初代「伊予灘ものがたり」のラストラン運行が、終了しました。
【1】伊予灘ものがたりの魅力
私は「伊予灘ものがたり」に乗りに四国に31回出かけて、82本に乗りました。
(100回以上乗った人も、軽く10人は超えていますので、私より熱中しているファンの方は多数いますが)
こう書くと、なぜ「伊予灘ものがたり」に何度も乗りに行くのか?と思う人がいます。
「伊予灘ものがたり」には多くの魅力があります。
《1》美しい伊予灘の景色
青く澄み切った青空と海、伊予灘に沈む夕日。天気と時間によって表情が異なります。
《2》落ち着く車両
普通列車グリーン料金で乗れる快適な車両。
《3》美味しい料理
沿線の名店の料理が景色を見ながら楽しめます。
《4》沿線の人の温かさ
地元の方々からの歓迎、ありがたいです。
《5》アテンダントさん
アテンダントさんのおもてなし、素晴らしいです。
この中でも、他の観光列車より特に素晴らしいと思うのは、《4》沿線の人の温かさと《5》アテンダントさんです。
「景色だけ」「食事だけ」なら、「伊予灘ものがたり」以上の水準の観光列車は、他にも存在します。
伊予灘ものがたりが凄いのは、それ以外の「人」の部分です。
沿線の歓迎については前回まとめましたので、今回は、アテンダントさんの接客について。
【2】7年前の「伊予灘ものがたり」
7年半前の2014年7月26日に、「伊予灘ものがたり」が運転を開始しました。
私は当時から日本全国の車内販売全制覇を目指していて、増加していた観光列車にどんどん乗っていました。
私は「伊予灘ものがたり」にも、運転開始から約1か月後の8月下旬に乗りました。
その時の衝撃は、今でもハッキリと覚えています。
初期のアテンダントさん3人が、とてつもなく感動的だったのです。
■前向きな姿勢
私はアテンダントさんに、飲み物などの注文を何度かしました。
話がしやすかったので、マニアの無駄話を、ついしてしまいました。
「いやぁ、この列車、良いですねえ。私は車内販売のマニアでして、全国の車内販売を利用しまくってますが、すごく良いですよ」とアテンダント■■さんに話しかけたのです。
すると、笑顔から真剣な表情に急に変わり、逆に私に質問してきたのです。
「現在の車内販売はこの一覧の通りですが、他にどんな品を加えると良いですか」
私は「地元愛媛の飲み物・食べ物は揃ってますから、この路線で良いと思います」と答えましたが、
さらに良い列車に改善しようという貪欲な姿勢に、驚くと同時に感激しました。
■ものすごい必死さ
2回目3回目は、●●さんに感激しました。
1回目の乗車では、「料理を絶対揺らしてはいけない」と、不安な表情をしながら、必死に頑張っていたのが、強く印象に残っていました。
2回目(2015年2月8日)も、頑張っていましたが、表情に余裕が出ていて、すごくレベルアップしたと感じました。
3回目(2015年4月5日)の乗車をして、飲み物の注文をしようと声かけて目が合っただけで「あっ、またお越しくださったのですね」と言ってくれたのです。2か月前に1回乗った客を、しっかりと覚えてくれたのは感動的でした。
■安定した配慮
そして、安定した仕事っぷりをしてくれたのが▲▲さんです。
放送は滑らか、気遣い抜群、人あたりが良い素敵なアテンダントさんです。
凄かったのは、ビールを飲みほして追加注文したいと思ったときに、スッと来てくれる点でした。
全体を見回すことができる凄腕アテンダントさんです。
(↑最後の道後編の出発式です。発車したら虚無感に襲われました)
【3】会えて良かった
何で思い出話をしたかというと、
この3人がラストランの日に、添乗員として乗り込んでくれたのです。
3人とも現在は、JR四国の他の部署に異動していたのですが、1日限定で古巣に戻ったのです。
残念ながら、大洲編と道後編には席が確保できずに、添乗員として乗務する姿は直接見られませんでした。
ホントは「この喜多灘駅の看板は、私が描いたのです」というセリフ、聞きたかったなあ。
(当初の伊予灘ものがたり企画室長さんも来られて挨拶できました。それぞれの元アテンダントとファンの思い入れに応えて、初代伊予灘ものがたりのラストランに合わせて復帰させてくれたJR四国には、大感謝です)
でも、駅で待機している元アテンダントの3人と、30秒ほどでしたが話をすることができました。
これだけでも、ラストラン当日に四国に来た甲斐がありました。
例えて言うなら、AKBの推しメン3人が「卒業」してしまい、数年後に1日限定でコンサートを開催することになって、チケット取れずに会場付近にいたら、推しメン3人に覚えてもらっていて挨拶できた、というのと同じ状況なのです(^^)/
(↑最後の道後編が松山に入線する様子。式典は無く、厳戒態勢でした。)
現在は、観光列車が増えて、他の鉄道会社も研究を重ねて、全体的に接客水準が上がってきました。
でも7年半前の「伊予灘ものがたり」は、JR九州のように乗務歴10年のベテランが接客しているのでもなく、研修は済ませたと言ってもまだまだ「素人」なのです。そのかわり、とてつもない努力と一生懸命さはありました。
人口減少や高速道路の整備で、鉄道の利用者が伸び悩む中、いわば会社の命運がかかったプロジェクトに、若手社員が抜擢されたわけですから、プレッシャーは大変だったと推察します。
少し前まで駅員や車掌をしていた人が、ここまで頑張る姿には、本当に感激してしまったのです。
ちなみに2年目に乗務を始めた2人も、驚くほどハイレベルな応対ができていて、「箱推し※」できるようになりました。
五郎駅や下灘上灘など沿線の人も含めた「箱推し」ですが。
(※「箱推し」・・・アイドルグループ等の決まった1人だけを応援するのではなく、グループ全体を応援すること)
思いを出しすぎてしまったようです。まあいっか。
【4】おもてなし
ラストランとその前日には、いろいろなおもてなしがありました。
●ハート形のメッセージ
最終日限定のハート形のカードです。
アテンダントさんからのメッセージが印刷されたものです。
初代伊予灘ものがたりのラストランを迎えた挨拶です。
最終日に1本でも乗れたのが、有難かったです。
手配してくれたフォロワーさんに感謝です。
初めのアテンダントさんは、もう乗務していません。
ですが、次の代へとアテンダントの姿勢は、かなりの部分受け継がれていっています。
●みかん
甘くて美味しいミカンが配られました。
全員に1人1個もらえました。
ただし、抽選で1号車・2号車から各1名に、ハート形の箱入りが当たりました。
私はハズレましたが、2年前に当選した時の写真がこちら↓
すごい貴重品です。
【5】次も期待
4月頃に走り始める「新・伊予灘ものがたり」も、期待しています。
ラストラン当日、式典と挨拶を終えて会場から立ち去る知事さんが、こうつぶやいていました。
「次は185系だっ、よしっ!」
県政のトップが、こういう鉄道愛が感じられるセリフを呟きながら、ガッツポーズのように力強くこぶしを握ってたわけですから、愛媛県も全面支援するでしょう。
ラストランの記事、1回目と2回目はこちら↓