(前回記事の続き)
(土讃線 スイッチバックの秘境駅・坪尻)
四国交通定期観光ボンネットバスの旅を終え、
JR土讃線で阿波池田を発つ。
阿波池田(あわいけだ、徳島県)駅16時45分始発、土讃線 普通・琴平行き
阿波池田発の土讃線特急列車は上下概ね毎時1本あるが、土讃線普通列車は下り7本・上り6本のみ。
佃駅を起点とする徳島線も運転系統上は全列車阿波池田駅発着。
JR四国1000形気動車の単行
車内へ。
平成2年新潟鐡工製の1000形気動車
16時45分、阿波池田駅を発車
※画像は基本的に後方展望
気動車は東に向かって走る。
阿波池田は山間部の街
佃駅(つくだ、徳島県)
JR徳島線(佃〜佐古、67.5km)は、線路名称上はこの佃駅が起点だが、運転系統上は徳島駅方が一番本数が多く、こちら阿波池田方は徳島線の末端区間の雰囲気。
右側に無人の駅舎
佃駅が後ろに遠ざかる。
徳島線が分岐
東に向かって走っていた気動車は、佃駅を過ぎると、大きく180度迂回し西に向きを変えていく。
吉野川橋梁(571m)へ。
四国一の大河・吉野川を渡る。
乗客は数人程度
勾配を上がっていく。
箸蔵駅(はしくら、徳島県)
下り普通列車と交換
向こうも1000形気動車の単行
箸蔵駅は、箸蔵寺へ向かう箸蔵山ロープウェイ乗り場の最寄駅
大きく迂回して勾配を登る。
進行方向左側に阿波池田の街を見下ろす。
やがて気動車は北に向きを変え、25‰(パーミル)の勾配を登る。
引き上げ線が見えてくると、間もなくスイッチバック駅の坪尻
勾配の途中に立地する駅のため、普通列車はこの駅でスイッチバックを行う。
引き上げ線が本線に合流
気動車は本線から分岐
スイッチバック式の行き止りの線路へ入る。
坪尻(つぼじり)駅に到着。集落から離れた標高272mの山間にある無人駅で地元利用客は殆どいない。秘境駅として名高い。
左側は本線。特急列車はスイッチバック線に入らず、そのまま本線を通過していく。
ホームは一面一線のため、普通列車どうしの行き違いの場合でも、片方の普通列車は坪尻駅には停車せず素通りする。停車する普通列車は下り3本・上り4本のみ。
JR四国で2つしかないスイッチバック駅の一つ。もう一つは同じ土讃線の新改駅。
坪尻駅から徒歩30分ほど険しい山道を登った所に木屋床(こやとこ)集落がある。かつては集落の住民がこの駅を利用していたが、集落に沿って道路が整備された現在はこの駅を利用する住民はほぼなく、秘境駅と化している。
山の上の集落から離れた、深い谷底にある秘境駅「坪尻」
無人の木造駅舎
駅からスイッチバックの配線がよく分かる。
運転士がこちら側に移動し、坪尻駅をバックで発車
気動車はゆっくり走り出す。
本線と合流
すぐに本線から引き上げ線に入る。
右側の本線は阿波池田方面に向け勾配を下っていく。
後進した気動車は平坦な待避線のここで停車
運転士は反対側に移動し、気動車は引き上げ線から本線へ向かい走り出す。(※後方展望)
本線に合流
先ほど停車した坪尻駅を横目に走り抜ける。
坪尻駅が後ろに遠ざかる。
気動車は、坪尻駅を横目に勾配を登っていく。
猪鼻トンネル(3845m)で猪鼻峠を越え、徳島県から香川県へ入る。
峠を抜け、讃岐財田駅(さぬきさいだ、香川県)
木造駅舎が残る無人駅
1000形気動車の座席はボックスシートとロングシートが千鳥状に配置
3扉の1000形気動車。中央のドアは両開きで、両端のドアは片開き。
ドア横のボックス席の窓は戸袋を兼ねた固定窓
二段窓は、下段も開く。
車端部の左側は運転台
讃岐財田駅では、下り高知方面の特急列車との行き違いのため数分停車。
終点・琴平駅(ことひら、香川県)、17時33分到着
方向幕の行先は、既に「大歩危」に変えられている。
※2021年(令和3年)初夏
(続く)