【ダイヤ改正2022】成田エクスプレスが千葉停車!E259系運用減少?さざなみ時刻変更も

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JR東日本では2021年12月17日、新幹線と在来線の大規模な運転本数見直しを発表しており、在来線特急についても各方面で大規模な変更が行われます。

千葉方面の特急列車では、長らく大規模な運休が続く「成田エクスプレス」に千葉駅停車便が大幅増加しているほか、特急「さざなみ」の運転時刻が変更されます。

「成田エクスプレス」大宮と池袋発着が廃止に

成田空港特急「成田エクスプレス」は、2020年5月1日から記事公開日現在まで、朝晩の列車を除いた大規模な運休がしばらく続いています。

今回のダイヤ改正概要発表では運休分の運転再開時期への言及はありませんでしたが、発表内容を見る限り遅くともダイヤ改正までに運転再開が期待できる内容です。

既に現行ダイヤがどうなっていたのか忘れ去られそうな「成田エクスプレス」ですが、2020年3月改正では東京〜成田空港間の全列車12両運転が復活しています。同改正では横浜発着となっていた列車も大船駅発着とされ、大船発着は概ね1時間に1本の運転となりました。その後、2021年3月改正では高尾駅発着2往復が八王子駅発着へ修正されるなどの変化がありました。

2022年3月のダイヤ改正では、現行ダイヤで下り(成田空港行き)7本・上り(成田空港始発)12本が設定されていた池袋発着列車と、2往復が設定されていた大宮発着列車が全て新宿発着に変更されています。

2021下り2022下り増減2021上り2022上り増減
大宮駅発着20▲220▲2
八王子駅発着22なし22なし
池袋駅発着70▲7120▲12
新宿駅発着1524+91024+14
大船駅発着1716▲11716▲1
池袋行き上り1本は2021年3月改正で新宿止まりから延長された列車

空港アクセス特急という列車の性質上、乗り換えの少なさは大きなメリットとなっていましたが、これを切り捨てる格好となっています。背景は明示されていませんが、後述の車両・乗務員運用上の合理化が背景と推察されます。

八王子駅発着の2往復については今回は維持となりました。えきねっとでは「N’EX えきねっとトクだ値(チケットレス特急券)」が長らく発売されており、同区間を走る「あずさ」「かいじ」「はちおうじ」「おうめ」を補完する存在として徐々に利用が定着しています。

一方で、横浜側については、全列車が大船駅発着維持となっています。2020年3月改正で全列車が大船駅発着・1時間に1本の運転体系に改められおり、これ以上の減便は難しいという判断でしょうか。

2020年ダイヤをベースとした構成となっており、東京駅で増解結する列車の折り返しは12両のまま……といったダイヤが維持されているため、東京駅以東での6両運転も今回は設定されていない模様です。

千葉駅停車で需要を取り込めるか

そして、今回のダイヤ改正で千葉県民を賑わせたのは、「成田エクスプレス」で朝晩のみ実施されていた千葉駅停車が日中も1時間に1本設定される変更です。これにより、下り(成田空港行き)が4本から16本・上り(成田空港始発)が3本から13本と利便性が大幅に向上します。

千葉から東京・横浜間の最速達列車となるほか、長年一定の需要があった千葉〜新宿間を乗り通せる列車が終日運転されるようになり、利用動向に大きな変化をもたらしそうです。

えきねっとでは「N’EX えきねっとトクだ値(チケットレス特急券)」の設定区間拡大・期間限定での割引額増加も示されており、意気込みの強さを感じます。例示されている新宿〜千葉間は割引率が最大の期間限定価格が640円とされており、これはあずさ3号・50号のチケットレス特急券価格より20円安い設定です。

今回は半数弱とまだ様子見といった印象もありますが、利用が増加すれば全27往復に拡大しても不思議ではありません。

内房線特急「さざなみ」運転時刻変更

始発駅時刻終着駅時刻
さざなみ2号君津5:54東京(京葉)6:57
新設さざなみ4号木更津7:03東京(京葉)8:10
名称変更さざなみ4号
→さざなみ6号
君津7:40東京(京葉)8:46
廃止さざなみ6号君津8:10東京(京葉)9:13

中央線特急・常磐線特急・東海道線特急でも実施されているように、(明言されていないものの)朝ラッシュ時間帯の一般列車減便で生じた余裕に着席サービスの色合いがある特急列車を挿入する変更です。

こちらも他路線同様に増発ではなく、ラッシュピークに1本設定してピーク外の1本を削減するものとなっています。

朝ラッシュの最ピークを避けるような格好で、運転間隔がバラバラだった朝の上りの利便性向上が期待されます。一方で、この4号のみ1区間短い木更津駅始発とされており、君津からの利用の場合は乗り換えが必要です。

運用数はやや減少か・E259系試運転との関連は

従来の大宮発着は2往復で、ともに東大宮センターへの夜間停泊となっていました。回送列車として列車設定が残るのか(乗車が少ない区間なので車掌要員削減目的)、それとも停泊場所が変更とされるのかは不明ですが、車両の所要数の増減はなさそうです。

一方で、池袋〜新宿間はわずか5分程度の距離ですが、新宿駅で折り返す場合と比較すると段落とし(すぐに折り返さず1つ後ろの列車に充てる体系)の車両運用構成となっていました。

乗務員の運用も池袋発着・新宿発着でそれぞれ構成する必要があったところを持ち替えにより効率的なものに改めることが可能です。駅業務では池袋側の駅員・清掃要員の業務見直しをしつつ、新宿駅の員・清掃要員の業務を効率化する効果も期待出来ます。

先述の通り、池袋〜新宿間の営業列車廃止と東京〜大船間の1往復の削減により、1〜2運用程度の削減が見込まれます。

最小で15運用で運用が可能なダイヤとなっていますが、これまでE259系の車両運用は大船発着のタイミングで車両を入れ替える運用構成が組まれていました。2022年3月改正も同様の余裕を持たせると、実際の運用数は16〜17程度への再編が想像でき、さらに定期検査の予備を1本加味しても22編成の配置に対して4〜5編成程度が余剰となります。

JR東日本では最近、E259系を使用した試運転が千葉エリアで頻繁に行われていました。

いずれも試運転は総武本線方面を中心に設定されており、各駅では停止位置目標設置も進んでいることから、255系・E257系の運用のうち特急「しおさい」への充当が想像されます。

2022年3月改正時点では定期運用入りは設定されないものの、将来的な展開としてE259系を充当する前提で準備をしていると考えることが出来そうです。今後の注目ポイントは「しおさい」専用車両を用意するのか、そのままの塗色で運用するのかでしょうか。

「成田エクスプレス」の間合いに「しおさい」が設定された場合、運用共通化による効率向上がそこまで期待出来ないこと・「成田エクスプレス」誤乗対策の観点を考えると今ひとつな印象もあります。

将来的な動向は依然として全貌が見えませんが、現行の255系・E257系による輸送体系に何らかのテコ入れが行われることは確実な状態であることには変わりないので、今のうちに乗車や撮影をしっかりとしておきたいところです。

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