JR九州485系 | 車内観察日記

車内観察日記

鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

九州鉄道記念館、JR九州が保有する車両を展示している博物館で、門司港駅に隣接して立地しています。

 

ここに保存されている車両の1両が、かつて北海道から南九州まで全国各地の電化区間を走り回った名車、485系です。

 

ボンネットスタイルをもった先頭車で、JNRマークも付いています。

 

車番はクハ481-603、「クハ」を名乗っていますが新製当初はクロ481-5として登場しており、九州に来てしばらくしてから普通車に格下げされました。それにしても、なぜそんな改造車を保存車に選んだんでしょう…。どちらかと言えば、ここを作る話が出た時には「コイツしかいなかった」が正しいのかもしれませんが。

 

ヘッドマーク同様、方向幕は「にちりん」となっています。L特急のマークがまた懐かしいですね。

 

サボも「にちりん」ですね。

 

それでは入っていきましょう、まずはデッキのドアから。ここからでは目立ちませんがステップが有り、低床ホームにも対応しています。化粧板を省略した引き戸で、シンプルを地で行きます。

 

くずもの入れです。壁面に埋め込まれたタイプでは無く、床置きされたものになっていますね。

 

トイレです。博物館ゆえ立ち入り禁止ですが、中は登場当初の和式のままと思われます。

 

洗面台です。鏡の上部こそカーブを描いて多少は洒落っ気があるものの、照明はカバー無しなど国鉄らしい実用性重視感が有ります。

 

冷水・温水両方のレバーがあります。洗面台の横にあるのは痰壺で、これも昭和らしい備えと言えます。

 

振り返ると、そこには冷水機。今では衛生面等色々言われるのでしょうが、かつては長距離列車にはこのようなサービスもあったということですね。今では観光列車を除けば、どれだけ走ろうがいいとこ自販機くらいですから…。

 

車内です。紺色モケットの座席がズラリと並びます。…それにしても、やはり窓割りには違和感しか有りませんね。

 

デッキとの仕切りです。展示に際しては仕切り扉は開きっぱなしにされています。

 

広告枠には「旅先案内」と称して九州島内の路線図が入れられています。新幹線はもちろん未開業、485系もボンネットこそいませんがまだまだ健在、ソニックも前面パネルが黄色い編成がいた時代ですね(笑)

 

天井です。さすがに照明は点灯していません(笑)  冷房は分散式、機器が大きく張り出しています。

 

窓です。元グリーン車のため小窓が並びます。日除けは横引き式のカーテンですが、片側のみの設置です。もちろん、長さは1枚分あります(笑)

 

座席です。国鉄時代の普通車の代表的な座席とも言える簡易リクライニングシートを搭載しています。

 

レバーを引くと座面がせり出して背ズリが傾きますが、体重をかけておかないと「バーン」と元に戻ります。なのでリクライニングの図は取れず…。元グリーン車の窓割りは普通車のシートピッチと見事に不協和、1枚ほぼ丸々占有出来る区画から、ガッツリ柱が被る区画まで条件は様々です。日除けも片側からしか引けないので、場合によってはずっと日射地獄に晒されていたこともあったでしょうね。

 

車両の前に設置された看板。略歴も書かれています。

 

さて、485系はこの他にも保存車がおります。生首ですが…。

 

かつてJR化後に各地の485系がオリジナル塗装に変更されましたが、JR九州では「レッドエクスプレス」と称したド派手な赤一色に塗られてとても目立つスタイルでした。ボンネットタイプの先頭車もレッドエクスプレス塗装にされたものは中々でしたね。

 

残されたのはクハ481-246、この車両は国鉄塗装→レッドエクスプレス塗装→きりしま塗装→きりしま&にゅうが塗装と塗り替えが頻繁に行われた車両でもありました。

 

この展示は乗務員室に立ち入ることが出来ます。高運転台で、ステップを3つ上がる必要が有ります。

 

運転台です。ブレーキハンドルも刺さっています。

 

運転席より1枚。見張らしは良いですが、すぐ近くで何かあっても見えませんね…。

 

振り返るとスポットクーラーのような吹き出し口があります。ここから冷房でも出ていたのでしょう。

 

ついでに隣の電気機関車の生首も見てみましょう(笑)  こちらはED76 1号機の乗務員室です。なお、大分には1両まるごと保存された91号機が存在します。

 

こちらは電気機関車では極めて珍しいステンレス製、かつ世界初の交直両用であったEF30です。動態保存用としてJR九州に引き継がれたらしいのですが、今では生首しか残らなかったという有り様です…。なお、この近くを走るトロッコ列車の駅の近くに試作機のトップナンバーが、20号機が群馬県の碓氷峠鉄道文化むらに1両丸々の状態で保存されていますね。

 

運転席です。基本は外していないと思いますが、普通の電車のようなシンプルさは無く複雑です。

 

扉には「飛降危険」のプレートが貼られています。機関区では、ホームではなく線路から直接乗り降りしますからねぇ…。

 

外には門司駅の駅名標が有ります。

 

そして、0キロポストです。九州の鉄道、全てはここから始まったんですねぇ。

 

そして現在のJR九州の前身とも言える九州鉄道の旧社屋です。レンガ造りで歴史を感じさせます。