駅間距離短縮の勧め | 錯乱坊の徒然日記

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 五十年以上も前から日本の鉄道の駅間距離は平均で約四kmです。と言うことは駅から二kmの位置に住む人は普通の人が歩く速さで三十分も歩かなければ鉄道の駅に辿り着くことができません。もし駅の数が四倍に増えて平均駅間距離が一kmになれば駅から五百mの位置に住む人は七~八分ほど歩けば最寄りの駅に辿り着けます。

 普通の人が我慢して毎日のように歩けるとしたら七~八分が限度ではないでしょうか?。私なら五分が限度です。高齢者の場合は歩くのが遅いので倍の十五分ぐらいが限度でしょう。今後の高齢化社会を鑑みるに現在の鉄道の駅間距離が平均で約四kmというのは、あまりにも長すぎます。それで鉄道の駅までは路線バスか乗用車を使わざるを得なくなります。

 路線バスか乗用車に乗るぐらいなら鉄道は利用せずに直接、目的地に向かう方が乗り継ぎの手間が省けます。これがローカル鉄道の利用者を減らしている大きな原因の一つと思われます。全く利用者のいない原野や山間部にまで新駅を設ける必要はありませんが五百m以内の沿線に一世帯でも乗用車を使えない高齢者がいるならば、そこに駅を設置するかどうかは鉄道事業者の良心の問題でしょう。

 それとも今までのように鉄道の駅までの公共交通機関は路線バスに任せますか?。路線バスも年々進化して、ハイブリッド,蓄電池,水素燃料バスが、これからの主流になるでしょう。自動運転バスも実用化の段階に入っています。ランニングコストは抑えられて、これからはローカル鉄道の驚異的なライバルになります。果たして生き残るのはローカル鉄道なのか路線バスなのか今後の成り行きが心配です。
 

 路線バスと比較してローカル鉄道に優位性があるのは速度です。路線バスの表定速度は時速二十km未満ですがローカル鉄道の場合は専用軌道を走行するので時速三十km以上にはなります。所要時間は路線バスの半分程度で済みます。しかしJR東日本の大船渡線や気仙沼線のように専用路を持つBRT(Bus Rapid Transit)ならば路線バスよりは速く運転できるでしょう。

 

 

 

 極論すればローカル鉄道は、すべてBRTに変えたとしても利便性は、あまり変わらないかも知れません。それで本当に良いのでしょうか?。ローカル鉄道はBRTには勝てないのでしょうか?。最後の望みは運行に必要なエネルギー・コストにあるかも知れません。

 鉄道の最大の特長はレールと車輪を使って走行するため舗装路をゴムタイヤで走るBRTに比べると摩擦が少ない分だけ少ないエネルギーで走行できます。それを電気代に換算すると当然ながら鉄道の方が安いでしょう。しかし今後の電気は太陽光や風力やバイオマスと言った再生可能エネルギーが多くなり電力問題は無縁になるかも知れませんし、多少の電気代の違いは無視できるようになるかも知れません。

 

 結局、三陸鉄道のように、あくまでも鉄道での再生に拘ったのは沿線住民の古き良き鉄道に対するノスタルジーに過ぎないのかも知れません。私も根っからの鉄道ファンですからローカル鉄道に対する郷愁の念はあります。だからと言って何が何でもローカル鉄道を維持存続させろとは言えません。それは沿線住民にとっては逆に不利益かも知れないのです。
 

 

 

 しかし平均駅間距離が約四kmのままでは今後のローカル鉄道は高齢者の沿線住民には受け入れられないでしょう。駅を四倍に増やして平均駅間距離を約一kmまで短縮することをお勧めします。それが今後、ローカル鉄道が生き残るために最良の方策と思えるのです。