英賀保駅【兵庫県】(山陽本線。2019年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】コーナーは、
兵庫県姫路市南部郊外に広がる住宅街に位置する山陽本線の駅で、一応新快速停車駅、今後は北口が開設される予定で、駅の雰囲気が変化すること必至の難読駅、
英賀保駅 (あがほえき。Agaho Station) です。 
 
 
駅名  
英賀保駅 (駅番号なし)
 
所在地  
兵庫県姫路市  
 
乗車可能路線  
JR西日本:山陽本線   
 
隣の駅  
神戸方……姫路駅 (途中の手柄山付近に2026年新駅設置予定)  
門司方……はりま勝原駅  
 
訪問・撮影時  
2019年3月
 
 

 

英賀保駅は地平駅で、南側に駅舎・改札口があります。
駅舎は1913年(大正2年)の駅開設時からのもので、古い木造駅舎が現役で使用されています。かつては近隣に類似の駅舎を有する駅が多数ありましたが、橋上化などにより減少の一途を辿っています。
出入口に段差がありますが、階段とスロープ(右)で解消しており、バリアフリーに対応しています。
出入口前には飲料自動販売機が設置されています。右側には郵便ポストと電話ボックス、そして交番があります。
駅舎前には簡易なロータリーを有する駅前広場があり、バス停留所とタクシー乗り場が設けられています。  
また、駅前広場の西側(写真左外)には有料駐輪場があります。
そして、上写真奥、駅舎の左側には駅北側とを結ぶ跨線橋(南北自由通路)があります(後述)。
写真は北西を望む。
 
 

こちらが南北自由通路の跨線橋です。北西を望む。右手に駅舎があります。
現状、北側に駅舎や改札口はなく、北側から駅へアクセスするにはこの南北自由通路を渡ってこちらの南側へ回る必要があります。
この跨線橋は自転車の通行が可能ですが、スロープが狭くて車いすは通行できません。また、エレベーターがないため、バリアフリー非対応です。現状、北側から車いすで駅へアクセスするには約300m東または約350m西の踏切へ迂回する必要があります。
北側からのアクセスが不便な現状ですが、2021年末には南北自由通路を造り替えてエレベーターを設置の上でバリアフリー化するほか、北側橋上階に北改札口を設置して改札内跨線橋に接続する工事を行うことが発表されました。完全な橋上駅舎化はされず、従来の改札口(南口に改称か?)は今後も残りますが、北側からの利便性が大幅に向上します。2025年度に完成予定との事です。
となると、現在の歴史ある駅舎は取り壊しを免れると思われますが、築100年以上で老朽化が進行しているだけに今後が心配です。
 
 

駅前です。南南東を望む。後方に駅舎があります。
駅周辺は住宅街が広がっていますが、駅前にもかかわらず商店は多くありません。
また、駅前にある英賀保駅前交差点は五差路になっており、英賀保駅を中心に道路が放射状に延びています。
左右方向には山陽本線に並行する形で県道415号線が延びており、前方には県道516号線が、右前方には県道502号線が延びています。左前方には姫路市道の細い路地が延びています。
前方に延びる県道516号線は飾磨区の中心部へ向かう幹線道路です。約1.3km先に山陽電鉄網干線の西飾磨駅が、約3km先に「イオンモール姫路リバーシティー」が、約4.1km南南東に飾磨港があります。
また、県道415号線を左(北東)へ進むと手柄山中央公園や姫路駅方面、右(南西)へ進むと勝原方面(はりま勝原駅南側)です。
 
 

駅前です。南西を望む。右手に駅舎があります。
左手前~右奥の道路は県道415号線、左奥へ分岐する道路は県道502号線、手前で左へ分岐する道路は県道516号線です。
英賀保地区は整然とした住宅街が広がっています。
左奥への県道502号線は広畑方面へ向かう幹線道路で、約1.8km先に山陽電鉄本線の夢前川駅が、約2.5km先に日本製鉄瀬戸内製鉄所広畑地区東門があります。
 
一方、駅北側も住宅地が広がっていますが、すぐ近くまで山が迫っています。駅北側は南側以上に商店が少ないです。
 
 

 

改札口です。出入口より北西を望む。
昔ながらのレイアウトを基本に、新しい設備が取り入れられています。
英賀保駅は有人駅(直営駅)ですが、駅員不在時における対応のため、改札内外にきっぷ確認用カメラ搭載のインターホンが設置されています。
交通系ICカード『ICOCA』などに対応の自動改札機が3通路あり、窓口に面した左端が幅広通路で、有人通路を兼ねています。
改札口の左手前には自動券売機(ICチャージ可)とオペレーター対応可能な指定席券売機『みどりの券売機プラス』が設置されています。
改札口と自動券売機の間には『みどりの窓口』がありましたが2015年に廃止され、代替として『みどりの券売機プラス』が設置されました。窓口跡は閉鎖されています。
改札内には自動精算機(ICチャージ可)があります。
改札口の右手前にはベンチが置かれていますが、駅舎内に待合室はありません。
そして改札を通ると下り1番ホームで、改札外とホームの間は段差なく移動できます。
1番のりばに出て左へ進むと上り2番・3番のりばとを結ぶ跨線橋があります。階段のほかエレベーターもあり、バリアフリーに対応しています。
トイレ・多機能トイレは1番のりばに出て右側にあります。トイレ手前のホーム上にはAEDがあります。
尚、英賀保駅構内と駅前に売店・コンビニはありません。最寄りのコンビニは約320m南西の県道415号線沿いにある「ファミリーマート」で、近くありません。
 
