臨南5号系統。恐らく京都市バスでは1番影の薄い系統なのではないでしょうか。南5号系統の派生ではありますが、その実態はまっったく異なる別系統そのものです。


まず本来の南5号系統は、

竹田駅東口〜深草西浦町〜稲荷大社前〜月輪〜七条京阪前〜京都駅

と結ぶ終始京阪沿線を走る路線で、近年は稲荷大社が大注目されたお陰で黒字化された系統。

出入庫便として竹田駅東口より81号系統と同経路で横大路車庫へと行く特南5号系統も存在します。


では臨南5号系統はというと

竹田駅東口→深草西浦町→聖母女学院前→JR藤森駅→藤森神社→竹田駅東口

と伏見区深草を時計回り循環するいわば深草コミニュティバスとしての役割を担っており、沿線にある神社も藤森神社です。また、「臨」とは付いてますが、完全に名ばかりで毎日毎時1本は運行されています。車両も1台で回しており、周回には30分程度しかかからず、比較的短い路線です。

使用車両はかつては中型車でも走らせていたようですが、現在は終日日野ポンチョなどの小型車です。

そして担当は横大路営業所。民間委託営業所であり、MK観光バスが現在運行業務を担っています。



上2枚のようにギリギリ対向通行可能な道路や、急な坂を駆け下りたり、コミニュティバスらしい、狭く厳しい道路を通る路線です。


歴史に関してはwikipediaの横大路営業所の項を参考して頂くとして、この路線の現況ですが、やはり利用客は少なく、敬老優待乗車証利用者が多い、と言えます。前述の通り周回は30分程度と短い上に、半時計方向ならば若い人なら歩ける距離でもあります。正直藤森神社へ参拝するなら鉄道利用の方が望ましいです。

その上に営業係数に関しても南5号系統の派生系統として扱われている故に、毎年出されている営業係数は南5号系統との合算で算出されており、正確な営業実績もよくわからないのが現状です(正直1番苦しいと言われる南1よりも悲惨かもしれませんね)。


広報資料でもそんな扱いを受けている故、恐らく京都市バスでは最も知られない系統の一つと言うことが言えるでしょう。是非この際興味を持って頂けたら地元民としても嬉しい限りです。


(今は亡きエアロミディME。何処かで再起しているのでしょうか)