この日は利府森郷交通公園で静態保存されているED91形11号機とC58形354号機を撮影してきました。

 

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利府森郷児童遊園

利府森郷児童遊園は利府駅の北側(JR利府駅から徒歩約5ほどの場所)にあります。

この公園内は利府町内に新幹線と在来線の車両基地が設置された事を記念して1975年に開設されました。

開設に際しては国鉄からC58形354号機とED91形11号機が貸与され園内で展示されてきました。

公園の再整備に当たってED91形の解体する計画があるようです。解体工事は2022年早々にも開始されるようですので早めにお別れしていきます。

 

C58形354号機

この機関車は1944年(昭和19年)1月15日に川崎車両で新製されたものです。

この機関車は殆どの期間を関西で過ごし1972年に会津若松機関区へ転出、同機関区で約2年ほど入換用機関車として使用されたのちに廃車されました。

保存された地に縁もゆかりもない354号機ですが、廃車後の1975年に当地で静態保存されました。こちらは保存されるのか解体されるのかは分かっていません。

 

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ED91形11号機

ED91形11号機(新製1956年・東芝)。この電気機関車は1955年から仙山線の陸前落合~熊ケ根駅間で行われていた交流電化実験区間での2次比較試験(1956年~)で使用するためにED45形11号機として製造されたものです。

この車両は東芝の技術提示試験車として1両のみが製造されたもので保守が簡単な乾式変圧器や風冷式イグナイトロン水銀整流器、相数変換機化した補助電源装置が搭載された他、交直流車両を開発するための一部機器を搭載しています。

試験結果はイグナイトロン水銀整流器の不良が見つかり改良したものに積み替えたうえで再試験を実施、結果が良好だった事によりED45形11号機をベースにED71形、ED72形、ED73形の開発が進む事になりました。

試験終了後はED91形11号機に形式が変更されて1970年頃まで仙山線などで使用されてきましたが福島機関区所属のED78形への運用替えにより廃車されました。

廃車後は暫く長町機関区で保管されてきましたが1975年に利府森郷児童遊園に運び込まれて静態保存されてきました。

交流電車や新幹線車両の基礎を作り上げた歴史的に価値がある車両ですが、現在では野ざらしとなっていて車体の老朽化が進行してきました。

このため、車両を貸与しているJR東日本と借り受けている利府町が協議を行い解体する事になり、早ければ2022年初頭に作業が開始される予定になっています。

現在のところ、鉄道車両の保存を行っている団体が保存に向けた交渉していますが進展が無く、令和4年3月末の高濃度PCB廃棄期限が迫ってきているのでこのまま解体されてしまうのかもしれません。

ED91形について2022年1月から日本鉄道保存協会が移送や復元整備するための募金を集める事になったそうです。募金が集まれば綺麗な姿になったED91形に再会できるかもしれません。私も微力ながら募金が始まったら協力したいと思っています。

 

詳しくは日本鉄道保存協会のホームぺージをご覧ください。

日本鉄道保存協会ホームページ (rpsj.jp)

 

【1/20追記】

残念ながら1/13からED91形11号機の解体及び撤去工事が始まったようです。

 

本日の撮影はここまで

お疲れさまでした。