 

下り1番のりばに設置されている建植式駅名標です。非電照式です。
JR西日本の標準デザインで、下部には山陽本線のラインカラーかつJR西日本のコーポレートカラーである青が使用されています。
尚、英賀保駅はJR神戸線(大阪~姫路)の指定区間から外れるためか、駅ナンバリングは導入されていません。
英賀保駅では「山陽線」と案内されています。
 
 

英賀保駅は単式ホーム・島式ホームとも各1面、計2面3線です。典型的な国鉄タイプの配線です。
地平構造で、北東~南西方向にホームが延びています。
左(南)の単式ホームが駅舎に面した1番のりばで下り網干・岡山・門司方面、右(北)の島式ホームは左が2番のりばで上下共用の中線ですが上り姫路・神戸・大阪方面の一部列車が発着します。島式ホームの右が3番のりばで上り姫路・神戸・大阪方面で、上りはほとんどの列車が3番のりばに発着します。
1番のりばから見て、2・3番のりばは若干門司方(前方)にずれています。
ホーム有効長は12両分で、ホーム幅は普通ですが、1番のりばの神戸方の端(後方)は狭くなっています。
上屋は各のりばともホーム中ほどの約2両分しか設置されていません。降雨時の乗降は要注意です。上屋の先(奥)に両ホームを結ぶ跨線橋があります。
少なくとも2番のりば・3番のりばにはベンチと飲料自動販売機がありますが、1番のりばは確認し忘れました…。
写真は1番のりばより門司方を望む。
 
 

 

こちらは1番のりばより神戸方を望む。右から1番のりば~3番のりばの順です。
1番のりばの門司方南側(写真右)にはかつて貨物側線があったと思われます。
痕跡は残っておらず、跡地と思われる場所は駅前広場、南北自由通路、有料駐輪場、保育園などに転用されています。
また、ホーム上を2本の跨線橋が跨いでいます。
手前側は改札外の南北自由通路で、今後バリアフリー対応通路に架け替えられます。
奥側(上写真奥、下写真)は改札内跨線橋で、2007年にエレベーター併設型のものが設置されました。今後、この跨線橋を左(北)へ延伸して北改札口と接続する予定です。
それ以前はさらに神戸方(下写真奥)に跨線橋がありましたが、バリアフリー化と同時に使用停止となり、直後に解体され現存しません。ホーム上に支柱の痕跡が見られます。
また、1番のりばの改札内跨線橋の先(下写真右奥)には駅舎・改札口があります。
 
 

1番のりばより神戸方を望む。左前方の3番のりば側に保線用の車庫があります。 
この先、左手に小さな山々を遠望しつつ住宅街の中を北東へ走ります。その後は国道2号姫路バイパスをアンダーパスすると右へカーブして、引き続き住宅街の中を東北東へ走りますが、やがて右前方に手柄山中央公園が見えてきますが、今後、この付近に新駅が設置される予定です。その後は手柄山中央公園の北端部に沿って走ると高架区間になり、左から姫新線が寄り添うと、遺構が残る姫路モノレールの廃線跡と交差して山陽本線をアンダークロスします。そして右へカーブして進路を東に変えると山陽電鉄本線をオーバークロスして、市街地に入ると兵庫県播磨地方随一のターミナル駅である姫路駅へと至ります。
 
 

1番のりばより門司方を望む。
中線の2番のりばからは保線用の引上線が分岐しています。すぐ先で行き止まりになっています。
この先、住宅地の中を南西へ走りますがすぐに右へカーブして築堤高架になり、進路を西に変えると県道516号線をオーバーパスして夢前川を渡ります。その後は地平区間に戻り、右手に山々を遠望しながら田園と住宅が混在した風景の中を西へ進み、やがて田園が減少して住宅の割合が増えてくると2008年に開業した新駅である「はりま勝原駅」へと至ります。
 
 
あとがき  
私が英賀保駅で下車(乗車)したのは2019年の1度きりです。兵庫県の全駅を訪問する目的の一環で下車しました(2019年7月全駅制覇)。構内は国鉄型の2面3線で、南側に木造駅舎があります。今後は北口が開設され、南北自由通路がバリアフリー化されますが、木造駅舎は取り壊されないと思われます。駅周辺は住宅街で、駅前からは道路が放射状に延びています。
 
東京からですと東海道・山陽新幹線で姫路駅まで行き、山陽本線の下り普通列車または新快速(姫路以西各駅停車)に乗り換えて当駅下車です。じゅうぶん日帰り訪問可能です。
一方、大阪からですと大阪駅からJR神戸線の下り新快速に乗り、網干以遠行きの場合は乗り続けて当駅下車、姫路行きの場合は姫路駅で下り普通列車に乗り換えて当駅下車です。快速の場合は網干以遠行きですと乗換なしで到達できます。余裕で日帰り訪問可能です。
 
食料・飲料について、駅前にコンビニ、気軽に入れる商店・飲食店はありません。最寄りのコンビニは約320m南西の「ファミリーマート」になります。事前に用意しておいた方が無難です。
 
東京からの到達難易度もさほど高くありません。山陽本線を乗り鉄される際は、ぜひ一度は英賀保駅でも途中下車されてみて下さい!
 
(参考:JR西日本のHP、ひめじラボ、さいきの駅舎訪問、Google地図、Wikipedia)