車両基地で数日で終わってしまうため把握が困難。次の全検まで頑張って覚えておきましょう...

 

車体・車内など

まず先頭部の塗装面について。20156Fは前述の通り2018年7月に全検を受けており、2020年3月の時点では状態は良好だったようです。

そこから2021年12月までほぼ動かず洗車もせず。その結果、前面の灰色は何故か光沢を残したまま部分的に白化しています。どうしてこうなったのか専門家の意見が待たれるところ()

新重検を車両基地で行うため約6年周期の全検でしか再塗装ができないということで、6000系以前の車両とは違う特殊な塗料を使っているのかもしれません。

(20056号車 2021/12/20)

 

そして離脱前後の車内の変化について。

ここでは便宜上、2021/12/20〜24の職員輸送を「復帰前の職員輸送」、2021/12/28の営業運転を「暫定復帰」、2022/01上旬の職員輸送を「復帰後の職員輸送」、2022/01/11の営業運転以降を「本格復帰後」と記載します。

 

・QRコード

2020/03/04以降、西武鉄道Webサイトの運行情報ページにアクセスできるQRコードが記されたステッカーが自社専用車の車内に掲出(参考リリース)されています。20156Fでは復帰前の職員輸送(12/20)の時点で掲出が確認されていますが、離脱前に貼られていた可能性が高そうです。情報追加と日付修正(2022/04/27)

(参考:20251号車 2022/01/042022/01/14)

 

・抗菌加工

2020年8月末から10月末にかけて全車両へ抗ウイルス・抗菌コーティング加工を実施し、施工済の車両内にはステッカーが掲出(参考リリース)されました。ステッカーは4ドア車では通常は1両4ヶ所、1,4,5,8番ドアの鴨居部(千鳥配置)という配置となっています。

20156Fでは何故かこのステッカーが復帰前の職員輸送(12/23)の時点では貼られておらず。暫定復帰(12/28)の際には1両2ヶ所、4,5番ドアの鴨居部のみ貼られた状態でした。さらに本格復帰後に確認すると1両に4ヶ所、正規の配置へ。しかし変な手順を踏んだためか、2号車では1番ドアに貼られるべきものが2番ドアに貼られています。

何にせよ本当にコーティングしているのか若干怪しいところです...

表現変更と日付修正(2022/04/27)

(参考:6152号車 2022/01/042022/01/14)

 

https://stat.ameba.jp/user_images/20220115/20/b81442255/ca/e0/j/o4536453615061710019.jpgから画像変更しました(2022/01/29)

 

参考:西武車のドア呼称順位 (旅客向けの点字ステッカーとは異なります。)

←飯能・西武新宿池袋・本川越→
飯能・新宿方先頭車/中間車 池袋・川越方先頭車

 

・表示器など(2022/01/15追記)

2021/03/13のダイヤ改正にあわせて西武遊園地駅が多摩湖駅に改称されるため、各表示器などに「多摩湖」が追加されました。20156Fでも2021年3月に「各停多摩湖」の表示が確認されています。

 

・停車駅案内

2021/03/13のダイヤ改正より、車内に池袋線・新宿線双方の停車駅案内が掲出されています。(従来はその車両が走行している路線のみの掲出で、転属・貸出時には変更)これに関しては復帰前の職員輸送(12/21)の時点で双方の掲出を確認しました。

 

・ドア窓の金具(2022/01/29追記)

20000系・30000系ではドア窓周囲の金具に白の塗装がされているのですが、このうち20000系では近年剥げが目立っており、そのためか2021年頃に(?)白塗装が落とされています。

ヤスリなどで削り落としたものとみられ、金具の表面仕上げに若干の違和感があるものとなっています。といってもこれについてはいくつか種類があるようで。また車両によっては、断面を中心に塗料の削り残しがありました。貫通扉窓にも近似する金具が白塗装の上で使用されていますが、こちらの塗装はそのままのようです。

20156Fでも復帰前の職員輸送(12/21)の時点で既に実施されていたようです。表面仕上げについては比較的細かい目が金具と平行に入っており、違和感は小さいものでした。塗料が残っている点を除いては。

 

・「非常ハシゴ未搭載」

2021年11月上旬より、20000系等の運転台に「非常ハシゴ未搭載」の表示が掲出されており、詳細は不明ですが、2021/10/31に京王線車内で発生した刺傷事件を受けてのものと見られます。ステッカーは「電子笛装備車」などと異なり比較的大きく、また角も落とされています。職員輸送の際には見忘れましたが、暫定復帰時(12/28)には掲出を確認しました。

余談:同じくこの表示が掲出されていた10000系では1月上旬頃より非常ハシゴの搭載が始まりました。

(参考:20058号車 2021/11/08)

 

・列車無線装置

西武では2018年から列車無線のデジタル対応化を進めており、当然ながらそこで無線の本体装置(多くは運転台背面に設置)も新しいタイプに交換されるわけですが、2021年3月施工の6102Fからこの装置がさらに新しいタイプ(いわば『新「新タイプ」』)へ変更されています。そこまではいいのですが、あろうことかそれ以前に施工した車両に載っている『新「旧タイプ」』も『新「新タイプ」』へ再度交換されつつあるのです。2020年2月施工の20156Fでも『新「新タイプ」』への交換を確認しました。

また、無線装置の新旧と連動して(?)運転台の列車無線表示器にも若干の差がありまして、『新「新タイプ」』搭載車は画面右下の「輝度」の部分に現在の設定が表示されるようになり、さらに画面外の右下に緑の丸シールが貼られています。

なお列車情報装置の表示である、「通信中」の有無と文字色(赤or緑)は状況により変化するもので、個体差ではありません。

余談:西武の列車情報装置は列車選別装置(乗務員が設定した種別等の情報を、車両から地上へ送信する)の派生形のようなもの。これに加えて主要駅において逆方向の地上→車両の通信も行い、折返し時などの情報入力を自動化しています。しかしこれはあくまでも入力のみで設定はされず、この状態を緑文字で示しているというわけで、乗務員が確認操作をすることで赤文字になります(ダブルチェック的なシステム)。乗務員が手入力した場合は最初から赤文字となりますが、その様子は小竹向原ぐらいでしか見れないかと...また、「通信中」については詳しいことはわかりませんが、概ね運転士側に表示されるようです。いずれも正確な調査は難しく、間違いがあるかもしれません。間違ってたらごめんなさい。

 

 

今回の件はこれで以上になります。最後までご覧いただきありがとうございました。誤りなどありましたらコメント欄にでもお願いします。また何か書き忘れなどを思い出したら追加するかもしれません。

 

参考

西武鉄道運行情報(公式) (@seiburailway) - Twitter

『西武時刻表』各号

西武新宿線運用情報 - 運用調査

『鉄道ピクトリアル』 2013年12月臨時増刊号(通巻884号) 「武蔵丘車両検修場の概要」「車両所の概要」「西武鉄道 車歴表」

『鉄道ファン 』 2000年9月号(通巻473号)「大手私鉄各社の車両データバンク1999/2000」

技術基準適合証明等を受けた機器の検索 - 総務省 電波利用ホームページ

『運転協会誌』 2012年3月号(通巻633号)「西武鉄道の無線を利用した列車情報装置による運転保安」