これまでもご紹介しておりますように、長崎線の長崎地区の運用と言いますと、特に本数が多い長崎~諫早間でも電化区間の「新線」とも呼ばれます「市布経由」、非電化区間の「旧線」とも呼ばれます「長与経由」とが存在しておりまして、それぞれ早朝から深夜にかけまして運行されている事もありまして、多くの方々が利用されております。
このうち、電化区間の「新線」こと「市布経由」では、非電化区間でもあります大村線からの直通列車も快速・区間快速「シーサイドライナー」の存在もありまして、佐世保車両センターのYC1系気動車も運行されておりますが、それでも代表する列車としまして、上の画像の同じく佐世保車両センター所属の817系電車が運行されておりまして、基本的に2両ワンマンではありますが、朝の1本(2821M)では2編成4両での運用も存在しております。
そして、それら列車をフォローするべく運行されておりますのが、画像の南福岡車両区所属の415系(1500番台)電車でありまして、日中は画像の長崎駅留置線で留置される姿が見られておりますが、朝・夕~夜にかけまして運行されている姿を見る事ができておりまして、まさにラッシュ時にはなくてはならない存在である事が伺わせております。
(令和2年撮影、長崎駅旧留置線)
けれども、タイトルにもありますように、415系電車の運用は3日間かけまして運行されておりまして、その運用も長崎地区に入りますと緩い運用となっているのが特徴でもあります。今回は、この415系電車の長崎地区の運用・運行列車に関しまして皆様にご紹介してまいります。
実際に、415系電車の長崎地区では3編成が運用に就いておりますが、画像のように3編成とも日中は休んでおりまして、朝留置線に入りますと夕方からでないと運用に入る事はありません。
(令和2年撮影)~現在は高架上のため、このような姿は収められません
現在の415系電車の運用は以下の通りです。現在は下り6本・上り4本で定期運用されておりまして、それとともに佐賀駅・肥前大浦駅・土井崎信号場(→小長井駅)への回送列車も存在しておりまして、それら定期列車の中で運行されております。
【下り】
821M 肥前大浦6:03→長崎7:32
2823M 佐賀5:34→長崎8:06
823M 小長井7:10→長崎8:31
833M 諫早19:11→長崎19:47
835M 小長井19:55→長崎21:27
837M 湯江21:32→諫早21:50
【上り】
2878M 長崎16:36→肥前山口19:03
828M 長崎17:59→小長井19:07
830M 長崎18:30→諫早19:07
834M 長崎20:06→湯江21:07
この415系電車の運用は、平成28年3月改正までは南福岡車両区、鋼製車両ばかりでした現在は所属車両なしの小倉総合車両センター門司港派出(←門司港運転区)の車両も運行されておりましたが、現在は全て1500番台・ステンレス車両の南福岡車両区の車両で運行されております。
尚、稀に特別な事情(運用変更)がある場合は、鋼製車両の大分車両センターの車両も運行する場合もあります。また、平成30年3月ダイヤ改正までは長崎駅発朝、鳥栖駅発昼の運用も存在しておりましたし、特急「かもめ」と同じ長崎→博多間の長距離運用も土日祝日に存在しておりました。
(門司港運転区所属時代、鋼製車)~浦上駅(改良工事前)にて
(FM1501編成、鳥栖行き)~現在は大分車両センター所属Fo1501編成
そして、大幅な減便が生じられました平成30年3月のダイヤ改正に伴いまして、415系電車の運用も削減されておりまして、その結果長崎駅発朝・鳥栖駅発昼の運用などがなくなりまして、その結果上の表の列車のみの運用となっております。
それでも、運用は3運用には変わらず、かつ長崎駅留置線で昼間は3編成とも休んでいる姿が見られておりますし、夜間には長崎駅の他諫早駅でも滞泊しておりまして、ご紹介しておりますように3日間で運用をこなしている事もありまして、運用上は緩い運用となっているのが現状でもあります。
ここでは、特筆する列車をご紹介します。このうちの長崎~小長井系統は、平成25年のダイヤ改正で朝小長井駅発の列車が誕生しておりまして、そして翌平成26年のダイヤ改正におきまして長崎駅発の列車も夕方発で運行を始めておりまして、そして平成30年3月の改正では夕方~夜間に肥前山口方面へ運行されていたもの1往復が区間短縮によりまして小長井~長崎間の系統に入りまして現在に至っておりまして、上の表にありますように、415系電車は823M・828Mにおきまして運行されております。
(前面)
こちらは、令和2年訪問時に撮影・乗車しました、小長井発長崎行きの823M(FM1521編成~現在は大分車両センターFo1521編成)であります。この列車は、回送として朝長崎駅から土井崎信号場まで運行しまして折り返し、さらに小長井駅までも回送しましてこの運用に入っておりますが、乗車しました現川駅からは多くの乗客の姿が見られておりましたし、それとともに乗車率も立席の方も多く見られておりましたので、まさにラッシュ時にはふさわしい電車である事が伺わせております(上の表にもありますように、現在もこの運用は見られます)。
823Mで長崎駅到着直後の長崎駅留置線であります。この時点では821M・2823Mとして長崎駅にやってきておりました2編成の姿が見られておりまして、この後夕方からの運用まで休む事にもなりますし、その下の画像のように823Mとしてやってきました車両もこの後留置線に入る事にもなっております。それにしても、以前は画像のように長崎駅構内で見る事ができておりましたが、高架化によりましてこのような姿が間近で見られなくなったのは残念な所ではあります。
(このあと3編成並んだ姿)
こちらは、今回訪問時に3日間に及びます長崎地区の運用を終えて肥前山口駅へ2876Mとして向かう事になりますFM1519編成であります。この時は幸町にあります留置線から長崎駅へ入って来ていた姿でありましたが、8時間にも及ぶ「昼寝」を経ましての運用ですので、「さ、今から長崎線を走りますかね」と言う印象さえも感じさせられる所でもあります。
(YC1系気動車との並び)
このあと、2876Mはゆっくりと約2時間30分かけまして肥前山口駅へと北上する事になりまして、長崎地区の運用を終える事にはなりますが、肥前山口駅着後は夜の2877Mとして肥前大浦駅へ、そして多良駅滞泊ののち翌朝再び肥前大浦駅から2824Mとして門司港駅へと向かいまして、6日間に及びました長崎線での運用も終える事にもなります。
今回は、3日間に及びます415系電車の長崎地区の運用に関しましてご紹介しましたが、この415系電車は関門トンネルを抜ける事ができる交直流電車である訳ではありますが、ご紹介しましたように、415系電車もラッシュ時にはふさわしい電車である事がお分かりいただけます。それほど817系電車で裁き切れない分重要な存在である事がわかりますが、秋には「有明線」区間が気動車化されますので、この運用も残念ながらなくなる見込みです。今後はYC1系気動車が中心となるようではありますが、この終了までの間に私自身もまた収める機会あればと思っておりますし、ご覧の皆様も乗車する機会ある方は利用していただければとも思います。